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無駄な仕事の定義

以前こんなニュースが流れてましたよね。
私もまだ覚えています。

別の記事では4割ともいわれていますね。

仕事にとって「無駄」か否かを判断する基準は基本的にたった1つ。

 その仕事が何に役立っているか

が仕事をした当人に正しく自覚させられているかどうかで決まります。

ニュースの中では「社内会議」や「社内での報告業務」が無駄だと言われているようですが、これらの業務が実際にかかわっている人にとって"有益である"と認識できていれば当然『無駄』とは判断しないでしょう。

社内会議に参加しても、強制させられているだけで参加した人にとっては何も有益ではない…と感じているから無駄になっているんです。実際、主観的にそう感じているということは、

 ・参加しなかったとしても、何も業務に支障がない
 ・参加することの意義やメリットを主催者が伝えていない

ことが背景にあるものと容易にわかります。

以前、私も一例として進捗報告を会議体で行うことの意義や効果について触れました。

実際、こうした会議体は主催者…報告を受ける側以外の人にとって9割以上が無駄な時間です(1割は"ひょっとしたら有益な共有情報があるかもしれない"程度のバッファです)。実際には大半が10割無駄なことが多いでしょう。

本来、報告を受け取る側の人が一人ひとりに聞いて回ればいいだけのモニタリング作業を一斉に集めて聞いたほうが楽だからそうした会議体があるだけで、他人の進捗を口頭で聞くこと自体はほかの参加者にとってなにもメリットがありません。そもそも、進捗状況などは口頭報告だけでなくどこかで管理している現場のほうが多いはずです。資料化されているのであれば、そちらを見るだけで済む程度の話ですからね。

ただの状況報告だけであれば5秒で終わりますが、「なぜ遅れているのか」「どうやって取り返すつもりなのか」といった情報は報告を受け取る管理者だけが気にしている情報で、報告する側のほかのメンバーにとっては他人の遅れた理由や対策内容など聞いても自分の仕事の中に全く活きてきません。無駄と感じるのは当然です。

ですが、報告会議に30分や1時間、管理者のエゴにただただ付き合わなければならず、その時間は一切非生産的な時間で逆に遅れていくだけですから、無駄なのは間違いないでしょう。

 「中には共有する情報もあるし!」

と自己正当化しようとする管理者も多くいらっしゃいますが、それは「進捗報告」と「情報共有」をまとめてやろうとしているだけの話であって、

 「進捗報告」は個別に聞いて回る
 「情報共有」は必要なメンバーのみ集めて会議体にする

を切り分けるだけで無駄な時間を強制する必要はなくなるはずです。結局、それをしないで楽をしようとしているだけのエゴにすぎませんから、メンバーにとっては無駄と感じることを否定する資格はありません。

「社内での報告業務」については、その業務自体が無駄ということはないでしょう。

本当に無駄とするのであれば管理者は管理責任を負えませんので、個々人でそれぞれの業務に対する全責任を負わなければなりません。組織的な活動においてはそれをさせられないし、個々人では責任を負いきれないからこそ優秀な人材が管理者となって統括するわけですから「責任を取る」ようなことがなくてもいいようにコントロールするためにも常に最新の状況を把握する必要があるため、報告業務そのものは必要となるはずです。

おそらくはその報告業務の形式、様式、仕組み、プロセスなどのなかに無駄が多いということなのでしょう。個々人が好き勝手に報告するとそれを受け取る側は混乱してしまって適切なコントロールができなくなってしまうため、どうしても管理者の把握しやすい形式、様式、仕組み、プロセスで報告する必要はあると思います。

ですが、その形式、様式、仕組み、プロセスが最適化されていて、報告する側のメンバーたちに余計な負担をかけていないか?という点はまだまだ改善の余地があると思います。

私も現在在籍している企業の中で、同じ活動の報告業務だけで3~5種類も要求されていたりするせいで「あまりにも無駄すぎる」「メンバーの人生を何だと思っているのか」と憤慨していたりしますが、ほかの多くの企業でも同じようなことが起きているのでしょう。

「無駄」と感じさせる業務が多ければ多いほど、従業員の生産性は低いはずです。

そのほとんどは形式、様式、仕組み、プロセスを定義する人のエゴが原因です。トラブルや顧客からのクレームのようにわかりやすくマイナスが見えませんが、間違いなく費用対効果、投資対効果を落とさせています。中にはそうした管理者の下で働くことに疲れ果て、辟易し、離職するメンバーもでてくることでしょう。

私はこれを

 『マネジメントのサイレントキラー』

と呼んでいますが実際に「無駄」となっているのであれば、そういう人には形式、様式、仕組み、プロセスなどを決定させてはいけません。わかりにくいかもしれませんが、確実に企業の収益に大きなダメージを与えています。


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