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リーダーは「伝える力」が不足している

「お客さんを大切にしなければ、会社は上手くいかない」
「みんなで幸せになろう」

と言った言葉の意味なら小学生でも分かります。
理屈だけなら誰でも理解できます。

しかし、それが相手の心に響くかどうかは伝えることができているかどうかにかかってきます。

この"教える""伝える"を、うまくできなければ本当のリーダーとは言えません。特に"伝える"ことは、上の立場になればなるほど大事と言えます。

以前、「教えることと伝えることは違う」的なお話のなかでも似たようなことをお伝えしましたが、そもそも"教える"ことは他の人に肩代わりしてもらうことができます。場合によってはマニュアルやeラーニングでも可能です。

でも、"伝える"ことは他の誰にも任せられません。

特にリーダーであればリーダー自身が伝えなければならないことであり、それができなければリーダーとして成功しません。自分の下に就いた人が動いてくれないからです。

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セブンイレブンを大きく育てた鈴木敏文氏の本『商売の原点』を読むと、毎週の会議で1300回以上お話をされたそうですが、直接話すほうが気持ちが伝わりやすいのです。

インターネットなどを通じて「意味」や「情報」を伝える手段はとても発達しましたが、それでも「意識」「気持ち」を伝えるには直接会うことがやはり有効です。

人との直接の接触を苦手とする人も最近は多いと聞きますが、リーダーになるなら"伝える"能力を高めることも重要で、意識的に人と接するなどが大切です。

では、どうやったら"伝える"ことができるのか。

まずは相手に「伝えるべきこと」を、自分で

 「腑に落ちる」

まで納得することです。「腑」とは五臓六腑の腑で西洋人は「ハート」と言いますが、いずれにしても首から下に落とすことです。自分自身こそが、信念となるまで納得しなければなりません。

納得していないことを他人に納得させようとしても上手くはいかないのです。

なぜか?

他人を説得する言葉に真実味が乗らないからです。

「納得しない!」というものでなくても、「興味がない」から納得する努力をしたくないという場合でも同じです。結局、他人を納得させる言葉を生み出すことはできません。仮にできたとしてもそれは詐欺の一種です。


もしリーダーが

 「『お客さま第一』をやれば儲かるかな」

と考えていたらそれは頭で考えていることです。
心から「お客さま第一」だと思っているわけではありません。

そうすると、残念ながら部下の心には伝わりません。むしろ「なぜ金儲けの手段に自分が働かなければいけないのか」と部下は反発するかもしれません。

しかし、本当にお客さまを大切に思っていて、会社が良くなり、従業員も充実して働くことができて、みんなが幸せに働けるようにしたいと心から信じた上でそうあるよう活動し、そのことを言葉にすれば相手の心にも響きます。響いた結果、納得した結果、部下が同じように考えて行動してくれるかどうかはわかりませんが、少なくとも納得はしてくれるのではないでしょうか。

部下に仕事の喜びを知って欲しいなら、リーダー自身が仕事の喜びを心から感じて、そしてそれを信じて言葉にすれば伝わるはずです。

しかし、本で読んだようなことで自分でも信じていないようなことを口にしたら、部下は「リーダーこそ、仕事の喜びを感じた方がいいよ」と、口では言わなくとも内心はそう思っているかもしれません。

部下は、自分の人生を左右しかねないリーダーを注意深く見ています。

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