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希薄なコミュニケーション

数多く存在する『失敗』の中でも比較的起きやすいパターンの1つに

 コミュニケーションが希薄である

ことがランクインされます。
もう少し具体的に言うなら

『コミュニケーションの中で交わされる情報量が圧倒的に足りない』

という状況によって生み出される失敗ケースのことを言います。

この失敗パターンは、コミュニケーションが薄く、メンバー間の協調が十分に行われていないプロジェクトで頻繁に散見されます。

何度か説明させていただきましたし、これまでに行ってきたプレゼン、教育、報告などの中でも説明してきましたが、様々な現場で起きるトラブルの原因TOP3に必ず入るのが

 コミュニケーション不良

です。

まず、なによりも問題となりやすいのが、プロジェクトのメンバーがコミュニケーションにおいて主体性を発揮していない現場やケースです。

たとえば、メンバーであるAさんがたまたま同じプロジェクトのBさんの作成した成果物に問題があるのではないかと、疑問を持ったとします。

この時、AさんがBさん(または上位のメンバーやプロジェクトマネージャー)に疑問を投げかけて確認するかどうか。

ちょっとしたことですが、このことは実に重要です。

不思議に思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、プロジェクトが厳しい状況になると、ついつい自分の責任範囲(テリトリー)を優先しがちになってしまい、それ以外に対して無関心になるものです。

メンバーが

「忙しいし自分の責任ではないから、まぁいっか。
 多分確認しなくても大丈夫だろう…」
「他の人の仕事だし、いちいち言わなくてもいいだろう」

というモードになると、問題を早期に見つけることができず、その連続によってついには取り返しのつかない状況に陥ってしまうことが良くあります。

これに対処するためは、まずはプロジェクトマネージャーの雰囲気作りが欠かせません。

マネジメントを行うものが仕組みやルールを構築せずにコミュニケーションを取らなくてもいい雰囲気を作ると、コミュニケーションを取るも取らないもメンバーは自己判断に任せて行動します。

コミュニケーションを取りづらい雰囲気を作ると、メンバーはそもそもコミュニケーションを取らないようになります。

無理にコミュニケーションを取るよう働きかけると、義務感によって最低限のコミュニケーションだけは取るようになります。

コミュニケーションを取ることが奨励される雰囲気を作ると、放っておいても情報のやり取りが盛んになります。

当然、プロジェクトマネージャー自身が自分の責任に勝手に線引きしていたり、素直でなかったりするとプロジェクト全体がそのような考え方になってしまいます。

どんなにメンバーが優秀であっても、マネージャーの資質によってチームは変貌するようになっているのです。だからこそプロジェクト全体が有機的に動けるよう、プロジェクトマネージャー自身が率直なコミュニケーションを心掛け、プロジェクトに良い協調関係を作り出すことが求められます。

みなさんは、どんな雰囲気でプロジェクトを推進していきたいですか?

定常業務の場合はともかく、プロジェクト活動の場合は必ず期限が設けられていて、それまでに達成しなければならない目標(ゴール)が確実に設定されています。余剰なスケジュールでもない限り、そうそう簡単に進捗遅延を起こしていいものでもありません。

そして、口頭、電話、メール、etc.…なんでもかまいませんが、コミュニケーションによって必要な情報を必要な分だけ伝達しあうチーム作りができない限り、絶対にメンバーは行動できませんし、リーダーやマネージャーは正しい判断を行うこともできません。

そうなれば、あとはどんどんスケジュールが遅れ、崩壊していくのを待つだけです。

それだけに、初歩的なコミュニケーションを阻害する、あるいは主体的コミュニケーションができないマネージャーは、よほどメンバーと阿吽の呼吸で仕事ができない限り、ほぼ確実にトラブルを誘引するようにできているのです。

コミュニケーション不良で失敗やトラブルを起こすチームは、少なくとも

 ・阿吽の呼吸
 ・ツーとカーの関係
 ・目と目で通じ合う関係

になれるほど、集団活動の成熟度が高くないという1つの事実を証明しています。もし、ほんの少しでもそう言った失敗が見られた場合は、楽観的に事を構えず、そうそうに「仕組み」を導入し、徹底させた方が良いでしょう。今のままの個々人の力量では、必ずコミュニケーション不良を起こすとハッキリわかっているのですから。

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