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正しい目標設定

個人活動においても、チーム活動においても、正しい目標設定ができなかった場合、以下のようなデメリットが想定されます。

・やる気が続かない
目標設定をしていないということは、「明確なゴールをイメージできていない」ということです。プロジェクトにおいてはお客さまから大金を預かったにも関わらず、作るべきモノも、作るためにすべきコトも、定まっていない状態ということです。

仮にリーダーだけが頭の中にゴールを持っていたとしてもチームの場合はメンバーと共有できないわけですから、実際に手足となって動くメンバーにとっては「ゴールがイメージできない」という状態に変わりはありません。もちろんリーダーが全責任を持って、完璧に、100%正確なゴールイメージを伝え、またメンバーがその内容を100%完璧に読解し、体現できるというのであれば、都度リーダーの指示に従い続けていくのもいいでしょう。ただしゴールイメージを共有できない以上、メンバーは確実に受動的にしか動けなくなってしまいます。やることはだいたい決まっていても先が見えなければやる気は徐々に失われていくことでしょう。

ゴールのないマラソンを延々と続けろと言われているようなものですからね。

また目標設定が適切ではなく、あまりに簡単にできるものであったり、あまりにも難しいものになった場合もモチベーションは保つことができません。

・間違った道を進むことになる
目標設定を行いゴールが見えた状態で初めて、

 「どこに課題があるか」
 「自分が何をすべきか」
 「いつまでにすべきか」

がわかります。ゴールが見えていなければ「ゴールのためにすべきこと」がわからないわけですから、何をすればいいかは都度指示されなければ動けませんし、何をするかがわからない以上いつからいつまでに仕上げなければならないのかもわかりませんよね。

ゴールがはっきりと見えない状態では、やるべきことが決まらず手当たり次第やることになってしまいます。手当たり次第に行うとたいていの場合自分がやりやすいこと、簡単なことに手を出してしまいます。そして、やりやすいこと、簡単なことは、多くの場合、間違った道となってしまいます。

・達成/成長できない
曖昧な目標設定をしてしまうと、特に努力せずに達成できてしまったり、難しすぎてすぐに投げ出してしまったりします。要するに「微に入り細を穿つ」仕事は期待できなくなるということです。責任感が持てない要因としてもよく挙がるのはそのためです。そして、簡単に達成できたことに満足してしまったり、難しいからしょうがないと思ったり。

それでは自身の成長につながりません。

適切な目標設定をし、達成までの道のりを計画し、実践することであなたにとって意味のある経験となります。その場合、達成したとしても失敗したとしても、自身の成長につながることでしょう。


ついつい、「なんとなくこんなものだろう」といった形で目標設定をしてしまう場合があります。しかし、これではなんの意味もありません。目標は正しく立てましょう。

現状をしっかり把握する

まず現状を把握しなくては、適切な目標を立てることはできません。

「今、どういう状態/状況で、△△となっていて困っている。
 〇〇となるように努力しよう」

という発想につながるわけです。目標を持つと言うことは現状(As Is)に満足ができないから、理想(To Be)を持ってその実現のために行動するということです。このAs IsとTo Beを整理しないと正しい行動は起こせません。

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現状を把握せずに目標を立ててしまうと、余りにも達成することが簡単な目標や、絶対に達成することができない目標になってしまう可能性があります。

目標設定の際には、現状をしっかり把握し、

 「何が足りないのか」
 「どこに問題/課題があるのか」
 「達成可能な目標であるか」

を見極めた上で実施しましょう。


期限を明確にする

必ず「いつまでに達成するか」を決めましょう。

これを決めずに目標設定をしてしまうと、目標達成のための行動がなかなか進みません。必ず期限が必要となります。期限というと「終了期日」だけを重要視する人が多いと思いますが、それだけでは

 ・学生症候群
 ・パーキンソンの法則

といった遅延させやすい心理的課題を克服できない可能性があります。少なくとも「頑張る」「気を付ける」「努力する」といったあいまいな対策では信頼を得ることはできません。そのため、期限を設定する際には「終了期日」だけでなく、「開始日」も明確に設定するようにしましょう。

また、期限は根拠がなくてはなりません。

いつまでにやらなくてはならないのか、達成するためには何を行わなくてはならないのか、それを行うためにはどの程度の期間が必要となるのか。すなわち、現状把握はやはり必要なのです。


具体性を持たせる

目標には具体性を持たせましょう。

たとえば目標に「副業してお金を稼ぐ」とシンプルに設定するのではなく、

 "どのように"稼ぐ
 "いくら"稼ぐ

など具体的にするといったことです。具体性がない目標のままにすると、解決するための最初の1歩を決めることがきません。この例で言えば、稼げさえすればいいのなら1円稼げば済んでしまいますよね。その程度でよければ、親の肩でも叩いて稼げば済む話になってしまいます。

ですが、わざわざ『目標』とするくらいなのですから、そう簡単に片付くものでも、短期的に解決するものでもないことが多いでしょう。ビジネスに適用すればますますそうなるはずです。

だからこそ具体的な目標を設定した時に初めて、達成までのシナリオを描くことができるわけです。具体的とするには、数字で表現できる目標設定にすると後々評価しやすくなります。

目標は設定するだけでは意味を持ちません。

 ①目標に向かって行動する
 ②目標と結果を比較する
 ③ギャップを埋める
 ④次の目標設定時に活かす

少なくともこの手順を踏まなければ、いつまで経っても目標設定スキルが向上することはありませんし、向上しない以上はその人に目標設定を任せるたびに大変な苦労を伴うことが保証されるということでもあります。

上記①~④を実践するためにも、具体性はとても大切になってくるのです。


達成するためのシナリオを描く

目標設定をする時には、必ず達成までのシナリオを描いてみましょう。プロジェクトマネジメントの世界では、「WBSを作成する」「アクションプランを立てる」などとも言います。

これは目標設定自体が『絵に描いた餅』とならないようにするために絶対必要となってくるものです。「なんとなく」「感覚/センスで」なんとかするようなものではありません。

たとえば、現在時刻が15時だったとしましょう。あなたは家にいます。これから19時までにカレーを作って、家族4人で食事ができるようになっていなければなりません。

目標設定は

 なにを:カレーを
 いつまで:15時から19時までに
 どれだけ:4人分(明朝にカレーうどんをするなら6~7人分)
 どうする:作る

となることでしょう。ではその目標を達成するために、あなたはどんなシナリオでどんなアクションを起こすのでしょうか。それを決めずに行動開始できますか?

 食材の確認はしなくていいのですか?
 買い出しは必要ですか?
 そもそも何をどれだけ買ってくればいいのですか?
 お金は足りるのですか?
 足りなければ銀行に寄る時間も考慮しないといけませんね?
 カレーと言っても辛さはどうしますか?
 具には何を入れるのがいいんですか?

何も考えず「とりあえず行動しよう」で本当にいいのでしょうか。シナリオとは目標を実現するための綿密なプランです。他に色々な方法があるとしても、少なくとも"その方法で進めば目標を達成することができる"と呼べる筋書きです。

もちろん、その過程には難易度の高いものがあるかもしれません。クリアしなくてはいけない問題の明確化、期限までに達成するためのプランニングをこのタイミングで行わなければ、適切な目標とならないでしょう。


達成後を想像し、労力に見合っているかを確認する

「その目標を達成した時に何が残るのか」

意外と誰も深く考えていませんが、何かしら行動を起こし、その行動のために時間を使うと言うことは

 会社にとっては、人件費をふくむ諸経費を支払う必要が発生する
 個人にとっては、残寿命を消費する

わけですから、無意味な目標であっては困ります。目標を達成できずに無駄に終わることが忌避されるのもそのためです。

労力、お金、時間などの費やしたものに対して、見合った価値をもっているのか。このことにきちんと向き合って目標を立てるようにしましょう。チームならなおさらです。他人の人生をも消費させているという自覚が必要です。

すべてが有限なものである以上、あまりに大きなものを費やし、小さなものしか得られないのであれば、実践する意味はないのです。

ただ、ここでいう見合った価値というのはお金などのはっきり見えるものだけではなく、「顧客の満足度」「メンバーの満足度」「自身の成長/経験」を含めて考慮する必要があります。そこもしっかり見極めた上で行うかを考えましょう。

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