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失敗は成長する
これまでにも何度かお伝えしてきましたが、
『人は必ず失敗をする』
これが基本です。したくなくても、する時はします。1度も失敗したことが無い人なんていません。いたとしたら、それは自覚していないだけです。
失敗には必ずそうなる条件があります。
①失敗する土壌があって
②雑草のように失敗する芽がなって
③そのまま放置しておくと、徐々に失敗の芽は成長し
④最後はホウセンカのように破裂します。
この破裂した状態が失敗であり、その破裂の大きさによって影響を受ける度合いや範囲が大きく異なってくるわけです。
失敗する土壌とは、いわゆる「環境」や「仕組み」「手順」などのことです。失敗を雑草のようなものと例えたように、その辺の庭や土地でもどんなに手入れをしても
「雑草が生える条件」
が整っている土地では、どんなに芽を摘んでも、どんなに刈り込んでも、どんどんどんどん雑草が生えてきますよね。失敗もまったく同じで、失敗する条件が整った土壌からはは常に無数の失敗の種がもろみの泡のように発生しています。
そしてそれがある程度のエネルギーを蓄えると、成長して「萌芽」します。
たとえば、
「机の上を常に散らかす」
という土壌を持つ設計者は、同様にうっかりと寸法を写し違えるという失敗の核を発生させます。さらにそれに気がつかないと失敗は萌芽に成長して、その設計誤りの設計書は次の工程へと回されていくわけです。
失敗が成長する前につぶす
萌芽となる前に、失敗がふつふつと成長していることを知り、その原因を探って対策を行えば、萌芽することを未然に防ぐことができます。
先述の設計者であれば、机の上の整理整頓をすれば失敗が完全になくなるわけではなかったとしても、うっかりミスは大きく減るかもしれません。
ところがこの未然の防止を行わず、失敗が成長するままにまかせれば、失敗の閾値(これはあぶくが水面から顔を出すのに似ています)を超え、ついに「破裂」して悪影響を周囲にばらまくことになるわけです。
この破裂が製品や成果物の製作段階であればまだしも、出荷され、販売されてしまい、使用段階で破裂すればたとえば成果物責任で会社が訴えられる…という結末となることもありえます。
『人は必ず失敗をする』
この事実は変えられません。ならば、失敗が成長する前につぶすことが重要であることがわかると思います。
失敗は、確率現象である
失敗がもつ階層性や成長性は、労働災害の世界にも存在し
「ハインリッヒの法則」
として知られていますよね。
労働災害発生の確率を経験則から導き出した法則です。
これは1件の重大災害の裏には29件のかすり傷程度の軽災害があり、さらにその裏にはケガまでには至らなくても300件の「ヒヤリとした体験」が存在しているという、潜在的な問題にまで目を向けて災害顕在化の確率を数字として表した考え方です。
この1:29: 300(正確には330)の法則は、失敗が起きる確率そのものとして考えられます。
失敗がある一定の法則で起こる確率現象で、
成功しているように見えるときでも、
その裏で失敗の準備が着々と進んでいる
という現実があることを伝えているものです。そのなかには私たちを再起不能の状態に追い込んでしまう危険な失敗も潜んでいます。
実際にはそんな数字の対比なんてあまり関係ありませんけどね。大事なのは、事実としてそう言ったリスクを想定して行動を決定することです。
ヒヤリ体験は、大失敗の予兆
逆に考えると、重大災害は330分の1という低い確率でしか起きないのですが、だからといってヒヤリ体験を軽視してはいけないというのが失敗に対する姿勢の基本です。
最初にも述べたように、失敗はその土壌が不完全であればあるほど常にあぶくのように湧き出てきて、放っておけば成長を続けるものです。
ヒヤリとした時点で既に萌芽し、成長は進んでいて、いつ事故(破裂)が起きてもおかしくはない事態に陥っていると認識し、ヒヤリ体験を大失敗の予兆と考え、その要因を見つけ出して適切な対策をとれば、致命傷に至らずに済むというわけです。
大失敗とは一般にいくつもの失敗(破裂)が連鎖的に重なって起きます。
裏を返せば、この連鎖を断ち切れば大失敗はほぼ間違いなく防げます。それにはヒヤリ体験に正面から向き合い、軽く見ないことが欠かせないのです。
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