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仕事はゲームであり、ゲームはリアルをモデリングしたものである

本気で仕事をすることはとても大切です。

でも人生の全てを仕事に捧げている人は、得てして潰れてしまうものです。

仕事に疲れて「もうダメ」と感じているなら、もう少し肩の力を抜いて、仕事や生活を含んだ自分の人生を楽しむゲームをプレイしているという意識に変えてしまいましょう。そう考え直すことで不思議と仕事も生活もうまくいくようになるものです。

なぜなら、そもそもゲームとは、

 リアルにあるものをモデリング(模)したもの

だからです。
 
たとえば、ドラゴンクエストを代表する転職システム。

図23

リアルでも転職は当たり前に行えるものです。そして、ゲームの世界でもリアルの厳しさはそのまま継承されています。

図22

リアルの転職は、当然ながら採用側の条件を満たしていて始めてできるものであり、転職希望者がどんなに切望してもその実力や実績がなければなかなか受け入れてはもらえません。

これはゲームの中でたまたまそういう仕様だったのではなく、リアルがそうだからゲームの中でもそうなっているのです。その方がリアルに生きている私たちが納得してプレイしやすいからです。

またたとえば、ロールプレイングゲーム(RPG)を代表するレベルアップシステム。

図21

自分のしたいことをしたければ、転職したければ、野心を満たしたければ、当然レベルを上げなければなりません。

レベルとは、

 『目的や課題を満たすために必要な実力またはその度合い』

を指します。ラスボスを倒したいなら十分に強い実力を身に着け、またレベルに見合った強い装備を身に着けなければならず、そのためにもレベルをあげるしかありません。

リアルの世界でもそれは同じです。

そして、レベルアップしたければ

 経験するしかない

のです。ゲームの世界でいうところの『経験値』とは、リアルの世界でいうところの経験した実績を定量的に可視化(=見える化)したもののことです。

図20

経験しなければ数値は蓄積されません。

経験値が蓄積され、一定以上に達しないとレベルアップは絶対にしません。「どれだけ頑張ったか」「どれだけ苦労したか」なんて関係なく、万人等しく"必要な経験値"が貯まらない限りレベルアップ(成長)はさせてくれません。

成長したければ、まず経験するしか、努力するしかないのです。
こんなところも、リアルの世界と同じです。

仮にとにもかくにもとりあえず経験しようと、焦って始まりの街を出てしまうとどうでしょう?

当然、死んでしまいます

図19

リアルの世界でいうなら、大きな失敗や挫折がこれに相当するのでしょう。なぜなら誰かに説教じみたことを言われますが、改めてチャンスがもらえる(=やり直しがきく)からです。

ゲームの世界もリアルの世界も、1度や2度失敗したところで、本当に死ぬわけではありませんし、大抵の場合は何度でもやり直しはききます。

なぜ、何も考えずとりあえずやってみようとすると、ゲームでは死ぬのか?

それは、装備していないからです!!

図18

リアルの仕事の世界では、知識情報も装備するものですし、ツール群もそれらの1つになるでしょう。つまり、事前準備や予備知識をしっかりと装備してから挑まないと、経験しようにも先に打ちのめされてしまいますよ、ということです。

 「知識だけ身につけても、実践で役に立たなければ意味がない」

というのはそういうことです。

装備と言えば、武器や防具を装備する概念は、リアルの『着替え』をモデリングして、オブジェクト指向的な考え方を導入したものですよね。ちなみに私は『オブジェクト指向』をITに実践的に取り入れたのって、ゲームなんじゃないかな?と思ってます。

研究としてはともかく、実務的にオブジェクト指向的な設計思想を以って、80年代当時にビジネスシステムが作られていたとは到底思えないんですよね。


他にも、クエストに失敗しても少額の報酬をもらえるなんてことがゲームにはあります。

 「失敗したのに報酬?これもゲームとリアルで一緒なの?」

一緒です。

目に見えるものだけが報酬と思っていると大間違いです。もちろん、成功した時よりも苦労した割に報酬は少ないかもしれません。しかし、報酬はあるのです。その最たるものが"経験"です。

失敗しても、怒られても、そのせいで嫌な思いをしても、全てが経験として身に付きます。つまり、失敗やミスをしてもそこから学ぶことで経験を深められるため、経験値は常に増える一方であり、レベルも上がるわけです。

経験値のたまるレアな失敗やミスとの遭遇を、メタルスライムとの遭遇だと思い、楽しむことにしてはどうでしょう。

ミスをしても、ミスの原因と次回ミスをしないための方法を考えついたら、「経験値ゲット!レベルアップ!」と心の中で叫びながら、ゲームを進めると失敗やミスにも意義が見いだせます。


正しく社会で仕事し、生活し、人生を楽しむためにはゲーム同様、正しい手順で正しい冒険を必要とします。

ユダヤのカバラ学でも

 人生はゲームのようなもの

と言われています。

経験を高め、仲間を作り、同じ目的に向かって進む。結果を出せば報酬がもらえ、失敗すると経験を得る代わりにいろいろなものを失う。

要点を書き出すと本当にゲームの基本フレームそのものです。

ゲームが出来た過程を考えると、逆にゲーム自体が人生のルールをうまく活用した『小さな人生経験のシミュレーション』だとも言えるでしょう。

 「ゲームはリアルをモデリングしたものである」

というのも、ここに起因します。ゲームとは、ゲーム機のみを指すのではなく、子供の遊びの大半がここに帰結します。

仕事もまったく同じです。

努力をして結果を出すと待遇や報酬が優遇されるという仕組みは、ゲームの基本ルールです。そして無数の仕事が存在し、その仕事を受け持つための必要スキルも異なります。ゆえに「仕事もゲームのようなもの」なのです。

このことを理解せず、

 「ただ言われたからやっているだけ」
 「生活のために仕方がないから」

と斜に構えていると、当然、人生も仕事も成功する流れには乗りません。
失敗や挫折をするのは、目の前のゲームやクエストをクリアする条件を正しく読み取っていないからです。


ただし、仕事とゲームでルールが異なる点もいくつかあります。

 ・経過した時間のリセットはできない(オンラインゲームと同じ?)
 ・進むべきルートやゴールは誰かに設定されない(自分で設定する)

仕事に失敗してもリセットボタンがなくやり直しがききません。
失敗したらそれをフォローする次の仕事が発生します。

そしてファンファーレが鳴り響くゴールも自分で決めないといけません。
正しいルートをそれとなく気づかせてくれるNPCはいないのです。

ゲームは、リアルをモデリングしたものではありますが、より手軽に楽しむために、扱いが難しいこれらリアルの諸事情をバッサリ切り捨てています。そして人生や仕事には取扱説明書がないからでしょうか、この認識が欠けている人を多く見かけます。

おそらくゲームとの違いを認めることができず、成長もしないふがいない自分のために、リアルの方が難易度を低くするべきだと思っているのでしょう。

ルートやゴールを設定せずに「始まりの街」周辺をさまよい続けている人は、レベルがいくつになってもスライムを倒し続けるルーティンワークとなるため、当然成長や報酬は小さいものになります。

そして何もせずに経過した時間は、その人の可能性と価値を無慈悲に削っていきます。

「すべて自分で決めて前に進まないといけない」という人生の核となるルールに気づかない人は、もう取り返しの付かないタイミングで「そんなのおかしい」「なんで俺だけ」と他人のせいにするしかありません。

そんなの、悲しいだけですよね。


人生も仕事もゲームのようなものだと思って、成功し、成長するためのシナリオを考えてみましょう。ゲームと違ってリアルでは

 1. 自分でゴール(目標)を設定する
 2. 自分で選択肢(ゲームの分岐)を作る

と言う必要がありますが、それさえ見誤らなければあとはゲームをクリアするためには

 ・何を装備すればいいか
 ・どの程度レベルアップすればいいか
 ・限られた時間制限内でいつ中ボスに挑めばいいか

等をしっかり念入りに検討するだけです。

これらを楽しみながら、且つ慎重に、そして適切に行えれば大抵の仕事は失敗しませんし、成功すれば経験分のレベルアップと報酬が待っているわけです。

それに失敗しても、次の機会(クエスト)が与えられるだけですし、次の目標に従ってまたクリアを目指せばいいだけです。

 「悔しいから」「先を見たいから」と、
 何度も同じゲーム、同じクエストに挑み続けて最後にはクリアする

と言うのは、要するに人生や仕事において"PDCA"を反復して、自身の弱点を克服し、相手を分析し、適切に立ち回るよう努力した結果なのです。

そう考えると、失敗するのも、成功するのも、ゲーム感覚で楽しみながら自身の成長を促し、人生も仕事も品質を向上できるのではないでしょうか。

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