見出し画像

"まだ" なんて脆く儚い言葉なのに

何か月かぶりに板橋に帰った。
実家に荷物を取りに帰り、おじいちゃん家でご飯を食べて泊まった。

久しぶりに会う実家の犬はこっちが辛くなるほどに老いていた。

目は白濁して、ほとんど見えておらず
耳もほとんど聞こえていなくて
歩くのもよろよろ

会ってないのはほんの何か月かなのに
何年も会ってないかのように老いは進んでいた。

夕食にすき焼きをおじいちゃんとおばあちゃんと三人で食べていたらお肉を食べるのはほとんど私だけ。せっかくの松坂牛なのに。

最初は私に食べさせてくれるためかと思って、
「ばぁば達も食べなよ、せっかくいいお肉もらったんだから」
って言ったら、
「もう最近は全然お肉食べないから」って。

隣に座っていたおじいちゃんに
「さっきのやつにチャンネル変えてもいい?」
って聞いたら無視されて、聞いてないのか~いって思ったら
「じぃじ、最近耳悪いから」って。

何か月か前は家出したばかりでおじいちゃん家で
借りぐらししてて、毎日のように一緒にご飯食べてたのに。
そのときは何も感じなかったのに。
それなのに。
なのに。

実家のお犬ちゃんも、じぃじもばぁばも
大病を負ったわけじゃない。今すぐさよならするわけじゃない。

だけど確実に"老い"は迫ってきている。

めっちゃおとなしくていい子な、お犬ちゃん。
たまにブラックジョーク言ってきたり、だけど私が何かに挑戦するたびに支援してくれたり、いつもわがままにあーだこーだ言いながらも最終的には受け入れてくれる大好きなじぃじとばぁば。

最近は東京にも月の半分ぐらいしかいないし、いても板橋まで帰るのが億劫でなかなか帰れていないけど、
やっぱり時間は取り返せないものだから、一緒に冗談言って笑える
今の時間を大事にしたいなって、強く思った。

まだ若い。まだ大丈夫。 
"まだ" なんて言葉は脆く儚いのに、信じ切ってしまっていた。

また東京一拠点生活へ戻ろうかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?