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ABC分析を戦略的に活用する

宇宙一外食産業が好きな須田です。

今回は、今更ながらですが、あなたも絶対に知っているはずのABC分析のことをお伝えしようと思いますが、ただ、このABC分析を戦略的に活用しまくっている方にお会いしたことがありません。
ですから、活用しまくるとはどのようなことなのか、活用しまくるとどんな良いことが待っているのかをお伝えします。

実は、このところ3月に出版する本の原稿作成でそれなりに多忙で、少しの間noteの記事がおろそかになってしまいました。

申し訳ございません。

さて本題に、このABC分析ですが、一般的にそれほど重要な資料という位置付けではないと思います。

私も、クライアント先に行ってはABC分析を確認しますが、クライアントの認識はそれほど重要な資料とは感じていないように思います。

では、何故ABC分析はそれほど重要性を感じないのか?

それは、後追いの結果の確認作業だからだと思います。

今月はこれが出たね、これが出なかったね、予想以上に出たとか出なかったとか、まるで何かのスポーツの試合結果を見るように、得点を確認して勝敗を確認するような感じに映ってしまいます。

その理由は、ABC分析はそもそも、前月の結果が当月の上旬から中旬に出てくる資料であり、先月の動向をちょっと時間が経過したころに見るから、熱量が下がっている状態で確認するパターンが多いからと思います。
もっと早くに見られると違ってくるように思います。

又、それほど重要視していないもう一つの原因は、売上を構築するための戦略的な活用方法を知らないからだと思います。

実は、私はABC分析を活用しまくります。

かつての自店でもほぼ毎日確認しておりましたが、何が出ているのかも重要な部分ですが、出ていないものも確認しておりました。

これは、出ている商品と出ていない商品の相関関係を見るためでしたが、その点は後ほどお伝えするとして、その前にお伝えしたいことがあります。

先ず、ABC分析を戦略的に活用するようにするということです。
後追いの結果確認資料ではなく、意図的な仕掛けた戦略の確認資料にしております。

何をAランクに入れて、何をCランクにするのかを計画的に戦略的に行います。

狙ってAランク入りを行います。

一押し商品を決めてその商品をAにする、このことを計画的に行なっています。
このような意図で、ABC分析を戦略的に活用すると、通常の確認方法では飽き足らずに、ほぼ毎日ABC分析の確認をするようになってきます。

ほぼ全ての経営者の方がそのようになっていきます。
お客様の反応がダイレクトにわかるので、見ていて楽しいせいもありますが、それ以上にお店のコンセプトにブレが無いかを確認する一番の方法だからだと思います。

仮に、狙っている商品がAランクの上位にこない場合は、すぐに商品をチェックします。

味付け、見た目、ボリューム、提供温度、提供時間など、細かくチェックして、Aランクの上位に来ない原因を探ります。

そうすることで、商品のブレとコンセプトのブレを確認修正することが出来ます。

私はABC分析を戦略的に活用しますが、一般的にはそこまで活用することはありません。

かつて、ある会計ソフトを販売している会社の依頼を受けて、起業家向けに会計ソフトの重要性と活用法を解説してほしいと依頼を受けたことがありました。

テレビコマーシャルを流しているような上場企業でしたが、私は、会計ソフトは有るに越したことは無いけれども、起業家にはもっと重要なことがあるので、そこをポイントにして、その為に会計ソフトを先行投資してはどうかと、そういうテーマならお話ししますとお伝えし、快諾を頂いたことがありました。

起業仕立ては、会計がどうのこうのというよりも、まずは日々の売上管理と商品の出数を確認することの方が重要であると、何が出ていて何が出ていないのか、出ている商品の中で何が一番売上を稼いで何が一番儲けているのかを、そこをチェックするために会計ソフトに入っている帳票を活用するようにセミナーではお伝えしました。

その時に、ついでだからとその会計ソフトを作っている上場企業に、私が普段から行っているABC分析のやり方を説明して、そのような内容のソフトを開発して欲しいと依頼をしましたが、けんもほろろに断られてしまいました。

理由は前例がないからと言われてしまい、前例がないから市場を席捲できると感じたのですが、上場企業とは私の考え方のスタンスが違っていたのでしょう、製品化はされませんでした。

ですから今でもアナログ方式で自分なりのABC分析を行っています。


では、私がどのようなABC分析を行っているのかと言いますと、3つの部門に分けてABC分析を行っております。

通常は販売個数のみのABC分析ですが、そのランクの他に、売上額と利益額の項目を設けます。

すなわち3部門での総合評価的なABC分析を出すわけです。

例えば、ある商品は出数ではAランク、売上額ではAランクの下の方で、利益額ではBランクという商品があったとします。

この商品はどのような商品かと言いますと、ズバリ集客商品です。

販売数はトップであり、来店した方のどのテーブルにもほぼ間違いなく乗っている商品です。
しかし売価はそれほど高くは無いので、販売個数が多い分売上額は上位に来ていますが、Aランクの下の方に位置しています。
利益のランクでは、この商品は集客商品の特性上、同業他店舗に圧倒的な差別化を図る為に利益率を意図的の極端に下げているため、利益貢献はさほど出来ていません。

販売個数が多いので、ある程度の利益額は確保していますが、率は良くない商品です。

一方、Bランクのトップにある商品は、販売個数ではBランクトップですが、販売額と利益額はAランクの上位に位置しており、売上の下支えと利益確保には大きく貢献しているという商品です。

この商品は間違いなく利益獲得商品です。

恐らく売価は1000円を軽くオーバーしており、個数は集客商品と対で販売することが多いので上位に来ていますが、Aランクに入るほどではありません。

売価が高い分、売上をガッチリと確保してくれており、同様に、それ以上に利益確保はシッカリとしてくれています。


この、お客様を集める、売上を確保する、利益を確保するという商品施策を知ってしまうと、この施策を確認するために、経営者は毎日ABC分析を確認するようになります

Aに狙ったように狙った商品が来ている、Bにも狙った商品が予定通りに来ている、お客様の数も安定している、出数も安定している。
客数に対してのオーダー率も安定しており、それに伴って売上も利益も想定通り、このような状態を維持出来ているなら、お店は安心です。

経営をしていて一番困るのは売上の乱高下です。

売上は有りすぎても困ります。

何故か?

一番は、お客様満足度が下がる危険があるからです。
客数が想定以上に多いと、提供する商品も増えます、それに伴って提要時間が伸びます、すると同時に商品クオリティが下がる場合があります。
お客様の数が増えると、昨日と同じ人数のホールスタッフでは、サービスが行き届かなくなる可能性があります。

売上が上がることは、一見すると嬉しいことですが、その後の反動が怖くなります。
もし、お客様満足度が下がってしまうと、そこから上げて行く努力は大変です。

一過性の爆発的な集客ならば良いのですが、常に想定以上の集客があるようなら、全ての底上げは必須となります。

次に困ることは、支払いが増えることです。

今月は想定以上の集客があり売上対前月120%とか130%となったとすると、次月の月末の支払額は通常の月よりも多くなります。

本当に面白いことに、今月が想定以上に売れるとすると、その次の月は急におとなしくなる傾向があります。
あなたもご経験がお有りと思いますが、売れた月の次月は売上が芳しくないというのが何故か多いです。

すると売上が芳しくない月の月末に、売上の良かった月の支払いがやってきます。
資金の内部留保が潤沢ならば問題ありませんが、そうではない場合は、支払い原資に苦慮する場合があります。

売上が上がらないことは一番苦しいですが、売上が行きすぎることも考えものです。

ですから、飲食業にはホームランは要らなくて、いつも2塁打ぐらいが一番いいと思います。

そこで、ABC分析を戦略的に活用し、売上の下支えと利益確保をシッカリと計画的に意図的に戦略的行う必要があります。

販売個数でA、販売額でA、利益額でA、勿論こんな商品を開発出来ればいいのですが、なかなか難しいところがありますが、実はこれをやっているお店があります。

私が直接お手伝いして、とんでもない実績を上げているのがチキン南蛮発祥のお店です。

一番人気の商品が胸肉のチキン南蛮、この商品の販売数はダントツの成績です。
売価は他の商品同様ですから、決して安くしているわけではありませんので、シッカリと売上も稼いでくれています。

原価も、胸肉ですから決して高い原価ではなく、商品レシピを少しだけ私が変化させたので、原価が1ポイント下がりましたので、利益もシッカリ確保出来ています。

集客商品が利益獲得商品となる、これが最も望ましいと思います。

その商品目当てにお客様が来店して、圧倒的な出数を誇り、売上の多くの部分を確保し、利益もシッカリと確保している、そんな商品が一番の理想です。

明日は、Aランクの上位に商品を持ってくるには、具体的にどのようすればよいのかということをお伝えしようと思います。

又、この戦略的にABC分析を活用するための準備と仕組みづくりをお伝えします。

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