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ネタバレ映画 / 「ディアボロス/悪魔の扉」

映画について話をしようとすると、ネタバレは避けて通ることのできない問題なのだが、そもそも作中でバラしているものもある。1997年の映画「ディアボロス/悪魔の扉」は、主人公ケヴィン(キアヌ・リーヴス)に接近するアル・パチーノ演じる男の名前が、ジョン・ミルトンである。「失楽園」の作者の名前であり、キリスト教の国ならばこの時点でジョンが悪魔だと気付く観客がほとんどだろう。
この映画は要するに、ダンテの著した「神曲」をなぞった物語である。ケヴィンは顧客が有罪だと知りながら弁護したことによって、地獄を巡ることになる。ジョンのオフィスの外観や内装は「神曲」からヒントを得て作られている。そして、ケヴィンがジョンから取引を持ちかけられる筋書きは「ファウスト」だ。この映画は最初から最後まで、ひたすらキリスト教と悪魔を巡る話になっている。
アル・パチーノの鬼気迫る演技が堪能できる作品だ。
ケヴィンの妻メアリー・アンを演じたシャーリーズ・セロンはこの映画が出世作となった。美しい上に演技力もある。僕は誕生日が同じということもあり、シャーリーズのファンだ。なお、メアリー・アンという役名はイエスの母に因んだものだろう。
そしてなによりも、本作のタイトルは The Devil's Advocate である。悪魔の代弁者だ。キリスト教においては、聖人などの候補者の欠点などを挙げる役目の人物のことだった。このタイトルがどうして「ディアボロス/悪魔の扉」になるのか、僕にはさっぱり分からない。

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