見出し画像

個人事業主日記 2024年7月1日

札幌コピーライターズクラブ(SCC)という同業者団体がありまして、年に一度の審査会がありましたとさ。

同業者団体、業界団体の果たすべき役割といえば、社会における職業・業界の地位向上と、属する人々の研鑽と交流、情報交換といったところか。よく内輪感があるとかなんとかいうけれど(それでSCCを遠ざけていた頃が自分にもありました)、内輪感のない団体なんかありえねえわけなので、まあ、役割を果たしてさえいればいいかなと思っている今日この頃。

で、こういった業界内アワードのあるあるといえば「終わった後、やたらやる気になる」ということである。特に、SCCのように審査会が公開で、出品されているたくさんの仕事や、審査員の途中経過コメント、議論、なんかを見ることができていると、なおさらである。自分の仕事が受賞しても、しなくても。

もっともっと考えなくちゃな、と、今年、思ったのだった。とにかく考えろ。めっちゃ考えろ。カラカラになるまで考えて、その先さらに考えろ。すごいものをつくる人って、閃きの鋭さやアプローチの多彩さもあるけれど「粘り」がすごい。取引先・クライアントのOKが出ても粘る。締切ギリギリ、世に出るギリギリまで粘る。粘れるだろ、言葉だろ。自分の限界を自分で決めるな!

しかし、同時に思うのだ。どれだけ粘りたいと思っても、ひとつの仕事だけに全リソースを注ぐことはできない。ある時点でケリをつけて、次の仕事に取りかからなくてはならない。多くのお客様、多くの案件を相手にしながら、なおかつ余力を残し続けておく責任がある。

だってオラは個人事業主だから……

まあ、会社員の頃からこのへんは常にジレンマの源ではあったが、独立してさらに際立つようになった。スコピーに定額働きホーダイは適用されないのである。言葉が原価無料なことも、それゆえに粘りようがあるのも、正しいが、そのための時間は無限ではない。時間は、健康と、言葉を生み出すためのあらゆる仕入れに直結する財産である。

このジレンマにあらためてぶち当たり、今あらためて見直したいのは「締切」のことだ。

自分の限界を自分で決めつけないとしても、自分の締切は自分で決めなければならない。誰かから設定されたオフィシャルな締切とは別に、自分の締切を。それがオフィシャル締切よりも前か後かは場合による。その締切の中で全力を尽くすのは当たり前だし、取引先やクライアントの期待を超えようとするのは当たり前。ただし、自分の締切に対する文句は誰にも言わせない。強弁ではなく理解を得る的な意味で。

仕事の優先順位、リソースの割り振り、締切の設定。これらは制約だ。ある制約のなかで、制約を受け入れつつ、よいものをつくろうと全力を尽くすというのは、広告制作の普通のありかただし、世の中のわりと多くの仕事がそうだと思う。制約を、与えられて終わり、従うのみ、ではなく、自分から設定する。制約の設定にもがんばってみる。もしかすると、そういう話なのかもしれない。制約のクリエイティブ。どこまでも制約であり、すなわちどこまでも自由である、みたいな。

がんばろうという決意は、がんばりかたのアイデアとセットにしたい。よろしくどうぞ。


【おしごと】

一鱗共同水産 ポスター

北海道のイトーヨーカドーに50年近く水産物を卸し続けてきた、一鱗共同水産さん。イトーヨーカドー北海道撤退に伴い、売場に掲出するポスターのコピーをお手伝いしました。道内各店、閉店の約1ヶ月前から掲出される予定です。


【おしらせ】

札幌コピーライターズクラブ SCC賞公開審査会2024

上述のとおり6/8(土)に開催された審査会にて、「SCC賞」を2つ受賞、入賞3つとなりました。仕事が評価され、年鑑に残るのはうれしい。関係各位ありがとうございます。

公式速報

審査会の様子

AdverTimes

SCC賞の仕事

入選の仕事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?