鈴木拓磨|スコピー

コピーライターです。言葉を使った整理・企画・表現各種。2021年よりフリーランス。北海道札幌市。 https://sucopy.jp/

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最近の記事

個人事業主日記 2024年11月1日

たとえば、家族と共に過ごす大切な時間を犠牲にして仕事しなければいけないとき。 その仕事は、苦役でなければならないだろうか? 苦役であれば家族が報われるわけでもないのに。 しょうがなく嫌々やらされていなければならないだろうか? やらされ仕事でないほうがいい仕事にはなりやすかろうに。 このまえ出張があった。息子は寂しいと言ってくれる(いつまで言ってくれるだろう)。「寂しいから行かないでほしい」と言われたときに何と答えるか。 「おれも本当は行きたくないんだ」「仕事だから仕方

    • 個人事業主日記 2024年10月1日

      先月の日記を書いた後も新規案件のお問い合わせがいくつか続いており、そのすべてがすぐさま仕事になっているわけではないのだけれど、うおお、やるぞやるぞやるぞという気持ちが盛り上がって大変うれしいスコピーの秋である。見つけていただき、思い出していただき、頼っていただき、ありがとうございます。 そんな状況と逆行するようであれだが、ふと「忙しい」っていいことなのだろうか? などと考える。心を亡くすと書く、なんていう金八的話法はさておき、忙しいと、目の前のこと以外に割ける時間が減り、頭

      • おれは言葉の糠床かもしれないという話

        川沿いを走りながらこう考えた。 おれ、どうしてコピーライターをしているんだっけ。 おれ、この仕事の何が楽しいんだっけ。 いつもの道を走っていると、まとまらない思考がふわふわ浮いては流れ、いちど消えたと思いきや、突如としてまとまるようなことがある。 気がつけば糠床が川沿いを走っていたのだった。 42年ものの糠床 おれは糠床である。42年ものだ。この糠床にいろんな言葉を入れて、漬けて、取り出す。日々これを繰り返している。 文字の形、音の響き、意味、文法、文脈、文化、

        • 個人事業主日記 2024年9月1日

          ああ、よく遊んだ。息子の「あそぼう!」にレスポンスし続けた。仕事以外の持てる時間のすべてを息子にぶっこんだ。自分の思考と向き合うことなく、ひたすら息子の感情と向き合い続けた。そんな8月、そんな息子の夏休みだった。 来年の夏休みに息子がどういう気分になるかはわからない。当然、いろいろ違ってくるだろう。今年の夏休みは今年だけ。だって子供だもの。だから、これでいいのである。と、思うようにしている。「パパあそぼう」といつまで言ってくれるかわからんよ。 とはいえ、こういう状況で大人

          個人事業主日記 2024年8月1日

          今年も夏休みがやってきた。おれではなく、小2の息子の。おれは決して休みではないのに、休みのムードが家を満たす。家は、おれにとっては職場でもある。なんということだ。おれも休むしかない。 そういうわけにもいかないので、がんばるしかないのである。 がんばるはがんばるのだが、せっかくの夏休み気分を息子からちょっとだけ拝借して、勉強というか研究というか、に意識的な期間にしてもいいのかもしれない。夏休みの宿題、夏休みの自由研究じゃないけれど。まあ、ちょっと本を多めに読んでみたり、ぐら

          個人事業主日記 2024年8月1日

          3周年と、この1年のバランスについて。個人事業主日記 2024年7月16日

          7月16日はスコピー開業記念日。おかげさまで丸3年。生きのびております。ありがとうございます。 大人の3年間なんて結構あっさり過ぎるものだが、高校の3年間と同じと考えるとなかなかである。色々あったといえば色々あったし、なかったかもしれない。年齢に関係なくこのへんは適当だ。いつだって時間は伸び縮みする。 42歳だ。長く会社勤めしていれば場合によっちゃ役職がついたり管理職になったりしている年齢で高校生と比べるなんておこがましいけど、こうフレッシュな経験が日々できるというのは独

          3周年と、この1年のバランスについて。個人事業主日記 2024年7月16日

          個人事業主日記 2024年7月1日

          札幌コピーライターズクラブ(SCC)という同業者団体がありまして、年に一度の審査会がありましたとさ。 同業者団体、業界団体の果たすべき役割といえば、社会における職業・業界の地位向上と、属する人々の研鑽と交流、情報交換といったところか。よく内輪感があるとかなんとかいうけれど(それでSCCを遠ざけていた頃が自分にもありました)、内輪感のない団体なんかありえねえわけなので、まあ、役割を果たしてさえいればいいかなと思っている今日この頃。 で、こういった業界内アワードのあるあるとい

          個人事業主日記 2024年7月1日

          個人事業主日記 2024年6月1日

          小2の息子がピアノを習い始めた。 楽器の素養がまったくない親なので教えてやることはできないが、先生に教わったことを自分であれこれ試しながら、まあそれなりに楽しそうにやっている。飽きずにどれぐらい続くかはわからないけれど、親としてはとにかく「楽しく続けていくための手助け」に徹していきたいなあ、と思う。とりあえず、自宅にちゃんとした鍵盤がある暮らしが初めてで、おれのほうがどきどきしている。 入学直前に始めたスイミングと、始めたばかりのピアノ。週1回ずつとはいえなかなか忙しそう

          個人事業主日記 2024年6月1日

          個人事業主日記 2024年5月1日

          先日、コピ業15周年を迎えた。 4月21日は独立前の勤め先であるT.C.Pへの入社日。27歳の鈴木拓磨は、この日、コピーライターという職に就いた。 あれから15年。つまり、コピーライターになって丸15年、生きながらえてきたことになる。ありがてえことです。そこまで大げさな長さではないにせよ、決して軽くはない歳月を重ねてきたなーというのが率直な感想。 42年と少し人間をやってきたなかで、わりと長く続けてきたことを挙げてみると ランニング 10年 書き出し小説 11年

          個人事業主日記 2024年5月1日

          個人事業主日記 2024年4月1日

          2024年4月1日である。 最初の会社の入社日、2004年4月1日からちょうど20年である。 光陰はたいてい矢の如しだけれど、さすがにあっという間だったとは言えない。20年って『ONE PIECE』でワノ国の民が希望を失っていた歳月と同じだからな。 辞めていなければ勤続20年ということになる。まさに今日、その会社では、同期入社のふたりが表彰を受けているのではないか…と思ったけど今日じゃないかも。社屋建て直しやらロケで九州にいるやら、おつかれ。 その表彰を待たずに、ひと

          個人事業主日記 2024年4月1日

          個人事業主日記 2024年3月1日

          実は、確定申告が完了していない。 一昨年は1月に(その後再申告)、昨年は2月に終えていたのだが、3度目の今年はまだだ。 経費は毎月処理をしているので、今から大量の領収書と取っ組み合うような事態にはならない。その他の必要な書類もろもろも一箇所にすべて集めている。準備は整っている。 年に一度のことだから、忘れていることもあるはずだ。だから検索しながら進める。それも、昨年既に経験済みである。想定内だ。 あとはやるだけ。やってないだけ。 必要な作業時間の見積ができているから

          個人事業主日記 2024年3月1日

          個人事業主日記 2024年2月1日

          1月矢の如し。新しい月。落ち着こうと努める。 自分が落ち着いていようがいまいがお構いなしに、世の中は動く。経済は回る。コピーライターの必要が意識されて、スコピーのことが思い出されたり知られたりして、新たな声がかかる。ありがとうございます。 「できるだけ落ち着いている」もいいが「落ち着きと無関係にパフォーマンスが発揮できる」ことが大切なのかもしれない。イチローがそんなようなことを言っていた気がする。2010年代以降の逆張りっぽい名言はだいたいイチローが言っている。 気持ち

          個人事業主日記 2024年2月1日

          コピーはコピーライターの作品なのか

          デザイナーでアーティストな新しい友人との豊かな雑談から刺激を受けて、ぶわーっと考えたことをまとめておく。 クライアントワークは制作者の作品か クライアントから発注を受けて、制作者として携わった広告、コピー、デザインなどを、制作者の「作品」と呼ぶべきか否か問題、というのがある。業界のアワードなどでは便宜上「(応募者の)作品」と呼ぶことが多いが、呼ぶべきではないという考え方もよくわかる。 自主制作ではない、発注者が存在する仕事のことをクライアントワークと雑に括ってしまうこと

          コピーはコピーライターの作品なのか

          個人事業主日記 2024年1月1日

          「あけましておめでとう」や「ハッピーニューイヤー」という定型句。その中にある「おめでとう」や「ハッピー」が含む気持ちについて、これまであまり深く考えたことはなかった。定型句ってそういうものだし。 ただ、今ならわかる。これ「生きていてよかった」だ。 スコピーが年を越せて2024年を迎えられたこと、非常におめでたく、ハッピーである。 一年前はこんな日記を書いたけれど、2023年、スコピー3期目は、過去最高益を達成とはならなかった。でも理由がわりと明確で、2022年にあったよ

          個人事業主日記 2024年1月1日

          個人事業主コピーライターの買ってよかったもの10選 2023年

          ひとのを読むのが大好きなベストバイ記事。昨年に続いてやってみる。 厳密には自分で買ったものだけではなく、いただきものも含んでいるけれど、自分で使ったり身につけたりして本当によかったものということで。なお、本は除外。 2023年も残りわずか。必要経費をもう少し使っておきたい個人事業主さんの参考になりますように。 HITOHARI PLANNER COVER A5 札幌のハンドメイド・クラフトブランドHITOHARIの、元々は手帳カバーだったアイテムのA5サイズ。ペンホル

          個人事業主コピーライターの買ってよかったもの10選 2023年

          個人事業主日記 2023年12月1日

          年の瀬の、今くらいが好きだ。何かを始めようという気に、すごくなるから。 11月から12月の頭くらいにかけて、雪が降ったり積もったり融けたりして、クリスマスムードが盛り上がる中で、年末年始の予定などを調整したりなどしつつ、何かを始めたくなっている。 一年をいちばん振り返ることになるのは2月と以前書いた。確定申告だったり、アワードの応募準備があるからなのだが、やはり2月は既に新しい年はスタートを切った後、新しい年の渦中にいて、だからそこから何かを始めようという気持ちにはなりに

          個人事業主日記 2023年12月1日