馬場優馬

文を書くのは 酔っぱらっているときか 自然を眺め、気分があまりにも良いとき

馬場優馬

文を書くのは 酔っぱらっているときか 自然を眺め、気分があまりにも良いとき

最近の記事

じけんです

大分古い家に住んでいるのだが、今年は2年前に隣人に勝手に切られてしまった家裏の木々が順調に再生して、屋根あたりまで届いてきたせいか、ハクビシンが活発で、毎晩毎朝屋根裏でゴトゴト大きな音を立てている。私にはこの世で一種だけ苦手な動物がいてそれはハクビシンの獲物に当たる動物であるので、屋根裏から生き物の気配がするといつもビクビクしてしまう。 そして昨日遂に、捕食の音を聞いた。 私は体調が優れなかったため意識はいつもより遠のいていたが、その音は驚くほど、事件味に溢れた音であった。

    • 1.幻 2.愛 3.暴力 4.ドリー

      1ヶ月間特に何も考えることなく過ごした。本が読めるのが嬉しくて原田康子の『挽歌』を読了し、借りてから時間がたってしまった『三体Ⅱ』を読み始めた。あたまはボヤケたままで何も考えてはいけないと命令されているような状態が続いた。 それでも何か摂取したい気持ちになって山岸凉子の漫画を2冊と茨木のり子の詩集と平安時代について書かれた本などを買ったりした。 一ヶ月前に発表した作品の記録映像が届いた。美しいのに驚いた。制作は険しかった。思考に溺れ、工程にまみれ、現実的な事務作業は一々人と

      • 天使の

        心が壊れる音がします。 自分がどれだけ排他的かわかります。それでも美しい物を創りたかった。どうしても美しい景色を見たかった。 汚い世界で汚いものを見て それでも勘違いでもいいから綺麗なものもあると信じていました。 終わってみたら世界の総てがどうでも良くなってしまった。 世界の総てがくだらないものになってしまった。繊細な人のあれこれも、自分が言い出した責任も、壊したくなってしまった。 なにかに心から縋っても、追いかけっこが続くのなら諦めようと思った。 私の見たあの世界は私に

        • 2tトラックのキズナ

          あなたはそれでいいと言いたいし、私はそれでいいと言ってほしい。 私達は私達が当たり前に求めているコミュニケーションを生みつつあるし 彼女を始めて見たときに受け取った感覚は私達の緩やかな接触によって確かなものに変わっていく。 彼女の強さを尊重したい。 私は強くなり、いつも確かでいなければいけないと思う。 大事な人を守るためには剣を振りかざす事があると思う。これはそう、戦争の思考回路 危険な回路 そんなことわかっている。私は加担している 加担している。 どうやって背負えばいい

          pretty house memory

          今日はとてもいい日でありました。 とても気分が良いので此処に記します。 あまり細かいことは考えない質ですけれど そんなでも自分にとっての確かな機微を感じながら生きています。 私は友人と細やかな同居生活をしているのです。 細やかというのも、その友人は品の良い飼い猫のような出で立ちでして、 それでいて野良猫のような心の持ち主で色々な場所に可愛がられているようだからたまにしか家で会わないのです。 今日は、そんな彼女が友人らを招いて映画鑑賞会を開いたのでした。 彼女の友人はほとん

          pretty house memory

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          東京競馬場の少し高いところから馬を見ることがありました。下からの歓声罵声が不思議な響きで耳に届く。 眼の前には整備された蒼い芝と、伸びやかに広がる街、遠くに薄ら見える山々。見晴らしという点では良いところだった。 どうにも居心地の悪い私はパドックに逃げこんで レースのために生まれてきた馬を眺める 罪のないのに旬を作り上げられ、好き勝手にされるあなた達と何処かに逃げたいのに それはあなた達の望むことではないだろう 鍛えられた筋肉、美しい四肢、不自然に切り揃えられた たてがみ

          さようならD

          君が傾倒しているあのことに向き合っているその瞬間が世界の誰よりも恰好良い 大人振りながら負けん気な態度が一番好き 子供のように嬉しそうに笑う姿を見ていたい 考えすぎで塞ぎ込んでいるとき見守ってる そんな事をいつも思っては、云わない 君が私のことをまだ大事にしていること知ってるわ 君の前で元気でないといけない 笑えてないといけない 君は私の感覚が好きなだけ 全てを傷つける この感覚を私ごと投げ出したくなるときがくる 自然の中でひとり、立ちすくむ 子供染みた思考よ でも君の大

          さようならD

          碌なこと

          今晩は 久しぶりに旧友と会った夜です。 彼とは大学の同期でつらつらと緩やかな縁を紡いでいる。 彼は不思議なひとで余り人間関係に頓着しないので お酒と共に話しすぎてしまう私の性を軽く受け流してくれるところが気に入っている。 今日も例に余らず ころころと話が転がりながら楽しい話をした。 ここで私の人生で一番好きだった人の話をしましょう。その方は2年程前にであったのだけれど、今日あった友人の眩い友人でありました。大好きだった人を0として 私は彼と1年前に程に少し近くにいただけ

          夜光浴

          川の音は雨の音 Sの頬は胎動をかんじられたし 皮膚と骨の順番に土と根があった 炎は薪に遮られ それでも一つ一つ自立していた 合流の感動もなく ただ個を保つのが容易いと自慢げに 一つになった 炎を見て空気の流れを知ったと思えば 風を知っていたから炎を捉えられるのだと思った 土は踏めば踏むほど固くなった これが老いか知らない 星をみて涙を流す 光の立体をしる 私は岩陰に隠れて 民家からもれる灯りを遮る 水平に宇宙の立体に届く 世界が斜めに 比例図を立体にしたように 隣り