読書感想:善良と傲慢〜彼氏の女友達〜


辻村深月さんの心情描写は、
羨ましくなるほどグサッと刺さります。


この本はタイトルはよく聞いていたけど、
やっと購入して読みました。
一気読みでした。

まさかのアラサーど直球のマッチングアプリ話だったとは、、。しかも婚活に付随してくる地方出身者あるあるみたいなのもグッサグッサと盛り込まれていて、、。

だけど序盤は少しミステリー調なのがやっぱり面白くて、と言ってみるのも気休めにすぎず、また一気にアラサーをダークサイドに突き落とす

奥義「彼氏の女友達」!


キターーーーー!ってくらいには清々しく読者も今カノも闇へ突き落とされる。

彼女の知らない彼の過去を知り、
恋愛関係になるわけないというからこその仲良しマウントをとられ、
同じ女というだけで女友達か、マウントによってそれより鋭い考察をされ、、、


胸糞描写なんだけど、
潔くサイテーなところがサイコー。
こういう女、いるよねー!と思いつつ、
具体的にはいつのどこの誰のどんな場面かは一つも浮かばない。
だとしたら、この妙なサイテーをやり抜く爽快感は、その言動を自分は思っても人には絶対やらないけれど、心根で理解して、共感しているんだと思う。

私の中に潜む「彼氏の女友達」が目覚めてしまってからの展開は、ラストまでムカついた。

黒い感情にワクワクさせられたところで虚しくなるほど光に照らされて悔しかった。

というのは内緒の感想だから、私は善良な傲慢だということにしておきますね。

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