【備忘録】前澤友作氏の投稿に思うこと
昨日(2021年8月25日)、あのZOZOTOWN元社長の前澤友作氏のTwitter上の呟きが注目されていたので、備忘録としてnoteに記そうと思う。
前澤友作氏と言えば、現在Twitterで条件あり且つ抽選で「お金贈り」をしている資産家、投資家である。(厳密に言うと、最近は「氏が賛同して出資している企業の、お金贈りキャンペーン」を紹介しており、以前のように氏が御自身の資産をフォロワーにランダムで寄付しているわけではない様子。)
その呟きは案の定、翌日である今日にはもう削除されている様子だが、幸いスクリーンショットを撮ることができたので紹介しておく。
1. 前澤氏の言動に垣間見えたもの
まず事の発端は、このキャンペーンの紹介がキッカケであった。
(※この2番目に貼り付けた投稿は、炎上しかけたことで該当の投稿を削除後に補足として投稿された呟きで、こちらでも余計な誤解が生じないよう、一応、貼り付けておく。)
このキャンペーンの紹介に対し、フォロワーから不満のリプライがいくつか投げられ、氏は感情的な行動に出たのである。
確かに氏の仰ることも御尤もではある。
しかし問題箇所がいくつかあった。
一つは、「こういうこと」として挙げられたスクリーンショットが、相手のプライバシーに配慮も無くアカウント名やプロフィール画像も無修正のまま発信していたのである。(この記事ではモザイク処理して紹介しております。)
もう一つは、質の悪いことに、それは氏の判断で切り取られたものだった。
氏が挙げている問題のスクリーンショットが、こちら。
ところが元々のリプライは、このようになっていた。
つまり印象操作とも受け取れる悪意ある発信だったのである。
これに関しては他の多くのユーザーも指摘しているので、私もそれ以上は何も言うこともない。
しかしながら積極的に慈善活動をする人が、一部の人達のリプライに対し無視せず感情的になったことに対し「あぁ、本性が出たな…」と感じた次第である。
インターネット上に発信される情報は、何気ないことで「発信者そのもの」が垣間見えることがある。
私が個人的に「これはヤバいな…」と感じたのは、氏の仰る「誰に配ろうが俺の好き」という言葉。
確かに仰る通りで「慈善活動において氏が御自身の資産をどう使うかは自由」ではあるものの、この言動はモラハラに近いものを感じたのである。
どうも氏は政治家と同様「公的な支援を受けらない底辺を這う生活困窮者達の悲惨な現状」をよく理解していないと見受けられる。
それを「こういうの」という安易な言葉で表し、しかも「自分の意に反する言動をする人達はブロックするぞ」という脅しで締めくくるというのは、ワンマン経営者やモラハラの人にありがちな言動に他ならないのである。
しかも世界ギネス記録を誇るフォロワーを抱える(言動に影響力のある)慈善活動家が、仮にク●リプにムカついたとしても絶対に感情を表に出してはならず、フォロワーに注意喚起するなら慎重に言葉を選ぶべきだっただろう。
よくよく調べてみたら、氏の問題発言は今に始まったことでもなかった。
Wikipediaによると、過去にも問題発言はあったという。
やはり氏は気に入らないことがあると、本音が出てしまうようだ。
今回の問題発言については御自身で早々に火消しの対応を取ったが、多くのフォロワーから既に指摘を受けているので、各所の株価の動きも心配されるところである。
※2021年10月現在、上記に関する謝罪は一言も無いままである。
2. 前澤氏の寄付活動の変遷
そもそも氏の寄付活動はどういうものだったかについては、下記の氏のnoteに概要が記載されているので、よく知らない人はまず確認しておくことを推奨する。
※2021年9月18日、前澤氏の全活動が分かるリンク集が紹介されました。
「やっていることを全てまとめました」
https://linktr.ee/yusaku1717
2-1. 当初は年始の「お年玉企画」だった。
氏の寄付活動は2019年の年始より始まる。
当初は氏曰く「前職ZOZO社の初売りセールをさらに盛り上げるために、個人でできる面白いことないかなーという、単純なノリで始めた企画」とのことで、所謂「お年玉企画」だった。
しかし一部の事業者から反感を買ってしまいZOZOの事業が減益となってしまい、一時期はTwitterを休止していたが4月に復帰した。
翌年2020年1月、氏はTwitter、Youtubeにおいて、改めて「フォロワーから無作為に毎日抽選」をすると発表。
【総額10億円】100万円が1000名に当たるTwitterお年玉キャンペーン!(前澤氏の公式Youtubeチャンネル、Yusaku Maezawa【MZ】より)
しかもTwitterでは「フォローしてくれた期間の長い人ほど当選する確率が上がるよ。だから『当選しなかったから…』といってフォローを外してしまうのは勿体ないよ」などと煽り文句も入れ、これがキッカケで氏のフォロワー数は世界ギネス記録に認定され、一時期は世間でも話題となり、その一方で氏の活動と似たようなことを謳う詐欺師や偽物も数多く出現することとなる。
御自身もこの活動を「社会実験」と言っており、良くも悪くも日本社会に一石を投じ、波紋を広げたのだった。
2-2. 「前澤ひとり親応援基金」創設
前澤友作氏、 『前澤ひとり親応援基金』創設。10万円を1万人のひとり親に配布(ITmediaより)
前澤ひとり親応援基金 公式ホームページ
2020年5月10日(母の日)、氏は「前澤ひとり親対応基金」の創設を発表、これもまたインターネット上において一時期は注目されたものの、2021年現在は「サービスのリニューアル及びホームページを全面リニューアルのため」という理由で新規の申し込みが停止されている。
これに関しては氏のTwitterやnoteでは言及されておらず、氏についての記事を作成する上で基金の公式ホームページを閲覧して判明したのだが、それ以外のこと(この一年間における基金の活動実績等)はというと一切不明なのである。
サービスの再開は一体いつのなるのか、注視する必要があると思われる。
氏には愛人が複数おり、その人達との間に生まれた子供達も養っているので、世間の片親世帯にとって、氏の基金は公的な支援よりも非常に注目度の高いものに違いない。
※(2022年1月30日追記)いつまで経っても停止されたままだと思ったら、業務に違法性があると指摘され揉めているようですね…。
「前澤ひとり親対応基金」という名前にも関わらず、前澤氏は早々に事業のトップを退任しているそうで(逃げた?)、とんでもない無責任っぷりですね…。
典型的な貧困ビジネスですね。
前澤友作氏創業の「養育費保証サービス」めぐり係争。“日本一稼ぐ弁護士”を相手に双方の主張は(bis SPA! フレッシュより)
2-3. 寄付の対象を絞り、抽選も毎日から毎週へ。
2021年2月8日より氏は「対象者を絞る」ことに変更。
「無作為に当選者を選ぶランダム抽選のお金贈りより、具体的な支援先や対象者がはっきりとしたお金贈りの方が、協力してくださる方も増えそう」ということで、その頻度も毎日から毎週という形となった。
これが今現在の「氏が賛同して出資している企業の、お金贈りキャンペーン」を紹介する形の基となっていると思われる。
繰り返すが、今現在において「氏が御自身の資産をフォロワーにランダムで寄付」そいう当初のスタイルはもう行っていないのである。
つまり氏は一時期「お金配りおじさん」と自称していたが、ただの投資家としてシフトしたのである。
上記のnoteの「自分にできること」という部分において「今まで寄付やチャリティーには積極的に関与する方でしたが、なんとなくNPOや団体にお金を出すだけでは人任せな気がしていました。」と氏は仰っていたが、結局のところ変わりないようにも見受けられる。
つまり現在は、氏の定期的に募る企画に乗っかり賛同してもらえる事業者でない限り支援は貰えないということで、残念ながら底辺を這う個人の生活困窮者にはもう希望が無いと言っても過言でないのかもしれない。
しかしながら氏は、とんでもないことを公言してしまうのである。
【重大発表】全員もらえるお金配り!?(前澤氏の公式Youtubeチャンネル、Yusaku Maezawa【MZ】より)
この発表に対し、フォロワーはまた翻弄されることとなる。
「年内に」ということで期待値は高まるばかり。
おそらくフォロワーのほぼ全員が「当初のイメージ」を期待していたに違いない。
ところが実際は少し違ったのである。
3. お金贈りアプリ " kifutown " リリース開始
2021年7月24日、氏はTwitter上でまた思わぬ発表をした。
kifutown 公式ホームページ
ARIGATOBANK 公式ホームページ
期待していた多くのフォロワーは「ん?どうして他のアプリに誘導するの??」と思ったのではないだろうか。
この " kifutown " というアプリは、氏の「お金で困っている人をゼロにしたい」という理念を実現しようとする、氏の100%出資により2021年に起業したばかりの金融企業 " ARIGATOBANK " がリリースしたもの。
アプリを介して個々で1円から手軽に寄付し合えるというものらしく、「まず寄付者は寄付額を kifutown に振り込まねばならないシステム」のため詐欺できないとも言われている。
しかし利用者はまだiOSユーザーに限られており、現在の機能性も非常に限られているようで口コミの実際がよく分からない。(私もAndroidユーザーのため、その詳細は把握できていない。)
ザッと目を通してみても「キャンペーンは抽選制」のシステムようで、「氏の言う希望者全員と言えないのでは?」という疑問も拭えない。
少なくとも、キャンペーン参加の最低条件として「前澤氏のTwitterをフォローしていること」が大前提で、キャンペーンの土壌がTwitterから他のアプリに変更したということには違いない。
しかし私は、今後このアプリ上において前澤氏をはじめとした有名人を語る偽物が出ないか、またマネーロンダリングの温床にならないか、といったことは懸念している。
せっかく「Twitterでは伝えきれない時、 動画で口頭では説明しづらい時、 こちらで発信します。」とnoteを登録しているのだから、" kifutown " についても詳しく紹介してもらいたいところである。
4. そこまでして前澤氏のお金が欲しいか?
話を戻そう。
先述のように、氏は基本的に「思い付きで安易に『〇〇やります!』と企画を立ち上げるが、一人では何もできないので、お金で支援者を募り御自身の代わりに面倒くさいことも全て仕事をさせる」ディレクターのようなことをしている投資家であると、一般人の目には映っているのではないだろうか。
また根本的に「札束ビンタで自分に都合の良い人だけを選別し、意に沿わない人は切り捨てる」というモラハラ体質とも推測される。
実際に確認しているのは氷山の一角で、生活困窮者の現状もろくに理解していないことも留意しておかねばならない。
これは最近Youtubeで炎上した某メンタリストの思想にも似ているだろう。
言い換えれば「お金を除くと何も残らないオッサン」である。
何より現状「kifutown におけるフォロワー全員へのお金贈り」の実施日も未定であり、年内に実施されるかどうかも未知数である。
勿論、氏の支援で生き延びられている人達もいるかもしれない。
しかしながら実際のところは、ほとんどの人達が落選しており、当選者の追跡調査も無いままである。
この約2年半、煽りに煽っておいてフォロワー達に対する丁寧なアナウンスもないまま、その上で昨日のような問題発言もしれっと削除しているあたり「そこまでして氏のキャンペーンに乗っかりたいか?」という人達も少なくないのではないだろうか。
私も底辺を這う生活困窮者の一人であるものの、根本的に難ありな人に媚びてまでお金が欲しいかというと「いや、別に…」という気もする。
この寄付活動の全てを知っているわけではないので実際のところも不明だが「次第に対象が狭まってきているだけでなく、各キャンペーンで貰えるという金額も当初より減ってるような…」という印象もある。
コロナ禍という想定外の事態も発生したとはいえ、大きな社会実験を始めたものの、氏も資金繰りに難儀しているのではないだろうか。
今一度、胸に手を当てて冷静に考え直す必要があるのではないだろうか。