【本紹介】コンサル一年目が学ぶこと -コンサル流思考術―
こんにちは!今回は「コンサル一年目が学ぶこと」の思考術編です。
前回の話す技術編をまだ見ていない方はそちらも是非見てみてください!
10.「考え方を考える」という考え方
「考え方を考える」とは、どのように作業を進めたら求めている答えにたどり着くのかという「アプローチ」「考え方」「段取り」の部分を最初に考えるということです。
詳しく話すと、依頼が来てからいきなり作業に入るのでなくどう考えたら答えが出るのか道筋を考える。手順の段階で合意をもらってから作業に入るということ。
これをすることで得られるメリットは3つ。1つ目は作業の全体像が見えるため道筋が見えて安心感が生まれる。2つ目は手順の合意を得ることで後戻りなどの面倒なことをしなくて済む。3つ目は事前に作業の難易度や見積もりができる。
建築で例えれば、建て始める前に手順も含めた工程表や設計図を提示するのと同じです。まず大きな設計図を描いてそのあと細部に落とし込む。
コンサルタントの提案書作成とはこの「考え方を考える」という作業なのです。提案書は具体的な内容に踏み込まず、プロジェクトをどのように進めるか示したものなのです。
まず大きな手順を示して合意を得る。その手順に基づいて細部の作業を進める。
11.ロジックツリーを使いこなす
ロジックツリーとは問題解決の手法の一つです。
大きく複雑な問題に対してロジックツリーを用いて小さな問題に分解することでそれぞれの論点について議論ができる。それぞれの論点を分析することで全体の答えを導き出せるのです。
ロジックツリーによる問題解決の基本は
1.論点を整理・分析する
2.各論点について数値分析する
3.各項目の重みづけをする
4.アクションに落とし込む
本でロジックツリーを勉強するなら『イシューからはじめよ』(英治出版)『自分のアタマでかんがえよう』(ダイヤモンド社)などがオススメです。
コンサルタントの問題解決はロジックツリー
12.雲雨傘 提案の基本
「黒い雲が出てきたので、雨が降り出しそうだから、傘を持って行った方いいよ」
雲雨傘の論理とは事実と解釈とアクションが区別されていることです。上の文で言えば「黒い雲が出てきた」が事実、「雨が降りそう」が解釈、「傘を持ってて行った方がいい」がアクションにあたります。
何か文章を書くときは①事実②解釈③アクションをしっかり区別しましょう。これにより筋の通った話しができます。ロジカルシンキングの基本です。
提案をしたり文章を書くときは①事実②解釈③アクションを明確に
13.仮説思考
コンサルの思考法で最も重要なものが仮説思考です。
仮説を立てるということは今予想できる範囲でストーリーを描くということです。
例えば殺人事件があったとしましょう。犯人像、動機、いつどこで起こったのか、凶器は何かなどをもとに刑事さんは推理をして、怪しい所から捜査を進めていきますよね。これをビジネス用語にしたものが「仮説思考」です。
あらかじめ仮説を立ておくことで、調べるポイントを絞り込むことができて効率的にリサーチをすることができます。リサーチは仮説に対しての検証をするための手段です。仮説がなくリサーチするのは無駄な作業です。
仮説を立ててリサーチをしたら、フィードバックをもらいましょう。「仮説を立ててリサーチしたところ仮説と違う結果が出ている。リサーチ結果から真実は~ではないのか」という新しい仮説を立ててサイクルを回していきましょう。仮説→検証→フィードバックのサイクルを回す。
仮説思考を身に着ければ意思決定のスピードも上がります。普段から仮説を持っている人は実際にその問題が起こった時に仮説に沿ってすぐ対応できるからです。
例えば、ソフトバンクの孫さんは常に買収先の候補が頭にあるので、買収の提案を持ってこられたらすぐに対応できるのです。普段買収することについての仮説を持っていなければ、話を持ち掛けられた時点から考えるので意思決定に時間がかかります。
仮説思考は効率化や意思決定のスピードに関わってくる重要な思考だ。
14.自分の意見を持って情報にあたる
ビジネス能力を高めるのは情報量ではなく考えることです。考えるということは端的に言って自分の意見を持つということ。本やインターネットなど情報に接するときは必ず自分の意見を持って接しましょう。
自分の意見を持って情報に触れることで学びを得られるからです。自分の意見を持つことで深く印象に残り、記憶に残るのです。意見を持たずに情報に触れれば記憶にも残らずその情報に流されるだけです。
これができるようになってくると情報に触れたとき「この結論は根拠がない」「この分析は一面的だ」と気づけることができます。そうなればあなたの考える力やビジネスの力は向上し、より一層活躍できるようになります。
自分の意見を持って情報に触れる。これがビジネス能力を向上させる。
15.本質を追求する思考
クライアントがコンサルティング会社に求めているものとは何か?それは「情報」ではなく「本質」です。沢山ある情報を統合し、「だから何なのだ」という本質こそクライアントが求めていることなのです。
例えばあるコンサルタントが企業買収のプロジェクトにいたときの話。そのコンサルタントは徹夜をして買収先のビジネスモデル、収益率、財務状況、営業体制、人事制度、企業文化などを調べてレポートにまとめました。
しかしクライアントにそのレポートを持っていくと「こんな資料は求めていない。バラバラの情報でなく本質を教えてください。私たちが知りたいのはたった2つです。この企業のコアエンジンと買収する際の妥当な企業価値です。」といわれました。
情報を集めるだけでは価値がありません。その先にある「本質」を提示することで価値が生まれます。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
コンサルタントが意識している思考法はコンサルタント以外の職種の人にも役立つと思います。コンサルの思考はビジネス能力そのものを向上させるものだからです。
今回の「13.仮説思考」は特に重要で、全職業で通用する考えだと思います。私も来年コンサルとし社会人生活をスタートさせるので実践していこうと思います。
本日もありがとうございました。よろしければフォローとスキよろしくお願いいたします!
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