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【創作小説】僕と「水溜まりから」

僕が小学校低学年の頃の話。
その日は、朝から雨が降っていて下校時にようやく小雨になったのだ。一人で帰っている途中、水溜まりを見つけた。神社の前に出来たただの水溜まり。水は青く見えて、周りより綺麗だ。興味本位で思いきり足を入れたら、落ちた。水に身体が沈んで行く。僕の記憶はそこまで。
「おい!おい!しっかりしろ!」
目を開けたら、近所の貯水池前に寝ていた。
池を管理しているおじさんが、びしょ濡れで僕を見ている。聞けば、池からいきなり大きな水音がして、来たら僕が溺れていたらしい。
「大丈夫か?お前、どこから入った?」
この池がある敷地のフェンスは高いし、子どもが入れるような穴や道は無い。普段は入口に鍵が掛かっているし、僕自身中に入ったのは今が初めてだ。
僕はあったことをそのまま話した。あの神社から貯水池まで、歩いて十分ほどの距離がある。子どもながら、信じてもらえないだろうなと思ったけど、おじさんは難しい顔で頷いただけで、怒られなかった。結局、何が起きたのか分からないまま、おじさんに家まで送って貰った。彼がいろいろ言ってくれて、親にも怒られ無かったのは感謝している。
でも、僕は今でも少し、水溜まりが怖い。

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