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短夜怪談

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ホラー短編小説「短夜怪談シリーズ」をまとめています。一話完結の短い怖い話。
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2024年2月の記事一覧

【短編ホラー小説】短夜怪談「教室の花」

ある朝。 Dさんが一番乗りで教室に登校すると、教卓を含めたクラス全員の机に白い花が飾られて…

宵待昴
4か月前
11

【短編ホラー小説】短夜怪談「犬の散歩」

夜の帰り道。 ぴかぴかに点滅する首輪をした犬の散歩に遭遇した。犬はとても楽しそうだ。何気…

宵待昴
4か月前
8

【短編ホラー小説】短夜怪談「ドリンク」

社内に、無料で紙コップドリンクが出る自販機がある。休憩中、ココアのボタンを押し、さて出来…

宵待昴
4か月前
6

【短編ホラー小説】短夜怪談「空調の蓋」

昔、中途で入った会社に勤めていた頃の話。 ある時、一人で残業することになった。この会社は…

宵待昴
4か月前
10

【短編ホラー小説】短夜怪談「靴紐」

「おかしいなあ〜」 運動場で、同級生のAがしきりに首を傾げながら、屈んで靴紐を直している。…

宵待昴
4か月前
12

【短編ホラー小説】短夜怪談「雪の日の足跡」

ある年、大雪が降った。 足首ほどまでの積雪となり、交通機関が遅れに遅れた。職場から自宅の…

宵待昴
4か月前
10

【短編ホラー小説】短夜怪談「廃墟の警備員」

あるスーパー跡地に肝試しに行った。 何の云われも無いただの廃墟だから、実のところ肝試しもへったくれもない。時間も、そろそろ夕方に差し掛かるかという昼間の時間だ。明るい。いかにも地域密着型のスーパーだったと思しき建物に物は無く、薄暗いが無数の棚が朽ちているだけ。諸行無常ってこういうことかー、なんて柄にも無いことを考えてぶらぶらしていたら、不意に目の前が明るくなる。顔を上げたら、警備員の制服を来たおじさん。懐中電灯をこちらに向けられていた。眩しかったのは、その光。 「君、どうした