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下水道がない土地で下水処理の方法を考える(検討編)

水が確保できたら次は下水処理の方法を考える。
下水の処理といえば浄化槽である。
それでは浄化槽について調べてみよう。


・浄化槽の基本構造

浄化槽のことを気にしたことがある人はほとんどいないと思う。
しかし家庭用の浄化槽は知らぬ間に進歩を続け、小型化と高性能化を実現している。
適切な使用、管理をされた浄化槽の放流水質は下水処理場の放流水質と同等となるまで処理機能が向上しているのだ。

それでは浄化槽の中身はどのようになっているのか見てみよう。
下記が現在流通している浄化槽の基本構造である。

小諸市HPより

浄化槽の中で排水がきれいになるのは、
浄化槽内に生息する微生物のはたらきによるものである。
排水中の汚れは浄化槽に住み着く生物にとって有益な栄養となるのだ。

排水に含まれる各種有機物、臭いにおいのもとになる成分などは浄化槽内の生物群衆による食物連鎖により、捕食、吸収、排泄、分解が繰り返し行われることにより、きれいな水になっていく。

・浄化槽内のアンモニアの分解工程

ここでひとつ例として、ニオイのもとであるアンモニアの浄化槽内での分解反応を見てみよう。

アンモニアは体内でタンパク質が分解されると発生する物質である。
しかしアンモニアは有毒物質なので、体内で速やかに代謝され、人体に無害な尿素となり、そのため、尿にはアンモニアは含まれていないそうだ。
尿素が細菌により分解してできたのがアンモニアである。
いずれにしても体内から出た尿からアンモニアは発生する。

アンモニアは硝化と脱窒工程を経て、最終的に窒素と水に分解される。
硝化の最初の段階、アンモニア酸化細菌による酸化でアンモニアは亜硝酸となり、この時点でアンモニアの臭いは消える。

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上記の図のように酸素がある好気的条件下でアンモニアはアンモニア酸化細菌により酸化されて亜硝酸になり、さらに亜硝酸酸化細菌により酸化され、硝酸になる。
(上記の図のBはブロワーで、容器内はエアレーションされ、溶存酸素濃度が高い好気的条件になっている)
一番右の容器はエアレーションされておらず酸素がほとんどない嫌気的条件である。
嫌気的条件下では酸素がないため、脱窒細菌が亜硝酸、硝酸の酸素を利用し、生命活動を維持する。
いわゆる嫌気呼吸というものだ。
この過程で亜硝酸、硝酸から窒素が分離される。

他にもいろいろな物質が種々さまざまな微生物のはたらきにより、分子レベルで分解されているのだろう。
細かいことは置いといて、自然界というのはうまくできているのだ。
そうでなければ、そこらじゅうウンコだらけになってしまうではないか。

トイレットペーパーはどうなのかというと、世の中にはセルロースを分解する微生物が存在する。
そうでなければ、そこらじゅうトイレットペーパーだらけになってしまうではないか。

今日は疲れたので寝る。


追記
上記アンモニア処理の図でエアレーションされている左と中央の容器が浄化槽では接触ばっ気槽に当たり、
右の容器は浄化槽だと嫌気ろ床槽に当たる。

アンモニア処理の流れは好気反応→嫌気反応なので、
浄化槽の流れとは逆である。

そのため浄化槽には接触ばっ気槽から嫌気ろ床槽に
返送するラインが設けられている。

クボタのKZⅡ型という浄化槽があるのだが、KZⅡ型は好気ろ床槽が1槽目にあり、後段に嫌気ろ床槽がある。
僕が見た限り、好気ろ床槽→嫌気ろ床槽の流れになっている浄化槽はクボタのKZⅡ型だけだった。
そしてこのKZⅡ型の認定は平成30年とつい最近のことである。
(工場において製造される浄化槽の型式は国土交通大臣の認定を受けなければならないとされている)
反応の工程を考えると好気槽→嫌気槽の流れが自然である。
なぜこの構造の浄化槽がこれまで製作されてこなかったのかについては、いくつかそれらしき理由にたどり着いたが、いずれも推測の域を出ないため書かない。


うんこ博士を名乗る人
しかしその正体は趣味でうんこグッズを作って売ったりしている人である。
お風呂に入る時以外はいつもうんこ帽子をかぶり、うんこ棒を持っているよ!
(胸につけているのはうんこのアップリケである)


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