都内で一人暮らしをしていた時に起こった記憶に残る出来事
備忘録的な感じで記す。
学生特有のクレイジーさがなければ、もっと危機感を持ったかもしれないが、案の定、バカだったので当時は気にもしなかった。
郵便受け
当時、住んでいたアパートは5階建で、建物の入り口(A)と部屋の玄関戸(B)にそれぞれ郵便受けがあるという一般的なつくりであった。
なぜか知らないが、A側にナンバーロック錠をつけようと思った。4桁かそこらなので開けようすれば開けられちゃうが、ないよりはましだろうという感覚はあった。
しばらくして、たまった郵便物を取るためナンバーロックをはずしにいくと、設定した数字で開かなかった。数字変えたの忘れてたっけ、くらいの感覚でなんとか鍵を開け、再設定した。
前回のことを踏まえ、再設定のことを覚えているうちにナンバーロックへいくと、またしても開かなかった。偶然ではなかったようだ。
それからもナンバーを変えては変えられ、といういたちごっこが延々と繰り返された。回数が増えるごとに変えられたナンバーを開け直すのが速くなって行き、15分くらいかかっていた作業は5分かからなくなっていた。
幸い、A側には必要ない広告しかない上、払込の必要がある公共料金の知らせが盗まれていたことはなかった。
一度、誰がやっているのか見張ってやろうかとも考えたが、実害がないのでめんどくさくなりやめた。
炭酸風呂
当時、電車をよく利用するため駅から徒歩10分くらいにすんでいて、駅近くにスーパー銭湯があったことからよく足を運んだ。
都内のスーパー銭湯はそこしか行ったことがないので他のことは知らないが、いつ何時いってもほとんど混んでいた。特に高濃度炭酸風呂というのが人気で、バドミントンコートよりすこし縦長くらいの風呂に大人の男がぎっしり入るくらいだった。
ある日、ふらっといつものように入場すると、なんと人が少ないではありませんか。あの人気の炭酸風呂でさえ、ひとりふたりいるくらいだったので、早速、入ることにした。
しばらくすると、ひとりが私から1m以上離れた場所に座った。電車でもそうだが、人がいないのにわざわざ近くにすわる人間の心境が私にはよくわからない。
今でこそ、コロナの影響でソーシャルディスタンスなど囁かれているが、「いや、もともとパーソナルスペースって言葉あるし、そこかんがえろよ」と思うことは多々あった。
脱線したが、さきほどの状況からまたしばらく経った時、左足に何かが当たったことに気づいた。炭酸風呂は常時、シュワシュワしているので風呂の中がよく見えないため、目で確認することはできなかったが、当たったのは明らかに人の足だった。
恐る恐る当たった側の方向へ首を傾けると、先ほどまで離れていたはずの男がすぐ近くにいた。断っておくが、人はいない。
私は座った体勢を維持したまま、尻を2mくらいスライドさせた。
流し目で左を見ると、離れたはずの男は離れていなかった。
銭湯を後にした。
居留守
当時、夜勤のシフトバイトをしていたことがあり、朝帰宅し、寝ようとしていたことがあった。夜勤明けの経験がある方ならわかると思うが、慣れないとなかなか寝れない。
かくいう、わたしも 夏の暑さもあいまってなかなか寝付くのに時間がかかった。
インターホンのチャイムで目が覚め、気がつけば昼のようだった。
ああ、なんとか寝れたのかと思いつつ、まだ寝足りないので訪問者には申し訳ないが、 また寝ることにしようとしていた。
一回ならし、もう一回ならしたまではまだよかったのだが、そこからまだ鳴らし続けやがった。早く帰れよと思いつつ、目を閉じていると、今度はドアのノックを始めやがった。こんだけ鳴らしていないんだから、いねーんだよ。と言いたかったが、真実は真逆なので待っていると、最終的にドアノブを何回か回したのであった。
結局、それを最後にいなくなったようだが、あいつは一体なんだったのだろうかいまだにわからないでいる。
裸の舞
5階に住んでいて、尚且つベランダが部屋と同じくらい広かった(部屋が狭い)ため見晴らしはよかった。
よく、夜になると外を眺めながらたばこを吸いつつ黄昏たりもしていた。
初夏の真夜中、いつものようにベランダに出て、タバコを吸っていると、窓はおろかカーテンも全開にしているアパートの一室が目に入った。
好奇心で見てみると、
裸の人間が二人、動いているのが見えてきた。
東京の夜はすげーなと思った夜なのであった。
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