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バタどらの表現力 - どら焼き食べある記2

前回:どら焼き食べある記1

どら焼きをあれやこれやと食べる中、ひとつのカテゴリーとして興味を抱いたのが「バタどら」です。ある意味、どら焼きはあんこの塊です。皮はあれど、主役はあんこだと考えていました。甘いものが好きな私ですが、ひたすらあんこが続くのはちょっと違うなと思っていた中、バタどらに出会い、どら焼きの皮によりフォーカスさせてくれるバターのありように新鮮な驚きをおぼえました。しみるバターを得て、皮はまるでパンケーキのような独立した存在意義を放つのです。そこから始まったバタどら道中を少し綴ります。

広がる「エシレバター」の香り

バターの銘柄に気合いを感じるのがこちら、麻布十番にある和菓子いろがみの「香りのバターどら焼き」。エシレバターをがっつりと盛り込んだ人気のバタどらです。食してみると、最初はあんこの存在が強いのですが、次第にバターの風味が広がっていきます。皮単体でも美味しいと思います。他に並んでいる和菓子もどれも美しく、十番らしい通いたくなるお店。

あんはあんでもうぐいすあん

目黒の駅そばにある玉川屋も看板商品はバターどら焼き。ただ、ここのバタどらはあんこもうぐいすあんと、独自のこだわりを感じさせます。うぐいすあんになることであんこの主張が少々弱くはなるのですが、あっさりした印象の中でバターが確実にクリーミーさを残し、もぐもぐと食べ続けられる、そんな味わい。

バターはバターでもシュガーバター!

個人的に推しなのは川崎の東照(とうてる)のこどらシリーズのシュガーバターどら焼き。そう、バターに寄せてもはやあんこは排除。皮にシュガーバターが挟まれただけという潔い一品。アメリカンな甘味も大好きな私としては、この少々じゃりっとしたシュガーバターは堪らないものがあります。ただ、結構クセのある(牛乳の動物的な味わいが強い)シュガバタなので好き嫌いは分かれるかも。サイズ小さめなのが良い按配に。ちなみに普通のバタどらもありますが、こちらはあんこの中央にバターが埋まっているタイプで、程よくバターとあんこが融合するつくりにスマートさを感じました。

バターが主役、という意気込み

栃木は松屋の「バタまる」はバタどらであることを最大限主張する一品。まず断面が最強です。

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このバターの量感!しかし食べてみると意外なほどちゃんとあんこが存在しているから不思議。そして食べたあとはバターの喉ごしが余韻として残り、バタどらを食べたなぁ、と感じます。

やっぱり町の和菓子屋さんは最強

バターとあんこのバランスに「そうそう、この感じ!」と思ってしまったのが元町にある金米堂のバタどら。ふわっとあんこの全面に被せられた柔らかいバター。クリーミーさのしみる皮。甘すぎないあんこ。町中で、日常の中で焼き続けらてきた味はやはり間違いがないのです。

バタどらひとつ取っても無限にパターンが出てきそうなどら焼き。まだまだトライしてみたいお店がいくつもあって、この旅がいつ終わるのか、今のところ果てが見えておりません。

続き:どら焼き食べある記3

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