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中根すあまの脳みそ

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中根すあまが考えたことや、気づいたことを徒然なるままに記録していきます。毎週金曜日に更新。読んでやってください。
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2024年5月の記事一覧

中根すあまの脳みその246

携帯電話が壊れた。
半年前くらいから瀕死の状態にあったのを、見て見ぬふりしていたツケが回ってきたのだ。
少しばかり込み入った内容の返信を怯えながら待っていたある晩、もういっそこんなものがなければと、ソファーにそれを投げ出した次の朝から電波が入らなくなった。
近所の修理屋に行く。
眼鏡とスーツをお手本のように着こなした店員がなんの躊躇いもなく繰り出す専門用語に首を傾げながら、もう3年弱片時も離れるこ

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中根すあまの脳みその245

買ったものを両手いっぱい、胸いっぱいに抱えた人間が、コンビニの自動ドアから出てきた。
続いて出てきた人間、リュックを開ける。
そこに、抱えたものたちをひとつひとつ入れてゆく、人間。
なんとも言えぬ愛おしい共同作業であった。
私はうまれてはじめて、1枚3円のビニール袋に感謝した。

ものすごい勢いで横切る、少年。
右から左へサイドステップ。
左から右へはスキップ。
風を切る、少年。
しばらくして、よ

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中根すあまの脳みその244

たらふく酒をくらっても尚思考がはっきりしていて、まるでそれが決まりきっているかのようにパソコンをひらいた。ここ数ヶ月、私が、どれだけ願っても叶わなかったことだ。
起動するのを待つ間、
なにくそ、ぜったいに今、この時間で蹴りをつけてやると、脳内で1億回反芻し、そこからひと息、ひとくちで大きな怪獣を丸呑みするように、物語を完結させた。

我ながら大袈裟だと思う。
そんな、大層な作品を書き上げたのか。

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中根すあまの脳みその243

とある事情で、視力を矯正せずに1日を過ごした。
わりと、目は悪い方なのだと思う。
強めの近視と乱視が小さな眼球の中でせめぎ合っているのだ。
めがねもコンタクトも付けずに過ごす1日は無論、不便で、それはそれは難儀なものであったが、それと同時に、非日常感に彩られた景色は新鮮で、12時間の労働を心折れることなく終えることができたのも確かだ。

戦闘能力は下がる。
それはそうだ。目が見えていないのだから。

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中根すあまの脳みその242

脚本が完成しない。
公演と公演の期間を狭めたくて、気が緩まぬよう意識していたここ3ヶ月だが、一方で様々な要因により生き方も環境もガラッと変わってしまい、それに適応することに長い時間を要してしまった。
この時間が必要なものだったと、笑顔で言い切る自分が見たいと心底思う。

予定のない日は休むことに必死になってしまう。朝から、睡眠、睡眠、食事、睡眠、睡眠、飲酒、睡眠、といったこの世の終わりのような時間

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