中根すあまの脳みその253
ひとつのプライドと言っていいだろう。
以前働いていた摩訶不思議な古着屋で手に入れた紫色のワンピースは、私にはサイズが小さい。いや、ぴったりすぎると言った方が良いかもしれない。あくまでも、着ることはできる。しかし、余裕がないのだ。
連なった、レトロなボタン。辛うじて留めることはできるのだが、どうにもこうにも無理やりだ。大きく息を吸うとパチンと微かな音を立てて、腹の最も膨らんだ部分に位置するボタンが外れる。
息をつくことも出来ない、スリルに溢れたワンピースなのだ。
それでも着続け