中根すあまの脳みその260
京王線新宿駅3番ホームにあるトイレ。
さすが大都会。いつ立ち寄っても行列ができている。そこに並ぶ人々はみな冷静を装って、扉が開くのを待ち侘びている。
わたしもその中の一人になって、白い空間の中に佇む。
目の前に立ちはだかる人の壁が、ひとり、またひとりと少なくなって、視界が開けてくると、私はあることに気づく。
2列に連なった個室の中の、手前のひとつが空いているのだ。人々は皆、そこの存在を無視して他の部屋に入っていく。こんなに並んでいるのに。そこに入った方が、より早く列が短くなる