読書感想「夢をかなえるゾウ0 ガネーシャと夢を食べるバク」

素敵なねこさんの写真と人生ゆるくなれそうな言葉の本「人生はニャンとかなる!」で共著をされた方と知りました。水野敬也みずのけいやさん。この「夢をかなえるゾウ」シリーズは累計460万部をはじき出している自己啓発系の本になります。

今年の5月に刊行されたこの最新刊は、私がよく行く豊田市駅前のGAZAビル内にある書店さんで、ランキング棚に1か月ほどぶっちぎりの堂々1位をキープしていて。それが3位になったあたりで、あわててゲットしてきました。

本がいくらでも新しく出てくる時代なので、タイミングを逃して気になっていても入手できなかった、ということにならないように。

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パワハラ上司、助けてくれない周りの社風。それらにとことん嫌気がさして追いつめられたとき、主人公の青年が出会ったのはガネーシャさま。インドで現世利益をバリバリに与えてくださるありがたい神さまと、おとものバクちゃんでした。

理不尽なことが満載の大人の社会に入り始め、悩む若者に向けて作られた今回の「夢をかなえるゾウ ゼロ」は、夢なんかない、なくてもいい、でも何か物足りない、そんな主人公の悩みにガネーシャさまがとことん付き合います。(敬意を持ちつつガネーシャさん、のほうが良いのかしらん? 内容を思い返すと)

さまざまな偉人の人生のエピソードを紹介してくれたり、解決していくための課題を実践でひとつひとつ主人公のために与えてくれたり。しかし一見、ひどいタダの食べるのが大好きなタバコ吸ってるおっさんの姿をしたガネーシャさま。そしてガネーシャさまの父、シヴァさま。物語のなかでひとを育てる神さまがたもまた、悩みや苦しみを持っている存在である、ということが描かれていきます。

自己啓発本としても一級品。強調されている内容をきちんと素直に実践していけば、昨今取りざたされるレジリエンス、悲しかったりや苦しかったりのアクシデントに対する強靭さを身に着けていくことが出来ると思います。

何千年と昔の神話・伝説が時を超えて、誰かの喜びや悲しみや苦しみをも伝え、現代のひとのこころを支えることがあるように。

この作品は現代に生きる新しい神話としても良作かと。

第一に、仕事を始めたばかりの悩む若者に特におすすめです。ガネーシャさま・シヴァさまを知る神話好きの私のようなひとにも。ただ、かなり神さまがたをパロディしてはいるので、厳格で品行方正な神だけ、を求めて行儀の悪いのは受け付け不可というスタンスの方にはちょっと向いていないかも……。

全541ページという、結構なボリュームを一気読みさせてくれる読みやすさと、やったほうがいい実践方法をきちんと小説を読んだあとに復習できるまとめ方。たくさんの自己啓発本がありますが、この作品に書かれていることでほぼ、ほかの本は手にしなくても大丈夫、くらいには凝縮されています。

夏の猛暑と感染症のまん延とで、外は出にくいこの時期に、おうち時間を使って読む価値は十分にありますよ。

※ 見出しの画像は、みんなのフォトギャラリーより由依さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。

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