見出し画像

舞台感想「名古屋の千種文化小劇場」

おはようございます。先日に観たお芝居の感想を。観に行った「宮澤賢治のたからばこ」のお芝居とストーリーも良かったんですが、舞台の施設と造形にも感動したので、今回はそのことに軸を置いた内容になっております。

スマホが壊れて、スマホなしの状態で名古屋へMAPなし、時計なしで行くことになった今回のお芝居。メモした駅名を間違えたため、名古屋の地下鉄の駅員さんに場所を優しく教えて頂き、時計はさまざまなお店の掛け時計の時間を確認させて頂いて、なんとか上演開始の時間にたどり着けました。

お芝居の前にすでにドラマティック(笑)

千種文化小劇場、または「ちくさ座」という施設は、よくある舞台と客席に分かれた映画館のような造りとことなり、円形劇場になっています。八方向に観客席が作れて、まるっと360度から観客が真ん中の舞台演者を観る上演方法にできるんですね。

この形は日本国内では数少なく、名古屋では唯一と言っていいと思います。

シルクドソレイユや木下サーカスのような、テントを張った臨時の上演方法では円形劇場に近い観客席というスタイルは使われることもありますけど、建築物としていつもそれが可能、というのは20年前に千種文化小劇場が完成したときから、かなり個性の強い劇場だったようです。

千種文化小劇場開館20周年事業として行われた「演劇CAMP in 愛知 特集『まるっと!円形劇場』」は、今回観に行った劇団そらのゆめの「宮澤賢治のたからばこ」を含む、4つの演目と演技体験ワークショップ、演出さんたちのトークなどを三日間で、一日三公演を観るならセットで大人ひとり5500円、ひとつの公演だと2500円というお得な内容。

これまでの名古屋の演劇価格相場は、安心して観られる中堅どころなら3500円あたり、という感じでしたから。

500円とか800円とかも昔はあって、そのあたりは正直に言うと学生時代特有のド貧乏ゆえに、ケチって500円や800円を出してテケトーな作品を観て後悔、ということもよくありました(笑)過去の私は、どんな作品からも良さを見つける許容量がないために、作り手側の苦労を気にせずハズレと感じてしまう失礼さも持ってましたので。

きちんとしたものを観るには、相応のお金。作り手側もタダで制作するわけにはいきませんし、なにぶん演劇は、そのひとつの公演のために出演者もスタッフも、衣装も大道具・小道具も音楽も照明も、宣伝のための多くのチラシや、来たお客さんに配る、ほかのお芝居のチラシを挟んで冊子のようになるパンフレットも、舞台を利用するための場所も必要とするので、ソロで出来る表現活動や、一度作ったものを何度もどこでも再生可能な表現媒体よりも厳しい。

そのぶん、脳にいい刺激を与える芸術としては、映画よりも、人間そのものが生で表現する演劇やミュージカル、生演奏なまえんそう生歌なまうたのほうが効果があるという数値も出ているようです。映画も、音楽だけを再生するよりは脳にいい効果が高いそうで、ひとが動くのを見たり、話すのを聞いたりすることが良いみたいです。

舞台と客席という、明確な線の仕切りのある映画館スタイルではない、360度の観客席での円形劇場による「宮澤賢治みやざわけんじのたからばこ」は、普段見られないスタイルの上演方法が満喫できました。

物語は、ご存知宮澤賢治氏のさまざまな作品を用いた、現代劇なのですが。いつもの舞台と違う、舞台空間と客席との一体感が生まれやすいような感じがしました。

入手した今後の公演チラシには。

袈裟丸 祐介さん 10th Anniversary Concert 「ありがとう」 

10月15日  15:00開演(開場14:30)

語謡楽 青柳のはなし 一具(原作を小泉八雲氏、またの名をパトリック・ラフカディオ・ハーン氏に拠した、怪談をピアノ&クラリネットと言葉と歌とで表現する舞台芸術です)

11月2日(水)15:00/19:00開演
11月3日(木・祝日)14:00/18:00開演

この二作品が秋に千種文化小劇場にて上演されます。

ほかにも円形劇場の個性を利用したお芝居、音楽などさまざまな催しがありますので、観てみたい方は「千種文化小劇場」を検索してみてくださいね。

ここまで読了いただき、誠にありがとうございます。

この記事が参加している募集

舞台感想

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?