流れに乗り、最後は顧客に目を向ける
今日Twitterを眺めていたら『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』の吉田さんのこんなツイートが流れてきた。
これはICT関連のリサーチをやっていたシンクタンク時代に何度も見聞きしたものだ。たぶん、自分が最初にこの手のものを聞いたのは「ASPなんかじゃなくて、SaaSがいいんだよ!」だった気がする…。
同じようなことをこの記事でも目にした。
わかりやすいのは冒頭のこの部分。
日本企業の間でAI(人工知能)の理解が一向に進んでいない。中身はいわゆるIT(情報技術)化のような話が半分以上ではないか。今までもやっていたことをAIという言葉に換えて、マーケティングに利用しているだけ。
そして、このExcelVBAとかRPAの部分をビジネスの手法名に置き換えると、ITに限らず、ビジネスの分野でも同じようなことが起きていることがわかる。
自分がよく聞かされる(直接・間接両方)ものとしては、特に後半の「RPAがいいんだ」というセリフのRPAの部分が、
・シナリオプランニング
・デザイン思考
・アジャイル開発
・OODA
・ティール組織
とかに置き換わっている場合が多い。
メディアによって、こういう流れが作られてしまっているというのはあるし、うまくそれに乗じて儲けようという輩も多い。
自分自身も手法(シナリオプランニング)をかついでビジネスをやっている立場ではあるので、自分が良いと思っている手法は前面に押し出すものの、それが偏狭的な見方になっていないかは、いつも気をつけている。
そして、気をつけるだけではなくて、何か新しい考え方や手法を伝える時には、それらの核の部分というかコンセプトの部分からしっかり伝えることを注意していかないといけないなと思う。
RPAにしても、シナリオプランニングにしても、経営者や管理者、現場が抱えているあらゆる課題を解決してしまう魔法の杖ではない。
だから、上で紹介した日経ビジネスの記事にものっていたように、そのようなサービスを使う側が、これから使おうとしているものについて的確な意思決定をできるだけの最低限の知識を持っておくことは必要だ。
そして、そういう最低限の知識をきちんと伝える役割を担うのはサービス提供者側だということは忘れてはいけないと思う。
ITにしろ、ビジネス手法にしろ、自分がやっていることが世の中で必要とされて、それを求める人が増えるのはうれしいことだ。そして、つい欲が出ることもある。
しかし、そういう時こそ、そういう新しいものを求めている人、つまり顧客が、本当に正しく理解した上で「欲しい」と言っているのかを確認することは大切だ。
顧客が「欲しい」と言っている時にこそ丁寧にニーズを確認し、そのニーズを本当に満たすことができるかどうかを確認する。その上で、(実際によくあることだけど)ニーズに合わない場合は、きちんとそれを伝えて、時にはサービス使わない方が良いと伝えるのも必要だ。
あるいは冒頭で紹介した吉田さんのように、まずは顧客の言っていることに乗っかりつつ、「これは本当は」と言って、顧客に理解してもらうきっかけにするのも良いかもしれない。
シナリオプランニングでやっているように、時代の流れを読んで、それをうまく活用することは、組織にとって大きなメリットになるだろう。
ただし、そういう流れがあるにせよないにせよ、流れに乗るにせよ乗らないにせよ、最後は顧客に目を向けるのを忘れてはいけない。
こういう時こそ「顧客のためになるかどうか」という基準を提供側が忘れてはいけないなと思う。
■最後まで読んでいただき、ありがとうございました■
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