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NBAのロサンゼルス・レイカーズにコービー・ブライアントという名プレイヤーがいた。

バスケットボールに興味がない人には、その名プレイヤーぶりが伝わりにくいかもしれないが、NBAチャンピオン5回、ファイナルMVP2回などなど、彼が獲得した記録をあげればキリがないほど。

YouTubeなんかで彼のことを調べてみると、マイケル・ジョーダンと比較されている動画があったりすることからも、彼がどういう存在だったのかわかるかもしれない。(Wikipediaにも「コービーとジョーダン」という項目がある)

それでもイメージできない人は、自分の好きなスポーツで、ある時代にもっとも抜きん出た実績を出し続けたプレイヤーを想像してもらえるといい。スポーツでなくても良いもしれない。例えば将棋界における羽生善治みたいな存在だ。

よく言われることだけど、どういう分野でもプロになることでさえ大変なのに、その中で抜きん出た実績を出し続けるというのは、ものすごいことだというのは想像がつくだろう。

コービー・ブライアントのすさまじい練習

その「ものすごいこと」を成し遂げるために、冒頭でも紹介したコービー・ブライアントが何をやっていたのかを詳しく紹介していた記事があった。

この記事の冒頭で紹介されている「沈黙の10年("ten years of silence")」もとても重要な考え方だけど、今回はコービー・ブライアントの部分だけを取り上げよう。

この記事では、2012年にコービーががオリンピックの代表メンバー(ドリームチームのメンバー)に選ばれた時、彼のコンディショニングを担当したトレーナーのエピソードが紹介されている。

それによると、夜更かしをしてしまったトレーナーが寝付いたか寝付かないかくらいの朝4時15分にコービーから電話があった。今からコンディショニングをやってくれないかという依頼だ。

用意をしてトレーナーが練習場に行くと、すでにコービーはウォームアップを済ませて汗だくになっていた。そこから1時間程度のコンディショニングワークをした後、ウェイトルームで45分過ごす。その後、彼は練習場に戻りシュート練習を始めた。

そこで自分の部屋に戻り、一眠りしたトレーナーが11時に練習場に行くと、コービーがシュート練習をしている。そこでトレーナーが「いつ、練習終わりにしたの?」と聞くと「え?」と聞き返したあと、「あ、今だよ。ジャンプシュートの練習を800本やりたかったんだ。」と答えた。

そして、そこからチームでの練習。

なんともすさまじい…。

もちろん、これがオリンピック前だからという見方もできるかもしれないけど、本番直前に急にいつもと違うこと、いつもよりも無理をするのが良くないくらい、彼のような人なら心得ているだろう。

興味を持って彼が練習について語っているインタビューや動画を見ても、同じようなことを言っていたので、多かれ少なかれ、これが彼の日常なんだろう。例えば、これ。

「明確な意図を持った努力」の大切さ

このコービーの例を出して、この記事では "Deliberate Practice"、仕事などにも応用できるように意訳気味に訳すと 「明確な意図を持った努力」の大切さを強調している。

「明確な意図を持った努力」とは、スポーツの練習はもちろん、仕事のスキルを上げるという時にでも、いたずらに時間をかけるのではなく、明確な意図を持って努力をする、決めた行為を行うことを指している。

同じようなことはDVD『紳竜の研究』の冒頭で、紳助が紹介した掛布の素振りの話しにも通じる。

そこで紳助は、何百回も素振りをしているだけでは筋トレにしかならない。でも掛布は素振りの一回一回で、明確な状況(ピッチャーが誰で、どんな球を投げてきているのか等)を想定していたことを紹介して、「努力をすること」が大事なのではなく、今回の文脈で言えば「明確な意図を持った努力をすること」が大事だということを強調している。

日々の仕事で「明確な意図を持った努力」を意識しているか?

そして、元としている記事では、スポーツ選手のような人だけではなく、私たちの仕事の仕方にも触れている。

たしかに、通常の仕事では、プロバスケットボールプレイヤーのように、目立った変化は見えないかもしれない。それに、ジャンプシュートを800本というようなわかりやすい「明確な意図を持った努力」もしにくいかもしれない。

ただし、普通に仕事をしている私たちも、彼らと同じように、決して無駄にする時間はないはずだ。ましてや、長時間残業をしていることを武勇伝のように語ることはもってのほか。

自分がかけた時間にふさわしいだけの成果を得ているのだろうか?と常に自分に問いかけながら、どんなときでも「明確な意図を持った努力」を実践していきたい。

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Photo by Markus Spiske on Unsplash

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