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中国人の疑問:日本はなぜ首相がしょっちゅう代わるのか?

ネタ選びに困っている時、こんなニュースを目にしました。

岸田首相が次回の総裁選に立候補せず退任へ、ということです。

首相を務めた期間でいうと、だいたい3年くらいでしょうか(調べたら令和3年10月からなので、ちょうど3年になるっぽいです)。

これを見て、中国人にしばしば聞かれる質問のことを思い出しました。それは、「日本ではなぜコロコロ首相が変わるのか?」という質問です。

中国のSNSを見にいってみると、やはりこのニュースに関するコメントには「また首相が変わるのかよ」といった旨のコメントがついていました。

「令和になってから(次で)4人目じゃん」「交代率高すぎない?」

3年というのは(安倍元首相を除いて)近年では長く続いたほうだと思うのですが、それでも首相交代に際してこういう意見が反射的に出てくるくらいには、「日本はしょっちゅう首相が交代する」というイメージを中国から持たれているのはある程度間違いなさそうです。

さて、なんで日本って首相がよく代わるのでしょうね? 実はこうした中国人からの疑問に、僕自身がうまく答えられたためしがありません。

この記事によると、議院内閣制の先進国で、ここまで頻繁に首相が交代しているのは日本とイタリアくらいのものだそうです。

ただイタリアは多党化が進み政権交代が頻繁に起こるからそうなっているのに対して、日本は政権与党の交代がほとんど起きないにもかかわらず、政権内の派閥抗争が存在しているからだといいます。首相であっても党内に目配せが必要だったり、場合によって首相から引きずりおろすような動きがあるから、首相が長く在任しにくいのだ、ということです。

民主主義の原則からいえば、さまざまな立場の人や意見が日の目を見る機会があることはある意味望ましいともいえますが、どうも日本のほうはそうなっていないような気がしますね。なんでわざわざ首相を交代しているのか、よくわからなくなってきました。

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さて、本題は日本の頻繁な政権交代について中国人に疑問を持たれる、ということでした。

中国は一党独裁の国なので政権与党の交代は起こりませんが、国家主席の交代は基本的に10年ごと(いまはちょっと変わってしまいましたが。後述します)、最高指導部である中央政治局常務委員会(日本の内閣のようなもの。実態は大きく違いますが)の任期も5年ごとに設定されています。中国人にとってはそれが比較対象になるので、相対的に日本はコロコロ首相を変えている、と見えるのも当然です。

また、この疑問と同時によく言われるのが「そんなに短期間で首相が変わってしまっては、新しい政策や方針を試す時間がないではないか」というものです。リーダーが何かやりたいことがあっても、その方針を浸透させたり、実行に移してその結果を評価する時間がないのでは、ということです。なるほど一理あります。

中国の人々は短期的な計画性については壊滅的ですが、中長期的な視点は意外なほどしっかりしており、長めのスパンで物事を見ようとします。政治的なものについても、成果がわかるまでにはある程度の時間が必要だと考える人が多いのかもしれません。結果として、ますます日本の風習(?)が奇異なものに見えるというのはあるのでしょう。

そんなふうに、日本の首相コロコロ交代劇は中国の人々の目には理解し難いものに映るのでした。

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以下は私見ですが、首相(ないし国家元首)がしょっちゅう代わるほうがいいのか、それとも代わらないほうがいいのかは、一概に決められるものではありません。

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