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格闘ゲームの世界大会を見ながら、「これって愛国心?」と思った話

少し前に、Evolution(通称:EVO)という格闘ゲームの世界大会がアメリカ・ラスベガスで開催されました。

僕はもともと格闘ゲームの観戦が好きです(自分でプレイはしないのですが。こういう人を界隈の用語で「動画勢」といいます)。この大会は久しぶりのオフラインでの世界規模の大会ということで、かねてから注目していました。時差の関係で平日、しかも午前中の開催だったにも関わらず、僕は仕事そっちのけで「ストリートファイターV」部門の決勝大会を見ていました。

トップ8が決定した時点で、そのうち半分の4人が日本人(しかもその時点での成績で1位から順に)で占められているなか、敗者復活から上がってきたアメリカのiDom選手がそれらの日本人選手たちを次々と破り、決勝へと駒を進めていく姿は圧巻でした。

日本のネットではその様子が「主人公補正」と表されていましたが、現地アメリカではまさにiDom選手が、攻め込んできた日本人を片っ端から退治する「主人公」に見えていたことでしょう。

そして迎えた決勝戦でも猛攻を見せ、完全に試合のペースを掴んでいたiDom選手。あと1ラウンドで優勝というところまで迫りますが、その流れにギリギリのところで飲まれず、細かいところの対応で盛り返した日本のカワノ選手が最終的に勝利をもぎ取り、優勝となりました。

カワノ選手はかねてより日本のストリートファイターVの世界で「若手最強」との呼び声が高く、国内の大会でも軒並み優秀な成績を残していたのですが、コロナの影響でその力を海外大会で発揮できないという不遇をかこっていました。過去、日本代表に選ばれては、その大会がコロナの感染拡大で中止になるということを何度も経験していたのです。

そんなカワノ選手がようやく世界に実力を示せたということで、その活動を追いかけてきたものとしては、熱いものが込み上げてきました。優勝できて本当によかったと思います。

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と、なぜ突然普段はマガジンに書かない、趣味全開の格闘ゲームの話を、読者のみなさま置いてきぼりで始めたかというと。

前述したように、決勝大会ではアメリカのiDom選手に日本勢が次々と破られていき、最後の決勝戦でようやくカワノ選手が止めた、という流れになりました。

それを見ている間の自分自身を振り返ると、僕は無意識のうちに終始「ああ〜日本が負けちゃう〜」「日本勢、がんばれ!」ということを考えていたと思うのです。

自分ではこれまであまりこういう気持ちになったことがなく、いったいあれはなんだったのだろう、と考えてみることにしました。

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