中国の病院で消耗してきました
昨日、嫁が体調を崩し、病院に付き添ってきました。行ったのは地域の大きな病院で、地元の人がとりあえずみんな行くようなところです。
で、診察を受けてきたのですが……なんというか、体調が悪いのは嫁だったはずなのに、終わってみれば僕の具合が悪くなるほど疲れていました。
以下、割とただの愚痴なのですが、お付き合いいただければ幸いです。
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中国の病院ではまず「挂号」という形で、診てもらう医師を予約します。その時点で既に「挂号費」という費用がかかります。挂号費は医師によって違い、職位が高く評判の良い医師ほど値段が高くなっている傾向があります。
その時点で日本の感覚からすると「そんなことある?」という感じですが、まあそういうものだと受け入れ、スマホからその「挂号」を済まして病院に向かいます。
しかし、病院に着いたらそのまま医師のところに向かえばいいのではなく、さっきの「挂号」とは別に「签到」といって、「いまから医師のところに並びます」という登録? をしないといけないのです。正直、なんじゃそりゃ? です。ただの二度手間じゃないか。中国人は合理的で効率がいいんじゃなかったのか。
そのほか、診察室で医者とちょろっと話をしたらすぐに検査に行かされ、検査結果を踏まえて診てもらうためにもう一度「签到」、つまりまた並び直しが必要になります。昨日など、どういうわけか診察→検査→診察→検査→診察と、3回ぶんも並び直しをさせられました。
このあたりの事はちょうど先日紹介した高口康太さんの「中国「コロナ封じ」の虚実」にも書いてあります。中国では権威ある大きい病院に患者が殺到する構造があるため、病院が非常に混雑します。
本書によると、これでもスマートフォンから予約ができるようになって大幅に改善したといいます(嫁も同じことを言ってました)。いやはや、以前はどんなにひどかったのか。想像もできません。
そんな中で順番を飛ばしたり、こっちが診察を受けているのに勝手に入ってきて自分の話を始める人などもいるのでもう大変です。中国で暮らしてきて、野菜の量り売りや高速鉄道のチケット売り場などの割り込みにはずいぶん冷静に対応できるようになってきましたが、さすがに病院となると話は別です。ブチギレそうになるのを必死で抑えながら対応しました。
システムが煩雑なことに加えて、大病院にいろんな人が殺到してしまうことで起きる問題を見ていると、「街のかかりつけ医」がある程度機能している日本はものすごくいい土地だなと思いました。コロナ禍で医療従事者に感謝しようみたいなのが盛り上がりましたけど、そういうのがなくても日本の医療体制には普段から感謝すべきですよ皆さん。
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そういったシステム上の問題は抜きにしても、あまりにも不親切な受付や医師・看護師の案内にも正直、辟易しました。
医師の診察を受けて「〇〇の検査を受けて来い」と言われるものの、それがどこで受けられるものなのかさっぱり案内もない。案内所のようなところに聞いてもろくに話を聞かずに「あっち」と言われ、実際に行ってみると全然違っていたりする。そんなことが何回もありました。
ようやく正しい場所を見つけても、そこでもまた検査待ち。ようやく自分の番が回ってきたと思ったら「先にこれを受けないとこっちはダメ」「この紙を先に発行しないとダメ」などと言われて、並び直しになったりする。憤死しそうでした。
これ、僕の語学力の問題とかではなく、中国人の嫁がいてもこうなるのですから、その難易度がわかっていただけるかと思います。
結局、その日は朝早くから病院に出向いたにもかかわらず、家に帰ってこれたのは18時ごろ。一日仕事です。ものすごい勢いで消耗しました。
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歳を食ってきて、病院のお世話になることも増えてきそうな今日このごろ、これからもこの感じの病院に行くのか……と思うと凹んできたので、ますます健康に気を使わないといけないと決意を新たにするとともに、良い私立病院を見つけるとか代替手段を考えておかなければなあ、と思いました。
いやほんと、繰り返しになりますけど、日本の医療体制は恵まれてますよ、たぶん。日本にお住まいの方は噛み締めていただきたい。
というわけで今日は愚痴でした。それではまた。
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