海外で必要なのは、孤独に耐える力
先日、海外での生活に必要なのは、何はなくとも「健康」だという話を書き、けっこうな好評をいただきました。お読みいただいた皆さんありがとうございます。
今日はこの続きとして、フィジカル面だけでなくメンタル面でどういう資質が必要なのかについて考えてみたので、ぜひお読みください。
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タイトル通り、海外生活にメンタリティとして必要なのは「孤独に耐える力」だという個人的には考えています。
ただし、これはいわゆる「コミュ障」的なメンタルとはちょっと違うものというか、似て非なるものです。むしろ海外生活では、自分からコミュニケーションを取り、周囲と関わっていく姿勢が必要になるでしょう。
居住国の人々との言葉や習慣の違いというハンディキャップを背負いながら、それでも周囲に助けを求めたり、楽しく過ごしていくための「コミュ力」は、基本的にはあったほうがいいのではないかと思います。人間、誰しもムスッとしている人よりも、にこやかで前向きな人と一緒にいたいというのは万国共通です。
ただ、そうして自らコミュニケーションをとり、自分の快適な環境を確保したとしても、なぜかいいようのない孤独に襲われる時というのが、海外での生活にはあります。
僕は中国に住み、中国人と結婚しています。中国人の友人も、あまり多くはありませんがそれなりにいます。中国において、それなりにやっていけるだけの人間関係と生存圏を築いてきたつもりです。その中で過ごすことに、普段は大きなストレスはありません。
しかし、ふと嫁との対話不可能性を感じた時や、あまりにも違う政治的立場や文化、習慣の違いに触れたりすると、困惑と同時に「やっぱり自分は、ここに外国人として存在しているのだ」ということを感じざるをえません。どれだけ溶け込もうとしたって、どこかで自分は線を引かれてしまう。そういう存在なのだという自覚を、否応なしにさせられてしまう瞬間というのがあります。
それは「ソト」との線引きを強く持つ中国人たちの国としての中国において顕著かもしれませんが、本質的にはどこの国でも同じでしょう。日本で暮らしている外国人も、おそらくは同じような葛藤を抱えているはずです。
まずは、そうした意味での孤独を受け入れるメンタリティが必要でしょう。
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また、そうした「外様」「ソト」の人間としての孤独を埋めるために、自分にとって「ウチ」である日本人のコミュニティに助けを求めすぎるのも、考えものだったりします。
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