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各地で下がる抗議のハードル、聞こえてくる花火の音と、「底」の足音

年明け、中国では各地でちょっとした抗議運動が散発的に見られました。その内容は簡単にいうと「花火をやらせろ」というものです。

河南省の周口市で、若者が花火をやっていたところ警察の注意を受け反発。若者は暴徒化して花火を続行したほか、警察車両を破壊するなどの行為に及びました。SNSなどには狂乱しながら花火を振り回す若者の姿や、パトカーのナンバープレートをもぎ取り、果てはひっくり返す様子の映像が出回っています。

そのほかにも複数の土地で、花火を巡って現地警察と人々の衝突があったことようです。少なくとも河南省や山東省などの土地で、花火を規制しようとする警察と人々がトラブルを起こしていたことが報告されています。

背景として、そもそも中国では祝い事の際に厄払いとして爆竹を鳴らしたり、花火を燃やす習慣があります。派手な光や音で、邪気を追い払うという発想のものです。

しかし近年では騒音や煙など公害の問題で、これらの行為には規制がかかるようになっており、ほとんどの土地で爆竹・花火は条例などで禁止ということにされています。

現実としては、爆竹・花火は多くの土地でほとんど黙認されてはいるものの、イベントごとの時になると警察の見せしめや点数稼ぎ的な意味で取り締まりが厳しくなる、という塩梅で運用されていました。

なので今回の「年越し花火」とそれに対する取り締まりも、そうした例年の光景のひとつとして終わっていくはずだったのですが、どういうわけか今年はこれに対する反発が局所的に起こり、その規模も大きなものとなった、ということです。

以上の背景をわかっていただいた上で、以下にこの件の雑感を述べていきます。

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