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子どもが生まれてくるまで、性別を知らなかった話

今日も子どもにまつわる話題です。

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タイトル通り、僕ら夫婦は実際に子どもが生まれてくるまで、その性別を知りませんでした。

別に意識してそうしたのではなく、中国では基本的に生まれてくる子どもの性別を調べてはいけない決まりになっているからです。医者や医療スタッフは、性別がわかってもそれを親に教えてはくれません。そういう法律も存在しています。

非医学的需要による胎児の性別判定および性別選択的な人工妊娠中絶の禁止に関する規定

第三条 非医学的な需要から胎児の性別を特定すること、および性別選択のための人工妊娠中絶はこれを禁止する。保健行政部門または計画生育行政部門の承認がなければ、いかなる機関または個人も、胎児の性別判定または性別選択のための人工妊娠中絶を行ってはならない。法令に別段の定めがある場合を除く。 

中国政府網より、翻訳は筆者

病院(産科)にも、このことを述べた文言が至るところに書いてあったりします。

子どもが生まれた病院の、分娩室前の扉

ただ、「医学的需要」があるということにして検査を受けて性別を知ったり、エコー検査などをやってくれる人がそれとなく教えてくれる場合などもあるといいます。特に外国人の場合はちょっと基準がユルめっぽいです。

自分たちに関してはどうしようか、と妊娠がわかった時から嫁と少し話してはいたのですが、性別を知るのは行為としてはグレーだしそう簡単ではないというのと、せっかくだから中国の習慣に従おうという僕の意向で、子どもの性別を積極的に調べたり、それとなく聞いたりというのはしないように決めました。

やってみたところ、それほど違和感はありませんでした。どちらが生まれてきても全力で尊いことに変わりはないし、やることもほとんど同じだろう、と踏んだからです。どちらが生まれてきてもいいように、名前を2人分考えるのがちょっと大変だったくらいでしょうか。

むしろ、本当に生まれてくるその時まで「どっちかなあ?」とワクワクして過ごすことができたのは幸福だったかもしれません。夫婦でどっちだと思う? なんて話したりしてね。

そんなわけで、生まれてくる子どもの性別を知らないという体験も、悪くはありませんでした。

なぜ禁止なのか

さて、ここまであえて書いてきませんでしたが、中国ではなぜ胎児の性別を事前に知ることや、医者が親に教えることが禁止されているのでしょうか。

もちろんそれは、みんな子供の性別は生まれるまで楽しみにしていてね☆という国による粋な計らいなどではなく、もっと現実的な理由でそうなっています。

おそらく多くの読者さんは勘づいている、あるいはすでにご存知かもしれませんが思いますが、その理由はすなわち、

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