見出し画像

中国にいたくない理由、いたい理由

今日の林伸次さんのnoteで、「海外に住んでいる人」という文脈で名前を出していただいておりました。ありがとうございます。

このnoteはこれから日本で子どもを育てるべきか、という読者さんの悩みに対して、林さんなら移住するとしたらどこの国に住むのか、ということを考察しながら答えようとするものでした。とても面白かったです(IQの低い感想ですいません)。

+++++

さて実際に中国、つまり海外に住んでいる僕ですが、中国に骨を埋めようと考えているわけでもなく、日本に戻ることや他の国に行くことを含めて身の振り方は常に考えています。海外移住や、日本国内での地方移住とかもそうだと思うのですが、けして「行って終わり」ではなく、そこからもいろんな選択が待っているんですよね。

特に最近は中国にいる意味というか、さてこれからどうしよう? ということをよく考えます。

そこで今日のnoteでは、自分の思考の整理のためも含めて、いま僕自身が考える「今後中国にいたくない理由」と、逆に「中国にこれからも居続けたほうがいいかも理由」を、それぞれ考えてみたいと思います。個人的な思考の吐露にはなりますが、ひょっとしたら海外に住むことを考えていえる人の参考になるかもしれません。

ではどうぞ。

中国にいたくない理由

まず、中国から出た方がいいんじゃないか、他の国に行った方がいいんじゃないかと思う理由から述べていきます。

①子どもの教育が心配

いちばん心配しているのは、これから作る予定の子どもを、一般的な中国式の教育のなかに放り込んでいいものかということです。

中国で教育を受け、大学まで進むとなると、子ども自身の負担が非常に大きくなります。それなりの仕事につき、幸せに暮らすためのルートが大学受験の成功以外に乏しい中国の教育環境で、自分の子どもを戦わせたくないという気持ちが正直にいってあります。

かといって、インターナショナルスクールに通わせたりするようなお金を捻出できるような見通しもまったくありません(少し前にとあるインターの授業料をネットで調べて、すぐにブラウザをそっと閉じました)。中国に居続けるなら、子どもに受けさせるのは中国式の公教育ということになりそうです。だったら、日本や他の国の方がいいんじゃないのかな……と考えています。

ちなみに「日本は衰退するっぽいし、子育てが不安」という人も増えているようですが、日本の教育とか生活環境にもいいところはあると思います。

学校教育のカリキュラムや生活それ自体の窮屈さはともかく、低コストでそれなりの質の教育が受けられて、また学校外でもある程度のびのびと暮らせる日本は、決して子育てに向いてない国ではないんじゃないか、と個人的には見えています。

Twitterで交流させていただいている方に、中国である程度子育てをしてから日本に帰国された方がいるのですが、最初は日本で子育てするのって窮屈で大変そう……とビクビクしていたのが、いざ日本に帰ってくると安全だし、子育てのための制度的な環境も完璧ではないけど充実しているし、人々は意外にも子どもに優しいしで、拍子抜けしたといいます。

まあ確かに、今後インフラを維持できないほどに経済的な衰退が極まれば、そういった環境を保つことも難しくなるのかもしれないですが……日本に住んで安全・安心を確保しながら、たとえば外貨を稼げるような仕事をして、子どもには他の国の教育を受けさせたりするとかも一つの手じゃないのかな? と思います。

このへんは野本響子さんの本を読み直して勉強することにします。

②物価上昇が心配

いまのところ、中国では物価がえげつない勢いで上がっています。正確な数字は分かりませんが、体感では1〜2年でモノの値段が1.5倍くらいになっているような感じです。

その分収入も増えていけばいいのですが、これまでの高度成長期はともかく、中国でも自動的に給料が上がっていくような時代は終わりを迎えています。またコロナや少子化も手伝って、経済的には停滞していくことはある程度既定路線です。

そんな中で自分が収入を上げ続けるほどのモーレツな努力ができるのか、努力したとして果たしてそれは身を結ぶのか……と考えると、さすがに不安になります。

まあこれはどこの国に行っても一緒かもしれませんが、ともかく生活の拠点をもっと物価の安いところに移すのもいいんじゃないか、と考えることもあります。

③諸々の政治的リスクが心配

中国は本当に何が起こるかわからない国です。他の国では考えられないようなことが平然と起きます。その中には、国民に多大な不自由を強いるものもあります。

そして、コロナを経ていまの政治体制の「メリット」(かっこつき)が示され、「正当性」(かっこつき)が担保されてしまった状況では、いまのような締め付け路線がしばらくは続くことになるでしょう。

その中で外国人としての自分がどれだけ戦っていけるか、自分はいいとしてもその環境で安心して子どもを育てられるのか、できたしてもそこにあるのは中国に過剰に適応した自分や子ども姿なのではないか——などと考えると、やはり中国にいることのリスクが大きなものに見えてきます。

このへんは中国にいる限りつきまとうことなので、ずっと考え続けていくことになると思います。

中国にいたい理由

続いて、中国にいたほうがいいかも? という理由を述べていきます。

ここから先は

1,473字
この記事のみ ¥ 300

いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。