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中国の若者はなぜ焦り、悩むのか

こんな動画が流れてきました。

中国の景気減速(GDP成長率が目標未達)を伝えた上で、「今の中国の状況を象徴するかのような場所」として、「青年養老院」(青年老人ホーム)という施設を紹介しています。

ここは民宿で、定年後の生活の擬似体験としてゆったりと過ごすことをコンセプトとしているようです。動画では、ここに「疲弊する若者」が集まっていると紹介していました。

仕事を辞めてここに来たという男性へのインタビュー(動画5:00より)
自分も北京で苦労したので、ここに集う若者の気持ちがわかるという創設者の男性(動画5:54より)

施設は北京からほど近い場所にあり、都市での生活に疲れた若者が疲れを癒しに集まっている、ということのようです。

こうした場所に集う若者の動機を、動画では不景気やそれにともなう社会不安であるとして説明しています。

話を聞くと見えてくるのは、中国の若者が直面している社会状況です。景気減速で就職は厳しく、5月の16~24歳の失業率は14.2%となっています。
職を得られたとしても安泰ではありません。不合理な内部競争で疲弊した状態を示す『内巻』という流行語も生まれました。

上掲動画・概要欄より

個人的には、こうした説明にちょっと違和感があります。たしかに経済的な不安や忙しすぎる生活は、若者の精神を疲弊させるひとつの要因にはなっているのだと思いますが、それだけでは説明できないものがあるように思っています。

その証拠……になるかどうかはわかりませんが、動画に登場する人々はそこまで経済的に切羽詰まっているようにも見えず、どちらかというと(「育ち」という意味でも、また実際的な意味でも)「肌ツヤ」の良さそうな人種に見えます。

ここに出てくる人々が今日の暮らしや、向こう半年や1年の生活に対する不安を抱えているようにはあまり見えず、そこまでの悲壮感は感じられません。

施設でヨガに興じる女性。僕にはけっこう余裕がありそうに見えます(動画6:10より)

それでも中国の若者たちが主観的に不安や焦りを抱え、こうした施設に集うのはなぜなのか。個人的に知る中国の人々の言葉や様子から、書いてみたいと思います。

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個人的には、若者たちが焦りを感じる理由は「『まっとうな人生』を送ること以外の価値観の欠如」だと思っています。

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