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中国で手続きをするときの心得5ヶ条

とある事情からある行政手続きに行く必要があって、いつものようにたらい回しと、ハエを追い払うかのような塩対応の数々にクソほど消耗してきました。ある意味、中国にいるにあたっての恒例行事です。

中国の「お役所仕事」がいかにアレなのかについては、これまで幾度となくnoteを書いてきました。

しかし、こう毎回文句を言い続けたり、ひたすら消耗し続けるのもあまり生産的ではありません。つらいのが予想できるのなら、対策を立てるなりマインドを変えるなり、消耗しないための工夫をしていけばいいのです。

というわけで今日のnoteでは、中国で何か手続きをしたりするにあたっての心得のようなものを整理してみたいと思います。中国において、必要資料をもって役所に出向き、証明書類をもらってくるような手続きをスムーズに行うために必要なことを、五ヶ条にまとめました。参考にしていただければ。

想定しているのはビザや居留証関係などの行政手続きですが、そのほか会社関係で地方政府とやりとりをしなければならない場合や、行政以外にも銀行などで何かしらの証明を出してもらうなどの手続き全般に応用できると思うので、ぜひご活用ください。

①事前の情報収集は役に立たないと思え

さて、何らかの手続きの必要が発生したとしましょう。

そこで多くの人はその申請のためにどんな資料や準備が必要か、下調べをするのではないでしょうか。ネットで調べたり、場合によっては当該の場所に電話で聞いたりすると思います。そして、資料をきっちり揃えたうえで、担当の窓口に向かうなりするでしょう。

中国においてこのような事前準備は、まったく無意味とは言いませんが、ほとんど役に立たないと思っておいた方がいいでしょう。おそらくは窓口で「アレとコレとコレが足りない」とか言われます。そこで「いや〇〇にはそんなこと言ってなかったんだけど」とか、「電話の人がこう言ってたんだけど」とか言っても、不毛でしかありません。

中国においては、「こういうルールがあるから」「こう書いてあったから」というスジ的な考え方や、ルールに沿って順序立てて誰でも同じように……というような「べき論」のようなものに、ほとんど意味はありません。では大事なのは何かというと、「目の前にいる「人」そのものとのやりとり」です。全体としてのルールよりも、その場にいる人どうしの関係性で物事が決まるようなところが、中国にはあります。

「この資料が必要」みたいなことも、その人、あるいはその人が属する場所(その窓口がある役所など)の都合によって決まってしまいます。スジ論に慣れきった日本人からすればまことに理不尽に見えるのですが、もうこの違いをどうこう言っても始まりません。まずは受け入れる必要があります。

そんなわけで、ちょっと準備したものを突っ返されたり、出直しが必要になってもそこでキレたり無駄にゴネたりしないようにしましょう。「全体としてのルールよりも、その場にいる人どうしの関係性で物事が決ま」ることを思い出してください。その窓口にいる人自身に、あなたが問題のある人物だと判断されてしまえば、それから先の手続きにも影響が出かねません。

「まあ、一回じゃ無理だよな」「そんなもんだよな」「事前準備は役に立たないって華村が書いてたな」くらいに思って、素直に引き下がって言われた通りのものを用意しましょう。

②相手が話を聞いていない場合があるぞ

さっき「ゴネてはいけない」と書いたばかりですが、実はゴネというか、強硬に相手に話を聞かせなければいけないような状況も実は存在しています。

それは、「相手が根本からこちらの話を聞いていない、もしくは誤解している」場合です。

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