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中国のアイスと朝ごはんで感じる、モノの値段の不思議

先日の朝、ジョギングがてら街を散歩をしていた時のことです。

ひととおり走り終わり、クールダウン的にぶらぶらしていました。喉が渇いたので水でも買おうかと入ったコンビニで、アイスの入った冷凍庫が目に入りました。

いちおうダイエット中だし、内心では少し葛藤しましたが、まあしばらく食べてないしたまにはいいだろうと思い、冷凍庫を開けました。ちなみに葛藤した時間は3秒くらいです。だからダイエットが必要になるんでしょうね。

それはさておき、冷凍庫からアイスを物色して、初めて見るアイスを手に取りました。イチゴ味でコーンのついた、それほど大きくないものです。

購入後に撮影。なぜか書いてある日本語がチャームポイントです

特に値段を見なかったのですが、まあ5元(≒100円)くらいだろうと思い、レジに持って行きました。

角刈りで黒いTシャツを着たレジの兄ちゃんが、スマホから目も離さずにアイスをバーコードリーダーで「ピッ」とやると、レジの筐体の画面に「9.5元」(≒190円)と表示されました。

「えっ、そんなにするの」と思いましたが、なんとなく後には引けなくなってしまい、結局そのまま精算しました。店を出てアイスを食べながら、「おいしいけど、9.5元かあ……」と、久しぶりのアイスなのになんとなく損したような気分になりました。

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僕が中国に来たばかりのとき(せいぜい7、8年前ですが)、アイスってもっと安かったはずなんですね。

コンビニで売っているアイスは高くても5元。なかには2元とか、下手をすれば0.5元なんてのもありました(0.5元のやつは水道水で作ってるとかいう噂が流れてました)。いろんなメーカーのものが雑多に売られていて、中には変な日本語の書かれた味のあるものもあったので、怪しい日本語ハンターの僕はよく物色していました。

そんな中国のアイスなんですが、近年は値段がどんどん上がっています。

もともと中国の人は体の冷え、とりわけお腹の冷えを嫌うこともあって、そもそもアイスという食べ物自体があまりメジャーではないというか、あまり進んで食べるものではないという認識だったように思います。昔、僕が0.5元のやっすいアイスを物色していた時は、中国人からよく変人扱いされたものです。

しかし中国でも消費が多様化し、アイスを食べる人が増えてきました。いわく、ここ数年だけを見てもアイスの市場は急拡大しているそうです。

そしてこの記事にもありますが、市場の拡大にともなってアイスの値段は急上昇しているようです。レートがあるので単純比較はできませんが、金額だけ見れば日本ともほとんど変わりません。

一方、アイスクリームの価格は大幅に上昇している。1~2元(約20~40円)の商品は少なくなり、10元(約201円)以上が標準になっている。価格がますます高くなる傾向には消費者から懸念の声も出ている。

上掲記事より

あまり専門的なことは分かりませんが、単純に需要が増えたことや、消費者の要求が上がったことで付加価値の高い商品が出るようになったことが価格上昇の原因でしょうか。ともあれ、僕が昔の感覚で「まあ5元くらいだろ」と思ってレジに持って行くと意外と高かったというのは、わりと妥当な感覚のようです。

ちなみにこの「レジにアイスを持って行くと意外と高かった」というのは中国人の間でもある種の「あるある」になっているようで、「雪糕刺客xuě gāo cì kè」なんて流行語までできているそうです。「刺客」はまんま日本語と同じ意味で、あるとき不意に刺されるような感覚を指しているのでしょう。

と、中国ではアイスが高くなっているという話をしてきたのですが、いっぽうでこのアイスを買ったあくる日に、別の意味でモノの値段って不思議だなと思う体験をしたので、ここからはその話をします。

というのも、次の日もまた朝に散歩に出掛けて、その日は帰りに朝ごはんを買ったんですが、その時の会計も例のアイスとまったく同じ、9.5元(≒190円)だったんですね。

では、僕はどんな朝ごはんを買ったでしょうか?

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