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ゴジラシアター!「三大怪獣 地球最大の決戦」感想

先日ウルトラマンの線引きを行なってから早一ヵ月。未だに引きずっているのかずーっと無気力でうつ病も悪化、遂には心療内科に通い副作用がしんどい薬物治療をする羽目になってしまった。

元々空っぽの人間とはいえ情けないものだなと笑えてしまう。


ゴジラシアターの第四弾は1964年に公開された三大怪獣 地球最大の決戦が上映開始。

タイトルにゴジラと題されていないが歴としたゴジラ映画。これまで通り自分がおすすめしたラインナップなので何度も観賞済み、昭和ゴジラでも一番好きな作品かもしれない。

やはり映画館で観れる機会は滅多にないから…と足を運ぶがうつ病が悪化してるのに加えて劇場が縮小化され楽しみが薄れてしまっている。
肝心の大スクリーンも堪能できず正直ほぼ義務化されてしまった。せっかくの復刻上映なのにあんまりな待遇だなと思う。

狭すぎる…
広いスクリーンの上映回もあるがレイトショーのみ。観せる気があるんだかないんだか。

三大怪獣 地球最大の決戦感想

そもそも三大怪獣とは?

おすすめゴジラでも記載したがゴジラ・モスラ・ラドンの3体は当時東宝を代表する三大怪獣だった。今でこそ怪獣王ゴジラ!ゴジラ映画に登場するモスラとラドン!という印象だが元々は主演の単体作品が存在したゴジラと同格の怪獣。

ゴジラと互角に戦うラドンなどまだ優劣がないのもこの作品の好きなところ。


キングギドラ初登場!

ゴジラを詳しくない人ですら知っているであろう有名なキングギドラの初登場
金星を滅ぼした凶悪な宇宙怪獣が地球に襲来、それを地球怪獣の3体が迎え撃つ単純でありながらワクワクする展開。

すっかり見慣れてしまったが首が三本で翼だけのかなり攻めているデザイン。改めて観るとちゃんと生きているように見える操演なのがすごい。
爆炎がギドラへ移り変わる誕生の瞬間も未だ色褪せず。いつ観てもかっこいいしよく具現化できたなと発想力に敬服する。


金星人現わる

自称金星人の予言通り次々と怪獣が現出するのでテンポが良く人間パートが逸脱していないのも今作の良いところ。ギドラの警告を根底にモスラ、ラドン、ゴジラと常に怪獣と関連して話が展開していく。

三大怪獣が集結するのもあり出演者も見覚えある顔ぶれ、芹沢博士に山根教授にタケナカ参謀、死神博士にハヤタ隊員。ウルトラQやゴジラシリーズお馴染みの田島さん。
金星人を演じた王女こと若林さんも金星人の印象が強かったのでキングコング対ゴジラでの出演に気づいた時は驚いた。

個人的に大好きな大村千吉さんも相変わらず強烈。


「ラドンもそうだそうだと言っています」

気づけばネットミームになっていた字幕の元ネタが今作。それまで人類の脅威だった怪獣達が擬人化されコミカルになったのも特徴、ただ怪獣同士が戦うだけでなく表現豊かでキッズの頃はそれが面白くて大好きだった。

かつてのゴジラとアンギラスのような生物としての命のやり取り程過激ではなく小競り合いの喧嘩のようなゴジラとラドン。2体を戒める委員長ポジのモスラ。愛らしい怪獣の行動はゴジラシリーズを一切知らない非オタクの人ですら楽しめると思う。

どうしてもお気持ち表明してしまうのがゴマすりクソバードと揶揄されるようになってしまったラドン。
当然ながらあれはモンスターバースのKoMの王のシステム上のことであり、オリジナルのラドンは一切そんなことはない。
今作を観てもらえばわかるがあのゴジラにちょっかいを掛けたり体格差があるギドラに体当たりをかましたりとむしろ漢気溢れる果敢な怪獣。

ラドンもそうだそうだとゴマすりの2つもネットミームを課せられネタキャラみたいな偏見止まりなのは非常によろしくない…

頭が悪い悟空だとか、限りなく等身大に近くしっかり熱い展開もあるのにギャグ要素しか語られないカーレンジャーのように偏った知識に蝕まれることなく周知されることを切に願う

初代ゴジラから僅か10年、今作をきっかけにゴジラが味方のような扱いになっていくのも興味深い。


四大怪獣大暴れ!

そんな三大怪獣とギドラの戦いが画面いっぱいに繰り広げられるのが堪らなく大好き。
ゴジラが尻尾を使ってモスラを牽引したり、ラドンがモスラを乗せて飛ぶのは画面内に複数体を収めようとした工夫らしいが上手く共闘する絵に成り立ってる。

四大怪獣が一つの画面に初めて収まった瞬間が一番大好きで、今回の復刻上映でつい涙ぐんでしまった。
それと4Kデジタルリマスターの恩恵でギドラとラドンのピアノ線が見えたのは収穫だった。やはりピアノ線が見えるとテンションが上がる。


もうちょっと深掘り

熱線ではなく…?

今作のゴジラは従来の放射熱線ではなく白熱光
光線の撃ち合いによるストーリーの単純化や合成の負担を避けるために投石を多くしたそうな。

今は分からないが自分がキッズの頃は前作:モスラ対ゴジラにてモスラ成虫の毒鱗粉で弱体化した結果放射熱線が吐けず白熱光になった、と認識していた

白熱光自体は初代ゴジラにゴジラの逆襲といった白黒時代と同じもの。


幻のギドラ

すっかり周知されてきたが元々キングギドラの体色は見慣れた金一色ではなく青を基調とした3色カラーだった。

完成した着ぐるみを見た女性スタッフが「金星の怪獣だから金色だと思った」という発言を気に入った円谷監督が急遽金色に再塗装、今のキングギドラになったのは有名な話。

ここ数年で幻のNGカラーの商品化が増え受注生産のソフビ、更には一般の人でも入手できるゲームセンターのプライズ景品にもなった。


音楽について

モスラと言えば「モスラーヤ、モスラー」のモスラの歌が大々的に周知されているが、三大怪獣を何度も見返したこともあり今作だけの幸せを呼ぼうのほうが妙に印象に残っている。長めの曲だからだろうか?

…と思ったのだが平成のモスラ3にもアレンジがあるらしい。モスラ3は1、2回しか観たことがないので完全にど忘れ…また平成モスラを見返したい

ゴジラVSモスラでアレンジされた聖なる泉もさらっと流れて気づけたのが嬉しかった。


そして今作のBGM
ギドラの如何にも憎たらしい奴が襲来してきたぞ!と言わんばかりのキングギドラのテーマは勿論、ゴジラとラドンのテーマが混ざったBGMが狂おしいほど大好き。


その他

他に好きなところをざっくり。

・テレビの番組を切り替えようと兄さんにのしかかる場面。自然体な感じが好き
・「勘定払わないぞ!」と聞いて店員さんが狼狽える場面
・盛大にコケるゴジラ
・「私は日本の警察、そしてあなたのボディガード」とかっこいい台詞の後に狙撃されるギャップ


気になった点

展開上仕方ないのだが予言ばかりで核心・素性を渋って話さない金星人。
航空機の爆破からの生還がラピュタのようなふんわり降下だと思い込んでいたので、仮説ではあるが次元の裂け目云々に舵を切るとは思わなかった。

幸せを呼ぼうがちょっと長く感じる。キングシーサーとどっこいどっこい?

セルジナのずっこけエージェント達。


総括

キッズの頃から一番好きだった印象はやはり変わらず、三十を迎えた今観ても退屈なシーンが無く怪獣達が生き生きして見応えある作品だった。
ゴジラのお祭り映画といえば怪獣総進撃かファイナルウォーズだろうが今作のほうがとっつきやすくも思えた。

初代ゴジラにシン・ゴジラ、マイナスワンと原点の系譜にあるゴジラを観た人にまた違ったゴジラとして今作を勧めたいし、特撮描写や技術力は洗礼されているが割と突っ込みどころがあるVSシリーズよりも実は観やすいのでは、とも。

特に怪獣の擬人化は今作ならでは。
恐らく俳優さん目当てだと思われるご高齢の叔母様方の笑い声も聞こえたり、世代問わず幅広く楽しめるはず。

冒頭でゴジラシアターですら義務感…と嘆いていたがいざ観始めたらやはり面白かったしあっという間。観客の反応も楽しめたり今作を映画館で観れたのは義務感以上に充実した。


今後のゴジラシアター

当初予定していたゴジラシアターは計5作。
最初に初代ゴジラが、次いで第二弾から第四弾の3作が発表され、最後の11月は未発表のままだった。

それがようやく発表されたのだが

全5作言うてたやん…


初代ゴジラは観た上に、シン・ゴジラとマイナスワンのモノクロ自体は興味はあったがわざわざゴジラシアターで鑑賞するのは解釈違い…

おまけに11月中にテレビでもマイナスワンのモノクロが放送される。
余計上映する必要性が分からない…

座席数を縮小したりゴジラに託けて5ヶ所だけ!と宣伝しておきながら最終月だけ拡大したりと滅茶苦茶。
復刻上映の企画自体は良かったのに企画担当の采配とここまで合致しないことがあるんだなと唖然とする。

来月のゴジラシアターは行かず今回の三大怪獣で鑑賞を終えるつもりだ。



ゴジラシアターの入場者特典で貰えるステッカー。三大怪獣は4体がちゃんと収まっておりギドラの巨体が輝かしくお気に入り。

上映時間や座席数を絞られたこともありそのつもりはなかったが全て公開初日に観てきた。
盤石なラインナップだったし、毎月日比谷に行っては国内外問わずゴジラ像を撮影する人を観測できたのも嬉しかった。


そういえば池袋で一夜限りのVSシリーズのリクエスト上映をするらしい。

運悪くシフトと被っていたので観に行けないがVSメカゴジラに投票した。
冒頭のオープニングのあの重低音を映画館で浴びたい…と昔からTwitterXで嘆いている。

今後死ぬまでにまた復刻上映を観れる機会がくるだろうか…

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