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隣り合わせの廃と青春28 死闘、ケンラウヘル

前述の通り、私は、どうしても華神をアデン城の最初の血盟主にしたかった。
何があってもだ。

だから、初めての攻城戦の時は、持てる人脈をフル活用し、築いた財産を惜しみなく注ぎ込んだ。
回復アイテムを揃え、たくさんのメンバーに協力してもらう約束を取り付け、最高の布陣を敷いた。
努力の甲斐があったのか、華神のカリスマからかは定かではないが、真に高レベル且つスキルのあるプレイヤー達が集まってくれた。
掛け値なしで、この戦いの時には、アデン地下世界はカノープスワールド最大の勢力になっていた筈だ。

さて、リネージュにおける普通の攻城戦は、基本的にはプレイヤーVSプレイヤーで行われる。
だが、アデン城の攻城戦だけはその基本が通用しない。
そう、反王ケンラウヘルからアデン城を取り返した血盟が城主となるのだ。
ストーリーの再現である。熱い。

そして勿論、ケンラウヘルを倒すまでの間に、プレイヤーとプレイヤーが戦うことも出来る。
要は、たくさんの勢力がケンラウヘルを巡って乱闘を繰り広げる、といった趣となるわけだ。

当時の様子を窺い知れるスクリーンショットを友人から貰ったので、見てみてほしい。

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死屍累々である。
そしてたくさんのプレイヤーがいることにも驚かされる。これぞMMORPGの醍醐味だろう。

さて、ケンラウヘル(とケレニス)は、当時の基準からするとACが異様に高く設定されており、攻撃を当てられるのは高レベルのキャラクター、すなわち廃人のみだった。
必然、廃人達がBOXを仕掛ける必要があるのだが…
以下の条件が積み重なり、討伐は困難を極めた。

・ケレニスのブリザード強すぎ問題
 →画面全体のプレイヤーに大ダメージを与えてくる。ぶっちゃけケンラウヘルより強い。後衛も容赦なく殺されるので、仮にBOXが完成しても、ヒール魔法を安定して掛けることすらままならない。

・というかボスが2匹いる問題
 →ケレニスだけでお腹いっぱいなのに、本丸ケンラウヘルもやっぱり同時に攻撃してくる。いかに廃人とて、ボスの2タゲは背負えない。

・人多過ぎ問題
 →人が多すぎて処理が重くなり、困難を極める討伐がさらに厳しくなる。

・邪魔者多すぎ問題
 →現場にいるプレイヤーの中には、ただただこちらの邪魔をしたいだけ(「キャンセレーション」魔法などで嫌がらせをする等)の人達もいた。良い迷惑だが、ロールプレイの範疇なので仕方ない。

これだけの悪条件が重なったものだから、私や血盟員は何度も何度も死に、血と汗と涙の結晶(経験値)を失った。
しかしそれでも、AUGの精鋭達はなんとかケンラウヘルに喰らい付き、ついにその討伐に成功したのだった。

ついにAUGがカノープスワールドの覇権を取った!
これで華神は名実ともに、アデンの王となったのだ!

…そう思っていたのだが。

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