隣り合わせの廃と青春22 「Phoenix Paranoia」血盟とその後

「旗チート」の効果は絶大で、私は次のエピソードの実装を待たずに、夢のレベル52を達成した。
憧れのデスナイト変身は、果たして、予想を遥かに超える強さを私にもたらした。

どれくらいのインパクトがあったか。
単純に言えば、移動速度に優れるバフォメット変身でチートまでして旗を踏みまくるよりも、火竜の棲処で特定箇所を回り続ける方が、経験値/ドロップの双方で儲けが良くなるのだ。
超サイヤ人になるくらい、明確に強さの次元が違う。

・攻撃速度が劇的に早くなり、いつもより短時間で、より多くの敵が倒せるようになる。
・当然被ダメージも減少するため、戦闘に使う回復アイテムの消耗も少なくなる。
・しかもレベルが上がることにより、ダメージが向上し(レベル50ボーナスなど)、上記二点がますます加速する。
 →1回の狩りの滞在時間や効率が劇的に向上し、これまでは効率の悪かった場所ですら高効率の狩場に変貌するのである。

…というわけで、私はもはや別次元の狩り効率と強さを手に入れたというわけだ。
他のプレイヤーがレベル50にすらなっていなかった時期に、レベル52になった修哉のアドバンテージがいかほどだったか伺い知れるというものだ。

さて、この頃になると、いまいち記憶が曖昧なのが申し訳ないのだが、鬼導血盟は解散していた気がする。
代わりに、その後継となる「Phoenix Paranoia」血盟が立ち上がった。
鬼導血盟の後続血盟とも言える同血盟だが、生え抜きメンバーが引き継がれたこともあり、私はそこの中核メンバーとなっていた。

この血盟は、名が体を表す通り、フェニックスを狂信的に狩る血盟である。
フェニックスとは隠語のようなもので、平たく言えば、強化ボスを独占するための血盟だった。
前述のアシッド氏の名言、「私たちのことは知っていますよね?今後一切バフォには関わらないでいただきたい」を更に突き詰めたような形である。
あの時代の中で、少なくともフィールドでのPVPにおいてはダントツでワールド1だったはず。
(戦争はまた別の話である。数の暴力という言葉を使ったと思うが、組織作りが重要だった)

で、私はといえば、自分の狩り効率を高めるために、火竜の棲処の縄張り(効率よく周回できる箇所)に入ってきたプレイヤーは、PKを仕掛けて排除していた記憶がある。
というか、そもそもあまりプレイヤーが狩場をぶつけようとしてこなかった。
もはや、よく言ってヤクザ、悪く言えば関わってはいけない○チガイである。

特にバフォメットは徹底的で、Phoenix Paranoia血盟以外がいたらPKを仕掛けて排除、完全独占に近い形で狩っていた記憶がある。
フェニックスも沸いたらなんとか血盟で倒そうと拉致ったりするのは当たり前だった。
(なお、強化されたフェニックスは非常に強力なボスで、廃人が集まってもかなり苦戦するくらいに強化されていた。そして当然ドロップも良い。)

ちなみに、この頃になると、2chによく晒されるようになっていた。そりゃそうである。
勿論、この時代にいい意味で2chに晒されることは(当時では)ほとんどなかった。
鬼導やPhoenix Paranoia血盟は有る事無い事メチャクチャなことを書かれていた記憶がある。
今となっては匿名掲示板に何を書かれても別に特に気にすることはないのだが、あの当時はなんなら私の顔も見たことないかもしれない人に、あれだけ悪口を書かれるという経験が初めてだったので、結構驚いたものだ。

さて、私はこのPhoenix Paranoiaで結構好き放題やっていた(といっても、メンツが濃すぎて、私は穏健派の部類だったと思う)のだが、この血盟も解散することになる。
理由はよく覚えていない。ここら辺の記憶はいまいち残っていないので、当時を知る有識者がもしいたら、コメント欄などに書き込んでくれるととても嬉しい。是非私の記憶を補完できればと思っている。

さて、何度も血盟をなくす経験を経て私が何を考えたか。
答えは単純だ。
そう、自分にとって居心地の良い血盟を作れば良いのだ。

私は親友Yと相談し、血盟を創設することになる。
この血盟の名前は、知る人ぞ知る「アデン地下世界」
カノープスワールドのこれからの流れに大きな楔を打ち込み、その後の時代の流れを作るものであった。

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