未発表の小説「無明」からの一部抜粋
私が書いた未発表の小説「無明」からの一部抜粋です。
又、これは私自身の考察でもあります。
「……近代人から現代に至るまでの個人の陥った悲劇は思考の不徹底にある。所謂悟性的思考の限界が即個人の限界であるとは単に心情にのみに関る問題にすぎない。悟性的思考による観念は自己を保持する為の精神衛生上としての一種のニヒリストを造り出し、自らそれを演じる。
つまり、相対主義という衣装を身に纏う事によって他者や自らにも距離を置き、壊れやすい繊細な神経を防御する。さらに言えば、この自己欺瞞