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アラフィフから日本語を習い始めたパオロさん

パオロさんが日本語の勉強を始めたとき、50オーバーだったと思います。正確な年齢は聞いたことがないので知りませんが、間違いなくアラフィフでした。

日本のアニメは、イタリアの60〜70年代生まれの中にも根強いファンを持っており、このパオロさんもアニメきっかけから日本への興味を広げていきました。

ツアー旅行で初めて日本へ行き、どハマり。

「来年の夏休みもまた絶対に来るぞ!」
       ↓
「英語は通じないから、日本語を覚えなければ!」

という経緯でもって、私のところのグループレッスンに申し込みに来ました。


「孤独のグルメ」の店を一人で訪れるまでに

2年目からは個人レッスンに切り替え、4年間続けました。計5年。

その5年間、毎年8月に日本を訪れ、私も一時帰国している時期なので、会って食事に行くのが恒例になりました。

日本語能力試験の初歩レベルN5(N1からN5までの5段階)にも合格。

「今年は九州、来年は東北」といった風に毎年1人で日本を周遊するのですが、それにはほとんど困らない語学力を身につけました。

このパオロさんは、語学習得に年齢は関係ない、ということを証明してくれる人でした。

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「語学習得に年齢は関係ない」、、、とは言えやはり条件がありそうです。

このパオロさんを見てわかるその条件とは、❶高いモチベーション、そして身も蓋もない当たり前のことですが、❷継続してちゃんと勉強する、です。

パオロさんの第一のモチベーションはアニメ。コレクター向けのグッズは、やはり日本でしか手に入らないものも多く、毎年スーツケースがいっぱいになるほど買い込んで帰ります。

日本語で基本的なコミュニケーションができるようになると、さいたまアリーナで行われるアニソンのライブにも一人で乗り込んだりしていました。

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第二のモチベーションは食。もともと食べることが好きで、毎年攻略するエリアを変えて旅行しているうちに、その地域で食べる名産品にハマっていきました。

そして、ワインは「ほとんど飲まない」のに日本酒が大好きです。

さらに食への関心にブーストをかけたのがドラマ「孤独のグルメ」。

一般的なドラマのストーリーを理解するのは日本語上級者でも難しいですが、「孤独のグルメ」はストーリーはないようなものなので、かなり楽しめるようです。

そしてこのパオロさんの圧巻エピソードが、正確な場所は忘れましたが、東北の交通不便なところにある飲食店に一人でトライしたこと。

同ドラマで放映された店で、どうしても行きたくなったそうです。

分かりづらい辺鄙な場所にあるらしく、何度も聞いてようやく店にたどり着くと、客はだれもおらず、どうやら店閉めの時間帯。

が、あきらめず、店主に「孤独のグルメ」を見てやって来たと事情を話し(もちろん日本語で!)、特別に食事をさせてもらったそうです。


週1のレッスンを休むことがなかった

このモチベーションがあるからこそ、ではあるのですが、レッスンに対してもとても真面目でした。

クリスマスと夏休みを除き毎週1回1時間のレッスンですが、欠席したことがおそらく一度もなかったと思います。遅刻も皆無。

そして、毎週かならず「勉強している形跡」がありました。

教える側にとって、前回の内容を自分で復習しているどうかは分かるもので、パオロさんの場合、これがほとんど必ずされていました。

もちろん1年を通して見れば、それがされていないときもありますが、それでも少なくとも宿題だけはこなしていました。

このように、低調なときでも最低限のこと(この場合、週1のレッスンに来ること、宿題をすること)はこなして続ける。これが継続性ということなのだと思います。

5年連続で日本を訪れていたパオロさんですが、2020、2021年はコロナで行くことができませんでした。

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