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詩集「空を泳いで、地を飛んで」

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箸休めに詩はいかがですか。
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ぱち ぱち ぱち

ぱち ぱち ぱち

ぱち ぱち ぱち
ふわっと上がって はじけてきえる

ぱち ぱち ぱち
こどもが手を叩く

ぱち ぱち ぱち
眼を閉じて開けてみれば

ぱち ぱち ぱち
そこに だれが 

還る

還る

僕が死んだら 海に撒いてください
そうしたら僕は人魚になって海に還るから

僕が死んだら 風に撒いてください
そしたら僕はドラゴンになって空に還るから

どうぞ心配しないで
あなたが僕を悼む間に
僕は次の生を謳歌してるから

あなたはあなたの生を
あなたはあなたの未来を
ただ謳歌してくれればいい

それを僕は 海から 空から
眺めて 笑っていよう

爪

爪を、ぬる
お母さん指、お兄さん指、お姉さん指、赤ちゃん指、そしてお父さん指

虹色に輝くそれは人魚の尾鰭
歌が聞こえるような気がして
天に手をかざす

21日間の人魚
次は誰になろう

そしてまた、爪を、ぬる

魚

空を泳いだ魚は 海を恨めしそうに眺めていて
海を泳いだ魚は 空を懐かしそうに眺めていたって

いつだってそうだ いつだってそうだ

あの魚は海が恋しいと言い
あの魚は空が眩しいと言い

飛び込むことはなく
空を、海を、泳ぐんだ
変わらない世界を泳ぐんだ

何も変えられないまま

泳いでいく 泳いでいく