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「何の為を思って」ものを作るのか

こんにちは。前回までの記事は昨年初めて開いた展示即売会を振り返って書きました。この記事はその催事で感じたブランドを作っていくことの複雑さについて遡りつつ、書いている今現在の考えを含めて書きます。

展示会が終わり、後日来場してくれた友人や関係者の方に色々と相談しました。勢いで活動表明はしたけど、これをどう続けていけばいいのかよく分かっていないのです。どうしていけば続けることができるのか

当初は好き勝手作った服を披露することが目的でしたので、半分遊びのようなもの。催事の最中は「なんだか自分のクローゼットの中を見せているみたいだ」と思っていました。私的な好みを全面に出した一方、「ある概念を基軸に作っている」という信念がありませんでした。

多くの人に相談したことで気づいたことがあります。

僕はいろんな文化から派生したものが好きで、好きなものを全て合体させることもできますが、それは自分だけでなく誰もがそういう感覚を持っているという事です。人それぞれ色んな生活の中で見つけて手に入れてきたものを所有しています。もし作ったものを購入して頂いたら、その人の所有物になった時点で物自体は僕が全く知らない生活感で消費されることになります。

人が既に所有しているものの多様性を想像して、その中に混ぜて馴染むもの。それはわざわざ1つに沢山の要素が入っている必要はなくて、簡潔で良いと考えました。

それって要はシンプルってことですかと。シンプルなものって世の中に大量にあるじゃないですかと。はい、あります。

当然商売ですから作るからには、売れないと続けることができません。売れるには価値が無いといけません。価値は既に世にある商品とは違う質感でなければそもそも作る必要がありません。

このブランド活動には課題があります。世の中に大量にあるシンプルなものとは違う理念でシンプルを作りたい。なんか違うんだよな〜という微妙な違いに応えたい。

僕は物の中で特に服が好きです。それはそれとして、服はそんなに生活していく上で必要ないとも感じています。別に沢山無くたって生きていけるはずです。持っている服が綺麗なうちに新しい服を買っては持っていた服を着なくなるなんて状態はとても贅沢です。

いま明確に言えることは僕が今後作っていく服は全て贅沢品だということ。生活上必要ではない、買わなくても生きていけるものばかり作っていきます。

抽象的ですが、「世の中色々あるけど何かしっくりくるものがないな」と思っている欲張りな人のためにパズルのピースがはまるようなものを提供していきたい。パズルは美意識です。
美意識は「かけがえのない無駄」だと誰かが言っていました。いい言葉だな、、と思ったりします。僕は人のパズルを尊重したい。

まだ活動は始めたばかりですから、作っている最中の揺れている感情もnoteには表れてしまいます。この課題に向き合っていく時点からシェアしたっていいじゃないかという気持ちです。

JUNJIという自分の名で始めたその次の展示会からは名前を変えました。〈METHO〉はMETHOD(方法)からDを除いた造語です。

よく書店に並ぶベストセラーの実用書などには都合の良いキャッチコピーが付いていたりしますよね、読んだら役に立つ方法や内容が書いてあるよ!って感じで。僕はそれを見て読んだりすると、よく無責任に言い切れるもんだなーと感じることがあります。真実は全て曖昧で虚構、言い切れる事なんて何もないんじゃないか。という気持ちから、最後のDを除いています。
あと個人的に濁点があると強そうな印象があるので取りたかった、というのも理由です。

僕の服作りを通して答えのない方法を模索する様を楽しんでいただけたら何よりですし、この人は何考えてこんな服を作っているんだろうという方に伝われば、十分です。僕はまだ世にないピースを創作する無駄を楽しみます。

次は今作っているカットソーについて書きます。100%宣伝です。何卒。

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