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#週一文庫

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毎週1冊の文庫もしくは新書を読み、その本の中でじぶんが一番おもしろいと思ったところを引用しながら、「なぜおもしろいと思ったのか?」を踏み込んで解説。 いわゆる書評ともちょっと違う…
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2019年6月の記事一覧

痛快! コンピュータ学 (集英社文庫)坂村 健

この本は「コンピュータって一体何をしているの?」「誰が開発してどんな風に育ててきたの?」「えっ、コンピュータが広まった背景にはそんな事情があったんだ!」といった、コンピュータにまつわる原理的・歴史的事柄をまとめた一冊です。数式だらけになったりはしないので、専門知識は持ち合わせていなくても気軽読める内容です。 読み終わってからTRONについて調べ始めて知りましたが、日本では知らぬところでTRONが結構使われているようですね。wikipediaによれば、ニンテンドースイッチのO

方法序説 (岩波文庫) デカルト

この本は、有名な「我思う故に我あり」の言葉が書かれているデカルトの書物です。フルネームでは、『理性を正しく導き、学問において心理を探求するための方法の話[序説] 加えて、その方法の試みである屈折光学、気象学、幾何学』というタイトルなんだそうです。近代合理主義の基となった考えというのが、一体どのようなものでるのか知りたくて手にとりました。 いずれはこちらも読まなければと思っており、まずはデカルトから。 後から続くものに道を遺す一番おもしろかったのは、P83-84 第6部

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書) 大鐘 良一, 小原 健右

この本は、2008年に日本で実際に行われた宇宙飛行士選抜試験の様子を、つぶさに記録したドキュメンタリーです。帯にも書かれている通り、宇宙兄弟を観たり、読んだりしている方には絶対オススメしたい一冊です。 NHKが取材を行ったものであり、ドキュメンタリー番組自体は今も観ることができます。 なぜ、今ここにいるのか?一番おもしろかったのは、P200-203 第4章 NASAで試される"覚悟" まず声をかけたのが、リンゼー氏だった。 「ノリ、アオイ? NASAへようこそ。私の名前

問い続ける力 (ちくま新書)石川 善樹

この本は、予防医学で有名な石川善樹先生が、出口治明氏(ライフネット生命創業者)や若林恵氏(元WIRED編集長)といった、”考える達人”に行ったインタビューを編纂しつつ、彼らのような”考える達人”たちが、いかにして問を立て、物事を考えているのかということを浮き彫りにしていく一冊です。 遠くまで考えつづける歩き方一番おもしろかったのは、P232-233 松嶋啓介--アートとは何か? 土地を感じるために、自分を空っぽにする 修行中は「シェフ、なぜこれを考えたの?」と聞いていた。

アリエリー教授の「行動経済学」入門 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)ダン・アリエリー

この本は、"行動経済学"関連の著書で有名な、ダン・アリエリー教授がNHK白熱教室で語った内容を書籍にまとめたものです。 人のめんどくさがりは、マーケティングの対象一番おもしろかったのは、P26-27 第一回 人間は"不合理"な存在である 意思決定は"合理的"か? こんなピザのメニューがあったら君たちはどう注文するだろうか? 一方は、記事に好きなトッピングをのせられるようになっている。ピーマンやオリーブなどのトッピングをクリックして選ぶんだ。もう一方は、あらかじめすべてのト