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#10 株式会社●●バンド設立〜実際に設立計画を作ってみる〜

今回は、いつもと少し趣向を変えて、皆さんでバンドの収支計画を作ってみようと思います。株式会社●●バンドを設立するにあたっての、当初の事業計画ということになります。ちょっと前回の復習をしておくとー

そもそも「お金の流れを予測する」のはなぜ必要なんでしょう?バンドをどのようにしていきたいと思っているのでしょう?そのためにはどのような活動をしていくことが必要なんでしょう?目標を持って行動すること、その目標自体を実現するために事業計画があります。持続的にバンドを継続していきたいのであれば、その方針を共有することが必要です。趣味としてバンドを続けていくにはどのように維持コストを負担していくか、生業としてバンドを続けていくためには、どのようにして稼いでいくのか、考えないといけませんよね。こうしたことが反映された事業計画(あるいはお金の流れの予測)が、良い事業計画だと考えています。

#9 株式会社●●バンド設立続編



●どんなバンドにしたいか?
前回、エイベックスの中期経営計画を分析しました。

「経営理念」でどのような会社でありたいかを示し、そのために「経営戦略」を立てていくつかの施策を打ち出しています。バンドでいえば、まずはバンドの方向性、「どんなバンドにしたいか」を示し、そのために「バンドはどう活動していくのか」を打ち出していくということになります。

また、「現在」および「過去」のエイベックスを巡る外部環境を分析し、マネタイズのトレンドから「未来」へ向けた施策を打ち出していました。これは、「バンドはどう活動していくのか」を打ち出していく上で大きな参考になりそうです。

●マネタイズのトレンド
ライブ、グッズ販売、ファンクラブ、音楽パッケージ、配信等それぞれのマネタイズのトレンド、可能性が分析されており、これは、エイベックスのような大企業だけでなく、こうした音楽業界に身を置くバンド自身がそれぞれのマネタイズ方法に対してどう活動していくのかを考えていくこともできます。

それぞれの項目につき、5W1H(いつ、だれが、どこで、なにを、どうするか)+1H(いくらか)を考えると、「収入計画」ができあがります。収入計画はそれぞれのプロジェクトに直接かかる費用もあわせて考えていきます。

こうした収入計画を一旦作ってみると、それを実現するためにどんな施策が必要かが見えてきて、支出計画もイメージが広がっていきますね。

例えば、月1回ライブを行い、2000円のチケットを20枚程度売るという目標を立てたとしましょう。
ライブハウスのノルマは10枚、ライブを行うためにリハが月1回必要で5000円、交通費が1000円、その他経費が1000円くらいかかるとします。ライブ収入は月40000円、原価は月27000円、利益は13000円になりますね。
これを1年間続けたとすると、年間の利益は156000円です。
156000円までなら、何かお金をかけても、1年間は赤字にならない計算です。

ライブだけでなく、グッズ販売、ファンクラブ、音楽パッケージ、配信等でマネタイズしていくことを考えてみます。

CDを作ったり、グッズを作ったりして販売するとか、ファンクラブで会費を取ったり、イベントを主催したりすると、どのくらいの利益が取れるのでしょう?

まずは簡単に収入計画の基本形を作ってみるとイメージしやすくなります。

もっと稼ぎたいと思えば、チケットを高くするのか、販売枚数を増やすか、あるいは利益率のいいグッズをもっと多く販売するとか、取り組む方針が見えてきますね。1年でこれくらい稼ぎたいという目標が決まれば、やるべきことが見えてきます。
また、1年目は稼ぎがなくても、3年後にこれくらい稼ぎたいとか、少し長めの目標を置くこともできますね。
ライブやライブ関連の収入のように、1回限りの収入で稼ぐだけでなく、ファンクラブや音楽パッケージ、配信など、一度作ると累積的に利益を産んでいく見えない形の「資産」に投資していくことも意識したいです。
この中で、こういう広報活動も必要だとか、こんな機材への投資も必要だとか、支出の計画もできていきますね。収支計画になっていきます。

いろいろシュミレーションしてみましょう。

●PDCAを回す
収支計画を作ったら、実際に動いてみましょう!
それでどんな結果だったかを分析し、改善する。前回お話ししたPDCAを回すということですね。

PDCAは次の4つのステップ、サイクルの頭文字です。
①Plan/計画
②Do/実行
③Check/評価
④Action/改善

#9 株式会社●●バンド設立続編

PDCAを回すことによって、どんどんいい収支計画になっていきますし、やるべきことが見えてきます。
繰り返しになりますが、収支計画は、それを作ることが目的ではなく、どんなバンドになりたいか、そのためにはどんな活動をするのかを見える化するのが目的ですから、常に修正していくことが大切です。


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