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3Dプリンタでウォンバットを作る(7)スケルトン出力・組立編

こんにちは、夫婦二人で活動しているSTUDIO OTOMARUです。
普段は3D-CADを使った機械設計や電子工作をしています。

今回は高精度・高速なプリンタを生かして、以前作成したウォンバット・スケルトンのデータを出力してみます。
そして組み立てます。

まずは高精細な造形の仕上がりを確認する

A1 miniに付属のノズルは0.4mmですが、オプションで0.2,0.6,0.8mmという選択肢があります。0.2mmのノズルも買っているので、それを使い0.06ピッチというこのプリンターで可能な最も細かいプリントを試してみます。

0.4mm 0.2ピッチとの比較

ノズル:0.4 ピッチ:0.2
ノズル:0.2 ピッチ:0.06

わかりにくいですね。拡大してみます。

ノズル:0.4
ノズル:0.2

0.2の方が明らかに積層跡が綺麗なことがわかると思います。

細いところが折れてしまっていたので、設定を見直して再出力します。
当初、ピッチを0.06mmにしていましたが、出力時間の割に大きな違いがなかったので最終的には0.1mmピッチに変更しています。

サポートを取り外した状態 (ノズル:0.2 ピッチ:0.1)

今回製作するスケルトンで一番華奢な部分が問題なく出力できました。
このスケールでいけそうです!(ワクワク)

残りのパーツを出力する

頭蓋骨
腰椎、仙椎、尾椎のあたり
大腿骨、脛骨、腓骨と足のほう
サポート除去後(足根骨、中足骨のあたりは不正確です)
がったい
肋骨たち。
ここだけは普通のプラモみたいに1個1個取り付けます

模型として1個の塊にするために、データ上で浮いていた骨たちは目立たないように芯を付けて接続しています。(うーん、、目立つなぁ 改善点です)
骨格標本で言うところの針金の代わりです。

肋骨は胸椎と一体にして出力したかったのですが、サポートの除去や出力時間、積層方向(強度の問題)を考えた末に別パーツで出力しました。


組み立て完了!

こんな感じになりました。
結構大きいなぁ

下顎を可動できるようにしたいので、ゴムで止めている状態です。

よこ
まえ
うえ
うしろ
テーブルはIKEAのビョルコーセンというやつです
おしり
あたま

って、何か足りない?

あ、

忘れてました。この骨
この骨の名称がわかりません、、データ上は「nazo-hone」と名前を付けてました。
調べてみると「前恥骨」とのこと。有袋類に特有!!
ウォンバットらしい骨なのに忘れていたとは。

★常設展示紹介 有袋類 カンガルーやワラビーをはじめ お腹の袋で赤ちゃんを育てる仲間を有袋類と呼びます。 有袋類には骨盤に特徴的な突起があります。 これは前恥骨(袋骨:たいこつ)といい 子の入るお腹の袋を支えるための骨で、 他の哺乳類にはこの骨はありません。 写真2:オポッサムの骨盤 写真3:タヌキの骨盤 お腹の袋で赤ちゃんを育てる雌にとって、非常に重要ですが この骨は雌だけでなく袋を持たない雄にも見られます。

Posted by 日本大学生物資源科学部博物館 on Tuesday, November 3, 2020

早速、3Dプリンタで出力して接着します。
標本でも、参考データ上でも骨盤と繋がっていませんが、模型の都合上接着する事にしました。
(参考にした骨格標本では針金で骨盤に接続されていました。)

こんな感じかな?

改めて完成

足の骨形状をもう少し詰めたいです


さて、次は

改善を重ねて骨格としての最終的な完成を目指そうと思います。

一旦、次のステップに行きます。

次は動く骨格と肉付けです。
最終的には皮と毛に相当するものをつけたいですが、まだまだそれを検討する段階にはありません。


作業が進み次第、続編を公開します。
ご覧いただきありがとうございました。


3Dプリンタでウォンバットを作るシリーズ


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