見出し画像

コロナでエンタメビジネスはどう変わった?ライブ編

エンターテインメントは人々を楽しませるもので、映画・テレビ・ゲームなど様々なものを含みますが、今回はライブビジネスに焦点を当ててみたいと思います。

1. ライブビジネスとは?

アーティストによるライブやフェス、歌舞伎や演劇などを開催するビジネスです。本記事での業界規模は、音楽コンサート、ステージでのパフォーマンスと定義します。

アーティストのライブを例にした具体的なビジネスモデルを挙げます。アーティスト側がお客さんに生の音楽を提供するためにライブを企画し会場予約をし、お客さんは直接音楽を体感するためにチケット代を払います。

そのライブに協賛が付くこともあり、会場を運営するスタッフもいます。また、アーティストのグッズ販売も大事な収入源になっています。

ぴあ総合研究所ぴあ総研(PIA Research Institute)|CSR活動|ぴあ株式会社によると、コロナ前の2019年のライブ市場は過去最高の6295億円、2020年のライブ市場は前年の8割減の1106億円でした。

ジャンル別にみると、音楽は589億円、歌舞伎や演劇などのステージでのパフォーマンスは518億円でした。音楽はポップスが8割以上を占め、ステージパフォーマンスはミュージカルと演劇が7割以上を占めています。  

出典:ぴあ総合研究所

https://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta20210513.html

https://corporate.pia.jp/csr/pia-soken/pdf/pia-soken_summary202105.pdf

2. コロナ以前のライブビジネス

新型コロナウイルスが流行する前のライブビジネスにはどのようなものがあったのか、ここでは例を2つ挙げます。

・有観客ライブやイベント

アーティストがドームやアリーナ、ホールなどで行うリアルのライブ、劇場での演劇や歌舞伎などです。生演奏を肌で感じられるのはもちろん、セットや演出を楽しめ、その会場でしか体験できない一体感や臨場感があることで、多くの人々を動員していました。

具体例

コロナ前の2019年に行われたものには、山下達郎による「山下達郎Special Acoustic Live 2019」、嵐の「ARASHI ANNIVERSARY TOUR 5×10」などがあります。舞台は「ビッグフィッシュ」「エリザベート」などが行われました。

また、夏の「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などに代表されるフェスでは生演奏だけでなく、屋台などお祭りのような雰囲気で人々を楽しませていました。

・オンライン配信

家でも外でもどこにいても観られるオンラインの配信ライブやイベントです。YouTubeなどのオンデマンド型のものや、無料のツイートキャスティングライブやインスタライブなどの生配信が多かったと言われます。

具体例

あいみょんや星野源、wacci、Saucy Dogなど様々なアーティストがコロナ前からYouTubeを活用しています。

シンガーソングライターの井上苑子はメジャーデビュー前にツイートキャスティングライブで人気を博し、2015年7月のデビュー後にはインスタライブをしながら全国を周っていたことでも知られます。

3. コロナ禍でのライブビジネスのトレンドと今後

新型コロナの流行により緊急事態宣言が出され、ライブビジネスはどう変わっていったのか、例を2つ挙げたいと思います。

・無観客ライブなどのオンライン配信

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続いたため、力を入れていたコロナ前のリアルイベントを行うのが難しくなりました。そこで出てきた新たなビジネスモデルがオンライン配信です。

オンライン配信自体はコロナ以前からありましたが、密を避けるようになったコロナ禍で、自分の家でも楽しめるオンラインライブは重宝され急増しました。そして、オンライン配信のやり方も多様化しました。

無観客の会場からの生配信ライブやSNSのライブ配信、中にはコメントや合図を送れるものや、視聴者同士が交流できるものも出てきました。

密にならないため感染対策になるだけでなく、移動の手間が無くなることや、会場が遠くて行けない人も観ることができるオンラインの良さを発見しました。

コロナが少しずつ落ち着いてきた昨今でも、リアルライブに加えて配信を行うアーティストもいることに加え、オンラインライブに参加する人が増加していることからも、リアルイベントと並行して今後も重宝されることが予想されます。

出典:ぴあ総合研究所

サービス

有料チケット制のライブストリーミングサービスには、「ZAIKO」を初めとして、「イープラスStreaming+」「PIA LIVE STREAM」「Stagecrowd」「LINE LIVE-VIEWING」などがあります。

新感覚のものとしては、チャット機能、アーティストにギフトを贈れるギフト機能がある「FAVER」や、最大8人のオンライングループでビデオ通話やチャットが可能な「Thumva」などが挙げられます。

具体例

音楽では、嵐の活動休止前最後の「This is 嵐 LIVE 2020 12.31」がライブの生配信というだけでなく、チャット機能で遠くにいる友人とやり取りができたり、選ばれると、画面越しに嵐からファンサービスをしてもらえたりして話題になりました。

ステージパフォーマンスでは、2020年7月に初めての試みとして「中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演」で歌舞伎が生配信されたことで注目を浴びました。

・オンライン体験型

オンラインで視聴してコメントするだけでなく、バーチャル空間にアバターを使って参加するバーチャルフェスなども行われるようになりました。

バーチャル空間でライブをし、そこにお客さんがアバターとして参加することで、リアルイベントではなくても、ライブの世界に入っていける新たな楽しみ方が出てきました。

オンラインでアーティストとファンが繋がれるZoomなどを使ったファンミーティングも増えてきました。リアルではなくても、オンラインでアーティストと話すことができる貴重な場となっています。

配信との違い

配信よりも、その場にいる人にしかわからない臨場感、没入感があること、自分が観たいところを観られることなどがメリットと言えます。ファンミーティングなどはアーティストとファンの距離が近いことが挙げられます。

デメリットとしては、機材を用意しなくてはならない場合があったり、配信よりもコストがかかってしまったりすることが挙げられます。

具体例

2020年4月に米国のゲーム「フォートナイト」で行われた、米国の歌手トラヴィス・スコットのバーチャルライブが、グッズの売上も含め約2,000万ドル(約21億円)の売り上げを記録し話題になりました。

8月には日本人初アーティストとして米津玄師がライブを行い、関連ハッシュタグがTwitterトレンド1位を獲得しました。2022年6月に星野源がライブを開催したときには、参加者がバーチャルで恋ダンスができるようにまで進化していました。

2021年7月に行われたRADWIMPSのバーチャルライブも注目を集めました。スマートフォンアプリで体験可能で、参加者はアバターで自由に会場を巡れるというものでした。

まとめ

いかがでしたか。
リアルイベントとオンライン、今後どのような形になっていくのか楽しみですね。

お問い合わせはこちら

スタートアップスタジオStudio ENTREでは、起業に関するご相談をお待ちしております。お気軽にご相談ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?