誰も言わないコロナ休校の課題

私の学校では、新型コロナウイルスの蔓延によってなんと3週間も休校が決定しました。二回目の冬休みが来た感じです。
さて、今回は私が知る限りでは誰も言っていないコロナ休校の課題を語っていきます。

家ではなく学校が安心できるという生徒の存在

昨今、児童虐待が報道でよく取り沙汰されています。
児童虐待だけではなく、ネグレクト(いわゆる育児放棄)も問題となっています。
暴力による児童虐待やネグレクトもそうですが、私が懸念しているのは『精神追い込み型虐待』の存在です。
例えば「お前は何をやってもだめだな」や「受験に失敗したら人生終わり」などと子供に言い聞かせ、子供から自己肯定感を奪い将来への希望を喪失させ、ひいては人間への信頼も喪失させるとても恐ろしい虐待です。
自分で言うのは少しばかり身が引けますが、実は私もこの虐待の被害者です。
そして、これらの被害を受けている子どもすべてに共通していることは「家ではなく、学校が安心できる場所」ということです。


私たちにちにとって学校・家庭とは何なのか

では、そもそも私たちのような虐待経験者にとって「学校・家庭とは何なのか」を語っていきます。
私のような子どもにとっては、家というのは安心できる場所ではとてもありません。いつ罵声や怒声が飛び交ってくるかがわからない、いわば戦場です。私たちにとって、親は強大な敵であり小さな独裁者です。
私の場合、現在では精神追い込み型虐待は少なくなりましたが、それでも家では心が休まりません。いつ何時でも親から「英検に落ちたら殺す」などと言わてもおかしくないでしょう。
そんな私たちにとって、唯一安心できる場所であり、私たちの大切なセーフティネットとなっているのが学校です。そこでの生活を支えてくれる友達や、教師といる方がよっぽど「私は愛されている」と感じられます。

休校で失われるセーフティネットをどう回復するか

さて、休校で失われるセーフティネットは如何に回復すればよいのでしょうか。
私はICT機器の積極的活用を提案します。
コロナ休校により、小中高でのICT機器の普及や、インターネット回線の普及は一気に増加したと私は考えています。
試しに資料を見てみましょう。2021年度の高校でのICT関係の普及率に関するデータです。

㈱旺文社によるアンケート調査。
全国1,313校が回答。

https://www.obunsha.co.jp/news/detail/64

過去5年間でタブレット型端末の高校での普及率が初めて半数を超え、コロナ禍によるICT教育の重要性が手にとるようにわかります。
また、全国津々浦々の高校で使用されており、㈱Softbankと㈱ベネッセが運営している『Classi』という学校用アプリでは、生徒が自主学習の状況や生活の様子などを学習記録で記載することができます。
また、教師とのダイレクトメッセージ機能も用意されており、こちらは親であっても覗くことはできず、完全に子どもと教師の一対一の秘匿空間となっています。
このようなアプリを活用し、虐待経験のある子どもに「自分は独りじゃない」「味方がいる」と思わせることが重要ではないでしょうか。
そのためには、「学習記録に何でも書いてほしい」「辛いことがあったらダイレクトメッセージで教えてほしい」と教師が事前に生徒に言っておくことが重要です。

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