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地方企業が「UIターンで中途入社者」を受け入れるための正しい態度

1.UIターンの中途入社者の実態

ほとんどの中小企業が中途入社者の集まりだ。
世の中的には手垢のついたテーマになる。

しかし、地方の若手経営者にとっては新しいテーマなのだ。
何故ならば、それなりの規模になると
新卒中心の採用となっていて、「中途慣れ」してないからだ

先代は中途採用を失敗して、新卒シフトして、何年も中途採用しない
ケースが多い。

実は科学的にもまだまだ掘り下げる余地のあると思っている。
難しいテーマだ。
単純なリテンションではなく、ジョイントしてから離陸する
オンボーディングというテーマになる。このテーマはめちゃくちゃ深い。
ほとんど研究もされてないことがわかった。


UIターンの中途入社者は、年齢的な部分にも関係しているが、
周りに頼れないし、周りからかまってもらえないという環境に置かれる
それは「逆境」とも言える。

ようは、UIターンの中途入社者には「即戦力」というタグが貼られる。
そのため、「あの人、中途だからお手並み拝見だね」となりやすい。

UIターンで中途入社者本人もこれをヒシヒシと感じるので、業務の中で理解出来ないことがあっても、なかなか他の職場メンバーに聞くことができない。
これが「周りに頼れない」理由だ。

一方で、

周囲の人々も中途入社者には助言がしにくい。

一言で言うと、「気分を害するかもしれない。」こんな心理が
生まれている。
これが、「周りからかまってもらえない」環境になっているケースがある。

更に経営者にも期待されているので、成果を上げたいというプレッシャーがかかる。

つまり、中途入社者は
高いプレッシャーを感じていて、かつ、周囲からのサポートも少ない
という最悪の環境に置かれる。

よって、成功確率が低くなっていると思う。

2.ミスマッチが本質ではない

しかし、人事責任者や経営者は失敗の原因の多くを
「採用面談のミスマッチ」にフォーカスする。

採用のミスはこの文脈に偏りすぎているようにも思う。

なぜ、原因を「ミスマッチ」にするんだろう?と考えた。

いくつか頭をよぎる。
私が一番に出てきたのは
ミスマッチにすると最終決定は経営者なので、経営者の責任になる。
そうすると誰も傷つかない。「自己責任の原則」となる。

或いは、マッチングというのは理論的にも確率論であり
それを原因にしておくと思考停止できる。かもしれない。

多くの経営者にはかなりの
ミスマッチバイアス」がかかっていると思う。

この「ミスマッチバイアス」を身近な事例で表現すると

私は結婚に例えると理解できる。
離婚の原因ベスト3を上げろと言われると
色々出てくるが、ほとんどの人が「選択を間違えた」という結論に
帰結する。

なぜ、この結論に行くんだろうか?

採用の「ミスマッチ」を原因にするのはなぜか?の解答と同じだと思う。

・自己責任の原則
・思考停止できる(他責)

これが原因で何か解決するんだろうか?と素朴に思う。

改善策は出てきて
「ミスマッチの無いように時間をかけて見る、慎重になる」
=機会を喪失する
「占いや適性検査みたいな何かに頼って根拠を作り意思決定をする」
=結局、他責

ぐらいしか出てこない。
そろそろわかってくる。「ミスマッチ」本質ではないと。

採用も結婚もその後が大事である。

3.オンボーディングはどうすべきか?

さて、このオンボーディングというやつを試行錯誤してきた。
結論から言うと
本質は「自信」の獲得と「期待値調整」ではないか?と思っている

中途採用は、過去の職場で成果を出して自信を持っている人に
ジョイントしてもらう。
しかし
職場が変わりセールスターゲットやルール変更に伴い、短期的に自信を
喪失してしまうことがある。

なるべくやり方を強制したり、指導したりすることはしないようにしている企業は多い。
本人の経験を重視して、やりたいようにやってもらうようにしているという
経営者も多い。

しかし、ビジネスの難しい所は、少しのズレが成果に係ってくるという
ことだ。

私のお客様で若手経営者からも相談をされたことがある。

UIターンで入社した社員、成果が上がらず、とてつもなく
苦しんでいる。私も横で見ていて心が痛む。
なるべく伴走しながら最短ルートを探すが、なかなかうまくいかない。

成果が出ないと存在意義を失い、身体が動かなくなっていく。
そして、さらに成果が出なくなるという負のスパイラルに入っていく。

ここでほったらかしにすると絶対よくないので、なるべく接点を増やして
マインドセットを繰り返すしかない。
もともと経験豊富な人が多いので少しの突破口が見えるとすぐ走り出す。

ただ、他人が自信を付けさせるということはできない。
自信は与えるものではなく、勝ち取るもとだとおもう。

よって、コンサルっぽくない意見であるが
できることは寄り添うことだけだと思う。

他社でオンボーディングに成功している仕組みがあるので紹介する。

「1on1」だ。若手経営者と中途入社者が週に1回夕方1時間ほど
面談をしている。

内容は
・成果を上げるための相談・フィードバック
・現状の悩みやボトルネック
・経営者として出来ることは無いか?という話


更にチャレンジ中なのが
「中途入社者とベテラン社員が2名体制」のチームとなり
ルールを教える、サポートするという仕組みを作っている。

毎日ミーティングを実施してリソースを共有して
入社直後でも労働参加率を高める取り組みをしている

これで「ほったらかしや不安の解消」に役立っているという。


次に「期待値調整」については、個人的に非常に重要だと思っている。

組織内や周りからの期待値が勝手に上がっていくので
本人と都度「期待値調整」が必要だ。
必ず誤解が生じる。
特に大きくズレるのが「時間軸」である。

業界にもよるが、UIターンの中途入社者は半年間で成果が出れば
御の字である。そして、1年ぐらいで最適化するものだと思っている。

特にキャリアチェンジに近い人は1年かかる。
なぜ、1年もかかるのか?について私なりの結論がある。

ローカル企業の組織にジョイントする中途入社者はとにかく役割が多い。
一方で、首都圏で働いている大企業出身の人は役割が絞られている。

簡単に言うとこれだけだ。能力云々ではない。

よって、組織の成熟度とオンボーディングの時間は反比例する。
成熟すればするほど、オンボーディングの時間は短くなるはずである。

更に、前職が同じような規模の組織から来るとすんなり進むが
そんな会社から採用をしてない。

ほとんどが、規模の大きな会社からのジョイントなので、
より絞られた役割で適応に時間がかる。

時間軸を半年から1年とみて採用をすれば、UIターンの
中途入社者も安心して環境に慣れる時間があり、安心して全力を出せる。
受け入れ側の
経営者が社員に「半年から1年はかかる」と伝えることが重要だ

最後に簡単ではあるがオンボーディングにガイドラインがある。
Klein&Polin 2012という論文から以下の要素が重要だと言っている。
使えそうなところをピックアップしてみた。
<オンボーディングデックの一例>
・各種マニュアルの整備
・どこに何があるといった情報の案内
・過去事例や実務で使用する各種フォーマットの保管場所
・問い合わせ先のリスト など

<オンボーディングプロセスの一例>
・自己紹介シートの作成をお願いする
・既存社員を紹介しておく
・会社への理解を深めておくことをお願いする
 ∟経営理念ブックや企業案内の配布
 ∟ブログなどの発信情報、サービス導入事例など
・現場社員との交流機会を設ける
(入社承諾から入社まで2カ月以上ある場合)
・入社前にアルバイトや業務委託として少しずつ関わってもらう
・入社後のオンボーディング/研修プログラムを事前に伝える

ローカル企業は中途入社者に大きな期待と役割を与える。
一方でその期待に応えようと中途入社者も頑張る。
しかし、上手く噛み合わず離職するケースが多い。

地方に優秀な人を呼ぶためには、受け入れ側の考え方を変える必要がある

UIターンで中途入社者の受け入れに慣れていてオンボーディングが上手な企業はたくさんある。
しかし、残念なのは表面的にはわからないということだ。

4.当社の取り組み

これを我々はご紹介できるようにしている。
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