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深い深い愛のお話〜まみりと二丁魁とEpilogueと〜

まなみのりさのライブの後は、いつも不可思議な気持ちになる。
楽しい!だけではなく、自分の胸底にある気持ちがかき混ぜられていくような、なんというかアンニュイな気分になるのだ。もちろん楽しいという気持ちが大部分を占めることが多いのだけど、まみりの解散が発表されたあの日から、この渦巻く気持ちがどんどん無視できない存在感を出すようになってきている。

それでもやっぱり、まみりの曲が、歌詞が、ダンスが好きで何度も足を運んでしまうのだ。

次にまみりに会えるのはいよいよ4/1の中野サンプラザか、と思っている中で発表された最初で最後の全国ツアー。しかも千葉公演のゲストは二丁目の魁カミングアウト。
気になっていてフェスの配信では何度か見たことはあるものの、初現場はもうここしかないのでは!と発表後にすぐ行くことを決めた。
と同時に、ラストの全国ツアーが全公演にゲストが登場するという構成になっていることから、解散発表直後のワンマンライブでみのりさんが言った「この一年の中で次の推しを見つけてほしい。」という言葉をあまりにも体現していてまたしても悲しい気持ちになった。
私はまだ全然まなみのりさの解散を受け入れられていない。

とはいえ、私もみのりさんが言うところの「好きを見つけるのが得意」なオタクではあるので、当日は初めて生で見る二丁魁にワクワクしながら柏へ向かった。
柏を訪れるのは、コロナ前に行ったTEAM SHACHIの「Rocket Queen」リリイベ以来。馴染みのないエリアの生活圏に足を踏み入れるのは、アイドルオタク故の機会であり楽しみである。


開場中に会場内で流れていたのは恐らくまみりのラストアルバム「LAST」。
ずっと収録されてこなかった「Bye bye バイナリ」や「TOKYO」が音源として流れているのはなんだか変な気分である。

最初は二丁魁パート。
影ナレがぺいにゃむにゃむさんの「キンコンカンコーン!」で始まり、いよいよリアルで二丁魁を見られることにワクワクしてくる。
まみりのことを「まみりちゃん」と呼んでいるのが新鮮で、まみりは大体の場合先輩になることが多い中で、二丁魁とまみりのほぼ同期感が感じられてほっこりした。
登場した4人は背中にまるで水引のようなリボンを背負ったキラキラした衣装で、この衣装を生で見れたことにまず感動した。ちなみに心の中で勝手に「妖精さん衣装」と呼んでいます🧚‍♀️

知ってはいたものの、曲が途切れることなく連続披露されていく様に圧倒された。
間断なく次の曲が始まるのが分かってても、思わず隙間を縫うように拍手をしてしまった。
元々ダンスが独特で良いな〜とは思っていたけれど、現場で見て同じくらいすごい!と思ったのはハモリだった。基本どの曲とハモリが入っていて、まみりと相通じるところが多くて、そういった親和性からラストツアー初日の出演になったのかな?と思った。
ちなみにハモリについては、後のMCでミキティーさんが語っていたが、「まみりのハモリを聴いて衝撃を受けて、そこからますます力を入れるようになった」とのこと。親和性どころか、ガッツリ影響しあっての話だった。

「ノスタルジスター」は曲もさることながら、振付が好きだなあと思った。落ちサビで静止した後に1人ずつ動き出すところとか。
「隕石に願いを」ではマイクスタンドが出てきて、二丁魁もマイクスタンド曲あるんだ〜と思っていたら、ダンスパートのメンバーはスタンドから離れて踊り出していて思わず笑ってしまった。大体スタンドありの曲って立ち位置固定で歌唱する印象があるけど、それに捉われてないのがよかった。
…と思っていたら、まみりも「かかとを鳴らして」でスタンドを動かしまくっていたことに改めて気づいた。2組とも自由である。
「耳をすませば」では「あ、知ってる曲!!」となった。この曲になった途端、客席が勢いよくノリノリになって床が揺れ始めたのが面白かった。二丁魁の曲って客席の一体感がすごい。今回はやらなかったけれど、「リバ」をYouTubeで見た時の客席が一斉にサビで首を傾げる一体感に気圧されたので、ぜひ次は「リバ」を生で体感したい!
そして最後は「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」。タイトルと曲が今まで一致してなかったのだが、年齢を重ね上げていく歌が印象的で、この日聴くことができて嬉しかった一曲だった。
ミキティーさんが歩んできた歌詞なのだろうかと考えつつ、「23.24.25才 何がやりたいか分からず 名前も知らぬ 誰かと明かす夜もあったな」という部分にはドキッとさせられた。
しかし二丁魁、音域がえらい広くないか?3オクターブくらい行き来していたのではないかと感嘆しながら、手が痛まんばかりの拍手でメンバーを見送った。


あまり間を空けず、まみりの3人がするするっと入ってくる。
感謝の言葉を述べて挨拶しつつ、続けて披露されたのが早速二丁魁のカバーで「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」。
まみりのすごいところの一つは、カバー曲を見事にまみりアレンジにしてしまうところだ。この曲も例に漏れず、さっきはミキティーさんの実体験のように思えた曲も、まみりが歌うとまみり自身の人生をしっかり感じさせられる。
まみりの年齢についつい同調してしまう私は、今度は「28.29.30才」という響きに涙が出てきてしまった。
その少し前の歌詞、「一人で生きていく意味 誰かと生きていく意味 少しずつわかってきた頃 大きな別れもあり」には思わずあなた達とのことだよ!と叫びたくなってしまった。

そのまままみりパートに入るかと思いきや、次は二丁魁によるまみりカバー。
しかも「かかとを鳴らして」。ミキティーさんが言った瞬間に、会場がざわついた。基本二声で進行して一人は踊るという、なかなか異色な曲を4人ではどのように披露するのか。
ミキティーさんが続けて話したのは、まみりの振りが好きなのだけど優雅すぎて自分達は踊れないという前置きの上、まみりたちの「かかとを鳴らす音」を聴くということを考えながら二丁魁披露用に振付をしたということ。
わざわざこの日のための一曲に振り直しをして振り入れをする、という力の入り様に、どうしようもなくまみりへの愛を感じてしまった。いや、それって新曲一曲分の労力とほぼ同義じゃん、どう考えても大変だよね??
息を詰めるようにして聞いたこの曲もまた、見事に二丁魁アレンジされていた。
両手で耳を澄ませるポーズは二丁魁の他の曲でも何度か出てきて、今日初めて生で見たけれど既に「二丁魁っぽい振りだなあ」と思った一方、サビ終わりの「かかと鳴らして」の右足を後ろに蹴りあげる動作はまみりの振りを踏襲している。
そしてラストサビ前のセリフ「心でそっと祈るの かかとを鳴らして」は、りささんとは打って変わって筆村さんが力強く叫ぶ姿に、二丁魁の解釈の落とし込みっぷりを特に感じた。
このセリフと全体的な振りが、まみりは消えゆくものに手を伸ばす印象があったけど、二丁魁は例え届かなくても掴み取らんとする強さを感じる手の伸ばし方なのが対称的だったが、再解釈からどうしようもなく感じ取れてしまうまみりへのリスペクトに、思わずボロボロ泣いてしまった。マスクの下が大洪水だ。
そしてミキティーさんも思いっきり泣いていた。
このアレンジは完全にまみりへの餞なんだなあ。



そしてまみりパートへ。
最近のまみりは一曲目は必ず「Escape」である。
歌というよりはもはや室内楽を聴いている心地になると思ってしまうのは、ミキティーさんに感化されているのかもしれない。
みのりさんの必ず当てる超高音はこの曲の醍醐味だしカタルシスでもある。
(二丁魁もこの曲似合いそう、そしてこの高音も歌えそうというところでEscapeもカバーしてほしい…という強欲。)
そしてこの曲を聴きながら、ふとツアーのタイトルが「Epilogue」であることに思い至り、いよいよまみりも終章になってしまったことが今更実感として迫ってきた。

ここ一年のまみりのライブは、どうしてもその曲に色濃く紐つくライブを思い出す。
芭蕉の「さまざまのこと思ひ出す桜かな」という俳句がとても好きなのだが、まさにこのライブは「さまざまのこと思ひ出す」だ。
「knock」は有楽町のヒューリックホールでのライブ。LEDの大型パネルを用いた舞台で披露されたクリスマスバージョンの「knock」はとても楽しい空気に溢れていた。
「片道切符」はやっぱりコロナ禍でのオンラインライブを思い出す。有観客で予定していたものの、状況を鑑みてかなり直前にオンラインライブに切り替え。有観客想定時の空気感をできるだけ残そう!という心意気のもと、オンラインライブ10回まわしで実施された。(たしか一回のライブにつき観客は30人程度だった記憶がある。)
「有観客」という言葉ももはや懐かしいし、あの時行く予定だった六本木のライブハウスももうなくなってしまった。
「花びら」はまみりにハマりだした頃に出た新曲で、MVの雰囲気がすごく好きで何度も見返した。この日の衣装は、当時の白ワンピとエアリーな雰囲気が似ていて特に当時が想起された。春先のリリースだったこともあり、春特有の暖かくて少しむせかえる様な香りも漂ってきそうである。

「栞」を聞くのは昨年の周年ワンマン以来2回目。
歌詞が辛すぎて、MVも公開されたけど多分見れないまま終わりそうである。
初めて聴いた時は「何でそんなこと言うの!」という実に自分勝手な子供の駄々のような怒りが湧いてきてしまった。歌詞のあまりのストレートさに、まみりが本当に解散してしまうこと、それをまだ受け入れられていないのを自覚させられたことを強く突きつけられたような気がしたのだ。
今回、最後が「かかとを鳴らして」で締め括られたことにホッとした。
歌詞の一節「どうせならいっそのこと あなたを嫌いになりたいよ」はまたしてもあなた達のことだよ!と叫びたくなったけど。「大好き」の反語ですね。
…と書きつつも、辞める側が笑顔で、見送る側が悲しみまくるのがいちばん良い別れ方だとは思っているので!ちゃんと思っているので!!

MC部分では、2組ともお互いのことを「本当に大好きで、大好きで」に終始していて思わず微笑んでしまう。好きすぎて却って細部が言えなくなっちゃうことあるよね。
そして壇上にいる過半数が泣きだすというのもなかなか…。
このライブを通して、二丁魁の、特にミキティーさんの愛の深さに感銘を受けた。情の深さというよりは、愛の深さである。
相手に好意を伝えるときに言葉を惜しまないところだったり、カバー曲を歌い切った後に感極まって泣いている姿だったり、節々からまみりが本当に大好きで尊敬している気持ちが伝わってきて、こういう気持ちを持てる人に私もなりたいなあ、と思う。
まみりはずっっと箱推しで来ていて、最近今更ながらに「もしかしたらまなみさん推しかも…」という気持ちに至ったのだが、まなみさんもまた、ミキティーさんとは違う形での包み込むような愛情深さを感じるのだ。
2人とも自グループの振り付けを全てしている共通点があるけど、振付師って愛情深い人が多いのだろうか、と安直に思ったり。

2マンライブは大体、1組+1組で独立した2つのライブの組み合わせの印象を受けるのだが、この日のライブは曲のテンションや構成から、2組で1つのライブを作り上げた!という一体感があった。
歴戦のアイドル同士のプライドが伝わってくるような、「2マン」に新しい概念が吹き込んできたようなライブだった。



折角なので特典会は2組ともに参加。
二丁魁の「神対応チェキ」の存在は知ってたものの、特典券は「神対応」一択なのか…!と驚き。
めっちゃ近いし四方から視線を感じるし、みんな話しかけてくるしめっちゃ近いし!
あった筈のアクリルシートが脳内の記憶からは霧散した。
「かかとを鳴らして」カバーのお礼に終始してしまったので、次は二丁魁曲の感想も言えると良いなあ。ぺいにゃむにゃむさんの「私も泣いちゃったあ」の言葉があまりにも同じ目線に立ってくれている感じが凄くて、神対応…!と感激した。
チェキはあまりの近さにビビった私が限界まで後退していて、これが小顔効果というやつかあ、と見返して思いましたとさ。

まみりはトップスをツアーTシャツに着替えていて新鮮だった。
まみりにはいつも「次は○○に行きます」と未来の話しかできていないということに帰り道にふと気付いた。
ミキティーさんが「私は厚かましいから全部言っちゃうけど、他のみんなも心の中では絶対思っている」と言っていた言葉が脳内をリフレインして、自分はまみりに好きなところをちゃんと伝えられていたか?と反省した。
特典会はまみりの優しさにいつも甘えていることが多かったが、残り少ない機会、次はしっかり好きなところを伝えようと決意する。ミキティーさんに感謝しきりである。

このライブに行ったことで改めて気づけたまなみのりさの良さがあった。
まみりが解散した後、他のアイドルを新たに推すのか、それが二丁魁なのかはまだ考えられないけれど、残り1ヶ月と少し、悔いのないようにまなみのりさを目に焼きつけられればと思う。

とりあえず次は3/18の二丁魁主催2マン。いよいよ残りは4/1のラストライブのみと思っていたので、やっぱり二丁魁には感謝しきりである。

二丁魁推しの友人のnoteはこちら▼
(今回の二丁魁の予習、めっちゃみかんさんの過去のレポ読みました👀)


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